飯沼一家に謝罪します
ご来訪頂きありがとうございます。
残念ながら、考察についての記事ではありません。
SNS等で考察内容を挙げている方々ってすごいですよね。
早い・深い・分かりやすい。
そして記憶力もすごい。
自分なんか、言葉でも景色でもボヤっと記憶してしまいます。
例えば、自分がぼやーっと赤色で記憶してしまっているところを、考察班の方々は赤の中でも詳しくワインレッドとして認識し細かくはっきり記憶している。
細かくはっきり記憶している分、考察も鋭くなる。
ぼんやり赤色が悪いわけではないけど、ワインレッドとまで細かく認識している方が後々深い考察になる。
赤と青で紫!ではなく、ワインレッドとターコイズブルーを混ぜると何たら~!まで追求している。
円周率を3.14ではなく3にして計算する時期が瞬間的にあったと思います。
3で計算しても大まかな答えとしては間違ってないのですが、3.14にした方がやっぱり鋭い答えになる。
映像をパッと記憶して、短時間で考察を発表する。
すごい才能だと思います。
考察は出せませんが、思い出はあります。
年々、他人様とオフな話をする機会が減っているのですが、このフェイクドキュメンタリーが好きな人と話す機会がありました。
そこで共感を得たのは、この作者が過去に発表した映像作品はフリ部分が長いと言う事。
いわゆる、あるあるのようです。
今回の「飯沼一家に謝罪します」もやや長く感じました。
普通の物語が起承転結なら、この話は起起転結。
話が進むまで結構焦らされる。
このタイパの時代に。
確実に意図を持ってやっているはずなので、インタビューできる機会があるなら聞いてみたいんです。
どんな狙いなのか?と。
「飯沼一家に謝罪します」なら100万円獲得チャレンジのくだりがやや長く感じました。
家族4人の内の2人の挑戦はフルサイズで、あとの2人はナレーションベースのダイジェストで良かったんじゃないかと。
削られてなかったわけではありませんが。
あの一見意味のなさそうな時間がより不気味さを掻き立てているのかなーと思っています。
そのちょいと長く感じるフリを通過すると、どんどん話が積み上がっていくのもまた不思議な快楽です。
どの作品を見ても感じるのですが、小道具に経年劣化の風合いを出す技術にいつも驚いています。
その技術もインタビューしたい。
単なる小道具じゃないんです。
小道具に時間の概念を持たせているんです。
3次元じゃなく、4次元の風合いを出している。
もちろん映画やドラマとかでもありますが、言ってもあんまりない。
映画やドラマだとそもそも時代設定が過去とかの方が圧倒的に多い。
道具だけ過去と言うのは意外に思いつかない。
せいぜい、押し入れの奥でホコリをかぶらせておくくらい。
それがこの「飯沼一家に謝罪します」では時間経過によるボロボロ感や色の染み込み感がしっかり再現されている。
本当、どんな技術なんだろう?
その小道具一つが大きくリアリティを持たせる。
「飯沼一家に謝罪します」のテレビ放送は終わりのようですが、配信限定でもう1話あるような気がしています。
前作の「イシナガキクエを探しています」の時はそうでした。
なんか消化不良だなーと思っていたら、もう1話が現れた。
客に投げっぱなしの物語はあんまり好きじゃなくて。
日本アカデミー賞を獲った「三度目の殺人」も客に委ねる系だったと思います。
映画館を出る時、悶々としました。
全てを語れとは言いませんが、作り手の中には正解を持っていてもらいたいです。
「飯沼一家に謝罪します」はそこまで消化不良ではありませんが、もう一遊びできそうな余力は残っていそうな印象です。
今までの作品を見ていると、ある程度の提示はしてくれている印象なので、期待をしつつ2025年を迎えたいと思った今日この頃なのでした。
ではまた。