室井慎次 生き続ける者

ご来訪頂きありがとうございます。

ネタバレには気を付けながら書き進めていきます。

先行上映にて「室井慎次 生き続ける者」を観ました。

前編の記憶がより鮮明なうちに後編を観ておきたいなと…。

自分なりに今まで色んな映画を観てきました。

可能な限り映画館に行くようにも心がけていて、100本以上は無料で観られるポイントが貯まっています。

そんな自分が感じたのは、誰か一人の人生がこんなにも凝縮された映画に出会った事ないなって。

ドキュメンタリーでもこんなに凝縮されてないです。

室井さんなので決してセリフが多いわけではありません。

それでも、一つ一つの言動や息遣い、オーラに至るまで、室井さんの歩んできた道が滲み出ていました。

正直、これまでの踊るシリーズのような、テンポよく事件を解決していくストーリーではありません。

事件はあくまで入り口であって、今回は室井さんの生き様が描かれているもの。

なので結末を含めて賛否は分かれるでしょう。

一本の映画としては今年一番くらいに胸が熱くなるものでした。

踊るシリーズを知っている前提であるとは思うのですが…。

踊るシリーズはファイナルで完結していて、新作はこれ以上必要ないのでは?と思っていたのですが、室井慎次2作を作る意味・作りたい意味があるんだと伝わってきました。

決して過去の栄光にこだわっているわけではない。

何なら今回のストーリーによって壊れてしまう過去もあるかもしれない。

それくらいの意欲作です。

刑事ドラマなので、事件解決への道のりが醍醐味であったり、踊るシリーズなんてスピンオフも含めて特に大事にされている事だと思います。

その事件に対するアプローチが少なくても、決して中だるみする事なく最後まで引き込まれました。

他の映画であのテンポ感だと眠たくなっていたと思います。

踊るシリーズに全く興味がなければ、引っかかりのない映画になってしまうかもしれません。

それでもやっぱり、あの渋味は他の映画ではなかなか出せないものだと思います。

昨今、配信等で作品に金銭や手間暇をかけられる環境が整っています。

それに比べ、テレビ局主導の映画は色んな思惑が透けている事が多いです。

もちろん様々な思惑はあるでしょうが、室井慎次の描写に関してはとことんこだわっていたと感じています。

劇場ですすり泣きも色んな所から聞こえてきました。

きっとファンには伝わっています。

ラストの展開もエンドロールも何一つ見逃せません。

“老害”“パワハラ”等、年老いていく事にマイナスなイメージを持たれやすくなった昨今。

演者さん含めスタッフさんも、年を重ねる事から始まる表現方法もあるのかなと思いました。

今までの踊るシリーズとは違う切り口。

今の年齢だからこそ創り出せる切り口なのかもしれません。

ただ、ゲーム番組きっかけでオファーされた坂道のあの人と、土曜8時以来の狂犬が帰ってきたあの人にとっては、シビアな役回りだったなあと思います。

ではまた。

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