あたたかい空間
私は甘いスイーツが大好きだ。可愛いものも好き。可愛子ぶってるとかじゃなくて本当に小さい時から大好きだ。最近はお店もスイーツも可愛くインスタ映えなお店がたくさんあるから、カフェ巡りをするようになった。
カフェ巡りと言っても1日に何軒も行くわけではない。もし1軒目のカフェがゆっくりくつろげて長居できそうなお店なら、ずーっといる。でも長居できるカフェってあんまりない気がする。食べてちょっとゆっくりしたら会計をして早く出なくちゃ、なんとなくそんな雰囲気がある。インスタ映えなカフェはもちろん混んでいるから、外で待っている人達からの圧力はすごく、すぐに出なきゃと思う。
そう考えると今まで満足できるほどゆっくりのんびりできたカフェってあんまり行ったことがない。
じゃあ何のためにカフェへ行くのだろう。美味しいコーヒーやケーキを提供してくれるから?あたたかくて安らぎな時間を与えてくれる場所だから?
どちらも理由の一つだろう。でも最近は前者だけになってきているかもしれない。
はじめてのカフェゼミはカフェ文化研究家の飯田美樹さんをゲストに、パリのカフェから学ぶ場づくりについてお話を聞いた。
スターバックスでアルバイトしている私はワクワクが止まらなかった。カフェについてみんなそれぞれいろんな考え方や使い方があって、すごく刺激を受けた。自分の接客についても考えさせられた。
パリのカフェは天井が高くて店内も広い、と聞いてすごく良いなと思った。スライドの写真を見て、パリのカフェを想像してしまう。パァ〜ッとした気分になる。
最近行ったちょっと田舎にあるカフェも天井が高く、店内も広くて(一つひとつのテーブルやイスの間隔も広い)、コテージのようなカフェだった。解放感がすごかった。パリのカフェもこんな感じなんだろうか。いやもっとオシャレかなぁ。フワッとして居心地最高な大きなソファに座って、出来立てのスフレパンケーキを食べた。うとうとしてしまうくらいに居心地が良かった。
ただ自分が食べたいものを食べてゆったりと過ごした。それだけで有意義な時間だった。
これがカフェの魅力だ。インスタ映えに夢中で忘れかけていたかもしれない。
私が思う素敵なカフェって、飲み物もケーキも美味しくて、店内の雰囲気があったかくて、他のお客さんもそれぞれ好きなことをしていて、静かにゆっくりと時間が流れる空間。今まで行ったカフェは、どこもケーキは美味しいけどのんびりとは過ごせないことが多かった。満足できる安らぎの空間ってなかなかない。
スターバックスも、ドリンクが入場料で安らぎの空間を提供しているというより、みんな(特に若者)フラペチーノやドリンクを飲みに来ている、という印象が強い。セルフサービスだから仕方ないのだろうか。
だから私はお客さんにとってサードプレイスになれるように心がけている。コーヒーだけ買って帰るサラリーマン、友達と話してゆっくりするおばあちゃん達、勉強する学生など、いろんなお客さんが来る。
全てのお客さんとコミュニケーションをとりたいけれどそうはいかない。混んだり、やるべき仕事がいっぱいあったり。コミュニケーションが苦手なお客さんもいるから、お客さんのニーズを察しなければいけない。難しい、、、
レジでお客さんと楽しく話していても、後ろで待っているお客さんはイラついてしまうかもしれない。
でも常連さんの中には、「今日も美味しかったよ!ありがとう!」とか、「毎週来て、ここでコーヒーを飲む時間を楽しみにしてるんだ!」とか毎回言ってくださるおじさんもいる。
そういう言葉を聞くと心から嬉しいし、私もあたたかい気持ちになる。おじさんにとって、お客さんにとって、幸せを感じられるあたたかい空間であり続けたい。
だから何度か来てくれているお客さんの頼むドリンクは出来る限り覚えるようにしている。
こうやってこれからも誰かのサードプレイスを提供できたらいいな。
そんな私自身はサードプレイスと言える空間がまだ見つかっていない。たくさん行動していこう。これからもいろんなカフェへ行って、カフェでなくても、素敵な空間を見つけたい。大学生とか関係なく、私自身と接してくれる、そんな空間を。
きっとまだ知らないあたたかい空間はたくさんあるんだろうなぁ。