ゴリラに突き飛ばされた
先週の月曜の夜の話である。
ゴリラに、いや、ゴリラをその身に宿した弟に突き飛ばされたのである。
その前世ゴリラの弟は体を鍛えることに執心している。
ボディビルダーを目指しているわけでもないのに年々広がる背中と肩幅。膝枕なんてやったら首が直角になり悪夢にうなされること請け合い。そんなゴリラの弟である。
一方私はと言えば、鈍足・非力の名を欲しいままにする体育の成績が5段階評価で2の人間である。
最近、最寄りのゴリラから投球センスを誉められた。
そんな血の繋がったゴリラと非力な私では明らかに差がある。
立体と線くらいの差である。
しかし奴はゴリラ。
頭のいい大学を卒業していながら、卒業後に脳まで筋肉になっていったそんなことは想像できないのだ!
事件当夜。
弟(ゴリラ)は私の部屋に私だけを押し入れるというよくわからないことをやってのけた。
片手で部屋の扉をあけ、片手で私の肩を押す。
すると体幹のなさに自信がある私はあっさり中に入っていった。
背中から床に。
つまりは尻もちをついて、そのまま倒れたのである。
柳のようにしなやかでないので、そのまま直線が倒れていった。
閉まる扉。暗い部屋。人語を介するゴリラの「暗いから電気つけろよ~w」の声。
その時は何事もなかった。というか何事も気づく余裕すらなかった。
なんというか色々ショックだったのだ。
思わずでた「ああ、クソッ!」という低めの声に、扉の外のゴリラは逃げていく足音。
「謝りもせんのかいっ!」と「先週も同じことしたくせに学習能力ないのか」とまあ色んな事が駆け巡った。
そして次の日から腰痛である。
土曜日に、ようやく病院に行ったら「腰椎がつぶれている。全治一ヶ月」という接骨院の先生と「骨に異常はない。4、5日で治る」という整形外科の先生の診断がくだされた。
その時点で4、5日は過ぎていたので、接骨院の先生を信じることにした。
というか整形外科は流れ作業のごとく、2時間待って5分で終了したから信用が薄い。
そんなこんなで、現在「悪かったと思うし、謝るわ。ただなんだその態度」と文句をいうために謝ったフリをするゴリラを無視する日々を送っている。
お詫び申し上げます。は謝ってないでしょ。