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コモディティ銘柄の上昇に備える

鉄鉱石や銅、亜鉛、ニッケル関連銘柄への投資タイミングが近い可能性

タイトルの通り、鉄鉱石や銅、亜鉛、ニッケル関連銘柄への投資タイミングが近づいている可能性があります。このように考えられる背景には、各商品価格が上昇に転じたこと、バルチック海運指数が底打ちしたこと、中国のM1が急増したことがあります。

まずは、各商品の価格を見ていきましょう。

鉄鉱石

足元は横ばいとなっていますが、1月末から上昇しています。

鉄鉱石

1月末に底を打ち、右肩上がりで上昇しています。

亜鉛

亜鉛も銅と同じように、1月末に底を打って以降、上昇を続けている状態です。

亜鉛

ニッケル

こちらは右肩上がりで上昇しているわけではありませんが、2月上旬に底値を付けて、少し価格水準が切り上がっているようにも見えます。

ニッケル

いずれの商品も、1月末~2月上旬に価格の底をつけたようなチャート形状をしています。ちょうどこの頃は、トランプ大統領が矢継ぎ早に関税政策を打ち出している時期でして、私自身は「関税政策の影響で需給が逼迫するため価格が押し上げられているのだろう」と考えていました。

しかし、時を同じくしてバルチック海運指数が上昇を始めます。

バルチック海運指数が底打ちした模様

下のチャートは、バルチック海運指数の推移です。この指数は、鉄鉱石や石炭、穀物などの乾貨物(ドライカーゴ)を運搬する外航不定期船の運賃を基に算出される指数となります。

バルチック海運指数

2024年10月上旬から下がり始め、2025年2月上旬に底打ちしたように見えます。10月以降の下落は、トランプ大統領が掲げる関税政策により国際貿易が停滞するとの懸念や、中国の景気減速などを織り込んだものでしょう。

しかし、この指数が底打ちしたということは、外航不定期船が運ぶ鉄鉱石や石炭などの需要が高まっていることを意味します。

ここで、世界の工場としての役割を果たしている中国の経済がどうなっているかを確認しましょう。

中国はM1が急増

中国のM1は、2025年1月に112兆元となっており、過去と比べて急増しています。M1は最も流動性の高いお金で、現金と要求払預金を足し合わせたものです。

M1

12月と比べて約2倍のM1となれば、それだけ企業の投資や生産活動、個人消費が活発化する可能性が高いでしょう。

ここで北京市PM2.5濃度の30日移動平均を確認すると、1月に上昇していました。

北京市PM2.5濃度[30日移動平均]

このことからも、中国で生産活動が活発化し、鉄鉱石や銅といった商品価格が上昇した可能性が高いと言えるでしょう。

ただし、直近の北京市PM2.5濃度は低下してきています。生産活動が落ち着いた可能性もあるので注意が必要ですが、内需が弱い中国が外需で景気を立て直すために積極的に生産しているとすれば、もうしばらくは商品価格の上昇が続くかもしれません。

(生産量増加が需給の緩みをもたらすため、最終的には商品価格が下がる可能性には注意した方がよさそうですね…)

まとめ

以上の理由から、鉄鉱石や銅、亜鉛、ニッケル関連銘柄への投資タイミングが近づいている可能性があるでしょう。引き続き商品価格と経済指標を丁寧にチェックし、投資タイミングを窺っていきます。

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