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The Rev Saxophone Quartet 結成10周年記念リサイタル
2023年7月8日午後、浜離宮朝日ホールで「The Rev Saxophone Quartet」の結成10周年記念リサイタルを聴きました。
メンバーはご案内の通りですが、念のため書いておきます。
ソプラノ:上野耕平さん
アルト:宮越悠貴さん
テナー:都築惇さん
バリトン:田中奏一郎さん
プログラムは以下の通り、6年前の2017年3月東京文化会館で行われたリサイタルと同じ作品が並んでいます。
J.リヴィエ:グラーヴェとプレスト
A.グラズノフ:サクソフォン四重奏曲
A.デザンクロ:サクソフォン四重奏曲
F.シュミット:サクソフォン四重奏曲
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ソプラノサックスを借りて吹いてみたら「やはりクラリネットの音がするねー」と言われた僕でも知っているサクソフォン・カルテットの名曲がズラリと並んでいます。
メンバーのみなさんが30歳を超える、あるいはまもなく迎えるにあたって、若々しい演奏を聴かせた前回とどんな変化があったのかとても楽しみでした。
前回の振り返りや練習の過程など(僕は)YouTubeのショートで拝見してきたのですが、「スピード違反」とか「恥ずい」「大事なところは隠しなさい(と当時の自分に言ってやりたい)」など、とても興味深いものがありました。
グラーヴェとプレストのプレストは、僕も「スピード違反」と感じていたことをここで正直に申し上げますが、今回は速さは若干抑えて、曲の構成や各々のパートが明確に浮かび上がった立体感のある演奏を聴くことができました。
そして、グラズノフではこの大きな作品をガッチリと捉え、堅牢な構築感を示した格調の高い演奏に感動しました。耳にする機会の多いカンツォーナ・ヴァリエも変奏曲各々が変化に富み、とても楽しい演奏だったことも付け加えさせていただきます。
後半の最初はデザンクロ。
スピード違反復活か?と思ったのも一瞬で、第1楽章を聴きつつ涙してしまったことをここで告白いたします(笑)4つのサクソフォンの生き生きとしたやり取り、特にバリトンとテナーが時に主役となってアンサンブルを牽引していたことも印象に残りました。第3楽章でも中身の濃さをじっくりと聴かせていて、大向こうを唸らせるというより、あっけない感じのエンディングにも驚きました。
ラストを飾ったのシュミットは、ショート動画を拝見した限り「恐ろしい曲」とメンバーの皆さんは思っておられたように思っていたのですが(前回の演奏を聴いたときには、そんな感じは受けていませんが)、準備万端、自信満々で艶やかな響きの中に凄みすら感じた演奏でした。
大きな拍手で終演、今回はトークはないのかなと思ったら、そんなことはありませんでした。今後の抱負や今回のエピソードを4人のみなさんがお話になり、また秋にはソロリサイタルが開催される旨の告知がありました。
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20年、30年後も、とおっしゃっておられましたが、個人的には5年刻みくらいでお願いできれば助かります(笑)
それでは、次回のこのプログラムを楽しみにお待ちしています!
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