「人気のある先生」と「成績を伸ばしてくれる先生」を混同してはいけない
「やり抜く力 GRIT」で有名なアンジェラ・ダックワースさんが学校の先生や保護者など、教育に携わる方向けに有益な情報を提供してくれています。
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Character LAB
https://characterlab.org/
上記のサイトの記事でアンジェラ・ダックワースさんはこんな事を書いていました。
“A great classroom is one in which young people thrive in every sense of the word. Schools play an essential role in helping young people develop socially, emotionally, physically, and academically. “
“素晴らしい教室とは、あらゆる意味で若者が
成長する教室のことである。
若者が社会的に、感情的に、身体的に、
そして学問的に成長するのを手助けするために
学校は不可欠な役割を果たしています。”
教室を運営するのは先生ですが、先生として意識すべき点についてアンジェラ・ダックワースさんが面白い記事を書いていたのでシェアさせていただきます。
学校の先生だけでなく保護者の方やスポーツチームの指導者など教育に関わる人たち、そして組織を束ねるリーダーの立場にある人たちにも示唆に富む内容だと思います。
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一番評価が低いのは
一番成績を伸ばしてくれた先生
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カルフォルニア大学の研究です。
アメリカ空軍士官学校の生徒を無作為に異なる教官に割り当て、ある一定期間過ぎた後に教官の評価を生徒にしてもらう、という実験を行いました。
その結果、一番成績を伸ばした教官が生徒からの評価が最も低いという結果になったのです。
似たような調査をイタリアのボッコーニ大学やスイスのジュネーヴ大学の研究者が行いました。
イタリアの大学生に対し、大学の教官の評価を依頼した結果、大きな学習成果を上げた教官の評価が最も低いという結果になったのです。
これは驚きの結果ですね。
この結果から
“生徒から人気があるからといって
その先生が成績を伸ばしてくれるとは限らない・・“
ということがいえそうです。
先生にすると生徒から好かれることはとても大事なことだと思いますし、
嬉しいことだと思います。
しかし、生徒に「どう思われるか」を優先してしまうと長期的な学習成果を犠牲にしてしまうことがあるかもしれません。
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人気取りに走らないように
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自分の能力や才能を伸ばしてくれる師は時に厳しく、耳の痛いことを言うものです。
耳障りのいいことばかり言っていては教え子の実力を伸ばすことはできません。
「褒めて伸ばす」という風潮が、世の中にはありますが、
褒めることにはデメリットもあります。
(研究でわかっています。)
それに耳障りのいいことは言う方も楽ですよね。何のストレスもありません。
しかし、目の前の教え子や部下の成長を本当に願うのであれば、時には厳しい言葉も必要でしょう。現実的に。
私が今まで出会ってきた師も本気で向き合ってくれたからこそ厳しい言葉をたくさんかけられました。
だからこそ今の自分がある。
上記の研究の結果は私の経験を通しても非常に納得がいきます。
生徒や教え子、部下との信頼関係を築くことはとても大切なことです。
しかし、「好かれるため」となってしまうと長期的には大きなものを犠牲にしてしまうかもしれません。
私も肝に銘じたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。