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長男の店
長男はハタチそこそこで、店を持った。
古着屋で働いていて1年後、その古着屋の店長がたまたま店を止めることになって、安くて丸ごと譲り受けた。
お店の名前と、店内の配置を変えて、奴は店長になった。
前の店長は古着屋をもう1件持っていたので、海外への商品買い出しの際にこっちの分も一緒に仕入れてもらった。
長男はバンドをやっていて、バンドの友達が彼女やその友達連れてきて、結構お客が来た。
店には、でっかいスピーカーとオーディオが置かれた。レコードやCDもたくさん置かれ、変わった楽器も置いてあった。
いつも入り浸る音楽好きな友達も居て、時々ライブなんかで盛り上がることもあった。
そんな風であったから、結構賑やかい店で、オシャレに夢中な若い男の子も多かった。売上もそこそこあった。
仕事なんだか、遊びなんだか、楽しんで長男はしばらくやってたのだが、時代が変わった。
正社員雇用がなく、派遣会社に勤務してた子が多かった長男のお店のお客さんが、派遣切りになって仕事がなくなった。当然、服買うお金が無くなって、売上が少なくなっていった。
お店に来る子はいるけど、買ってくれない状態。
で、結局お店を止めた。
この時、母(私)はヤツにゴッソリお金を取られた。
チマチマと老後の資金にと貯めてたお金。
「頼むから、お金貸して~~」と。
親だから、しようがないけど、貸して!って言ったんだから、少しは返してよ~。親の叶わぬ願い。
あの頃、長男と同じくらいで店持ってる子が結構いて、お金なくなって夜逃げした子もいた。
だから、長男は母(私)に恩があるはずなのだが・・・・。
私にいいこともあるだろうか?
長男はお店で出会ったお客さんと友達になって、人脈を得た。ヤツの財産となった。
人生無駄なことは一つもないのだ。
無駄に無くなったのは、老後資金に貯めた母(私)のお金?
オイ!こらぁ○○~、覚えてるか?そのこと。
マッタク、記憶二御座いません風だけど。
今日のフォト。
もうとっくになくなったけど、長男のお店の正面。
いろんなイベントもやって、色々手伝わされ、いろんな人にあった。懐かしいなぁ~。