快速椅子取りゲームというスポーツ
通勤電車とは一種のエクストリームスポーツである。
通勤電車との付き合いは、新人研修のために数ヵ月ほど千葉から都内に通う生活から始まった。
それまで田舎で暮らし、大学も自転車で通っていた私からしてみたら中々の洗礼である。
どっから沸いてきたといわんばかりの人が上下線どちらを見てもいるわけで、もう入らないだろうというくらいの人が社内に押し込まれる。
「すし詰めっていうのは桶に入った寿司ではなくて押し寿司の米の事を言うんだな」と思考を飛ばす日々だった。
研修後、地元に戻り通勤電車にのったときの空いていること!
まさに折り詰めの寿司であった。
そうなってくると心の余裕から始まったの新競技『快速椅子取りゲーム』である。
それは田舎から地方都市へ通勤する快速電車に乗る時間をいかに座れるか、といった競技である。
参加表明は聞いてないが、乗客全員敵認定している。
各駅停車に乗るときのポジショニングから、次の駅で降りる人間の見極め、他に立っているライバルとの牽制。
まさに熱いスポーツである。