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(株)ANYCOLORのローレン・イロアスへの対応について

先日、にじさんじ所属のローレン・イロアスがAV作品を違法ダウンロードしていたことが発覚した。これに対する(株)ANYCOLORの対応は「所属前に行われたことを考慮して、ローレン・イロアスからの自粛の申し入れを受けいる」というものだった。
この対応に疑問しか抱かない。甚だ疑問である。

まず、本当に「所属前」に行われたものなのか、疑問である。

・該当する2つのAV作品の発売日はそれぞれ、2021年6月13日、16日
・チャンネル開設日 2021年7月5日
・初ツイート日 2021年7月19日
・ボイス販売日 2021年7月22日
・デビュー配信 2021年7月22日
何を以て「所属」としているのかは定かではない。仮に、AV作品を発売日当日に違法ダウンロードしてチャンネル開設日を所属日とした場合で20日程度、最長でも36日未満である。
これに加えて、
・ローレン・イロアスを演じている人物の6月ごろのTwitterで「就職先が決まった」というツイートがあったこと
・契約準備期間
も含めると、本当に「所属前」に行われた行為なのか、「所属前」と言えるのか、甚だ疑問である。

そもそも、所属の前後で厳格に形式的な判断をすることに合理性があるとは、到底思えない。

社会常識的に照らしても思えない。
所属前の行為であっても、それが所属後に発覚したのなら、所属前であろうと所属後であろうとタレントのイメージや企業全体のイメージを下げることに変わりはない。
たとえば、3月31日に窃盗行為を働き、翌日、4月1日にマネージメント契約を締結、かかる日を所属日として、その後の配信で窃盗行為を働いたことが露見したと場合を事例Aとする。
他方、4月1日にマネージメント契約を締結、かかる日を所属日として、4月2日に窃盗行為を働き、その後の配信で窃盗行為を働いたことが露見した場合を事例Bとする。
確かに、事例Aと事例Bは窃盗行為を働いた日が所属日の前後という点で違いはある。
しかし、配信で露見した時点でタレントのイメージや企業全体のイメージを低下させる点に置いてはどちらも変わりがない。
それでもなお、所属日の前後で以て対応の有無を形式的に決めることに合理性はあるのだろうか。
全くないと言わざるを得ない。
はっきり言って、個別具体的事案を無視して形式論一辺倒に終始し、妥当な結論を全く導き出せていないとしか言いようがない。企業の対応として目を疑うほどの思考放棄であり、責任放棄である。

(株)ANYCOLORのこれまでの言動からすれば、種々の規約や視聴者に対するお願いの趣旨・目的は個々のタレントのイメージを守り、会社全体のイメージを守り、事業の健全な発展にあると認定することができる
そうであれば、かかる目的達成のために合理性を有するかの観点から個別具体的事案ごとに判断すべきである。具体的には、当該行為の悪質性、普段の素行、グループ全体への影響、社会的な影響等を総合考慮し、会社が社会更生団体でないことから改善の余地の有無は補充的に判断するべきである。
ローレン・イロアスが行った行為は法に抵触する違法ダウンロード行為であり、作品によって得られる利益を掠め取るもので、ひいては文化の発展を阻害する行為と言えるから悪質である。
また、ローレン・イロアスは、関東で震度5強の地震発生後「ウーバーが来ない田舎民が関東囲んでジャンプしたんじゃね?俺も参加しようかな」 と発言したり、「ロンパリ」などの発言をし、該当部分を削除し隠すなどを良識に反する言動を配信内で度々行なっていることから、素行が良いとは言い難い。
加えて、今回の件で、各種メディアが「にじさんじのタレントが」と見出しをつけて報道し、J1リーグとのコラボ配信が延期になったことから、「にじさんじグループ」全体に悪影響が及んでいると言える。
さらに、今回の件に関連して、ダウンロード行為はみんなやっているから大したことないと言わんばかりに、違法ダウンロードした履歴をTwitterで披露する人が多数現れたことは、違法ダウンロード行為は自粛で済む程度であると(株)ANY COLORが示してしまったためであり、その社会的影響は大きいと言える。
最後に、今回の問題を起こす約1ヶ月前にデスクトップ画面を映す事故を起こしていたにも関わらず、なんらの対策を講じなかった点から改善の余地は全く期待できない。
これらのことを総合的に考慮すれば、(株)ANYCOLORの下したローレン・イロアスの自粛を受け入れるだけの判断は、タレントのイメージを守り、会社全体のイメージを守り、事業の健全な発展という目的との関連で全く合理性を有しないものであると言い切れる。

(株)ANYCOLORが守るべきはローレン・イロアスではなく、他の所属タレントのイメージと企業全体のイメージである。
ローレン・イロアス独断の自粛ではなく、会社として主体的かつ合理的に責任を取らせる厳正判断を"改めて"下すことが必要不可欠であり、社会の規範となるべき影響を与えることとなることを強く望む。