スマホ音ゲーの「目視外」を定義する
はじめに
まずは下の動画を見てください。
これはバンドリ!ガールズバンドパーティーのプレイ動画です。
次に、下の動画を見てください。
実は、2つめの動画の中に1つだけ判定がGREATのノーツがあります。何ノーツ目でしょうか。
正解は・・・
702ノーツ目でした。とは言え、これはコマ送りをしないと分からないほどの微妙な表示(2フレーム≒0.033秒しか表示されません)であり、プレーしながら自分の目で確認することはほぼほぼ困難です。
定義
上記の例のように、プレーしながらの確認が困難な、最高判定以外の判定のことを目視外であると定義します。
どのようなシチュエーション/ゲームで目視外は発生するのか?
1. 同時押し
同時押しにおいて片方が早GREATでもう片方がPERFECTの場合、GREATが表示される時間がかなり短く、判別が困難になります
2.高速or高密度
密度が高い譜面の場合、一つGREATが出てもすぐに次の判定が上書きしてしまうため、同様に判定が困難となります
大半はこの2パターンの組み合わせによって目視外は発生します。
なぜ目視外が発生するのか?
アーケードの音楽ゲームではあまり目視外という言葉を聞くことはありません。それは一体何故なのでしょうか。いくつか理由を挙げてみます。
1. FAST/SLOWの完備
SDVX、CHUNITHMなどのプレー動画を確認すると、最高判定以外の判定が出た場合、FAST/SLOW(機種によって単語は異なります)と表示する機能が完備されています。(下の画像:https://www.youtube.com/watch?v=ccMX5HvmeC0&t=37s)
色付けや配置の工夫によって、最高判定以外の発生がかなり分かりやすくなっています。
2. 判定音の整備
例えばCHUNITHMはJUSTICE以下を出すと特有の音が鳴るスキルがあり、それによって判定を判別することができます。(下の画像:https://www.youtube.com/watch?v=647NgqFuDXU&ab_channel=LimeAsagiriLimeAsagiri)
他にも、REFREC BEATは様々なタップ音がありますが、それぞれにおいて判定音に応じた音を出す仕様になっているため判別がしやすくなっています。
他にも、判定表示箇所が複数ある、演出の違い、明確な色の違いなど様々な理由によって比較的ストレスフリーに判定をみわけることができます
以上を踏まえてスマホ音ゲーの中でも特に目視外の発生しやすい2つのゲームについて考えます。
・バンドリ!ガールズバンドパーティー!(以下ガルパ)
・プロジェクトセカイ カラフルステージ feat.初音ミク(以下プロセカ)
1. FAST/SLOWがない
かなり致命的な問題です。これがあれば問題はなかったのに...
2.タップ音周りの改善
これに関しては、上記2つのゲームに共通してタップ音があり、しかも判定によってタップ音が異なります。ならいいんじゃないの?と思いがちなのですが、デバイスのスペックによって判定音が実際に鳴るまでのわずかな遅延等によって実際のプレーに支障が出る、そもそもタップ音が出る設定だと判定が体感判定3つ分くらい異なる等理由により、あまり意味を成しません。実際、上記2つの音楽ゲームがうまい人ってだいたいタップ音を切っていると思います。
3. 判定表示箇所が1箇所のみ
一番上の動画を見返すとわかりますが、常に一か所に判定を表示しているため、コンボが加算されるごとに判定を更新する必要があり、これも目視外の発生を助長させています。
4.ホールドの終点判定
プロセカは、リリース時に譜面作成ツールがCHUNITHMのクローンゲームの譜面エディタであると判明して一部話題になっていました。CHUNITHMはホールドの離し判定がなく、ホールドをずっとタッチしっぱなしでも問題ありませんが、プロセカはホールドの終点に判定があるため、終点と共に指を離さないといけません。これはガルパでも同様です。
そのため、上記、目視外の発生理由1.により、ホールドの離しが早い、遅い等理由によりGREATが発生してしまいます。
5.演出等含む高密度
両ゲームともに、ホールドを押している間のノーツ増加量をほぼ任意に設定することができます。ノーツの増加密度=判定の更新密度であるため、ホールドが押される前のノーツがGREATだったとしても見にくくなってしまいます。
以上等の理由によって目視外が発生します。
どうすれば目視外の発生位置を特定できるのか?
最後に、3つの手法を提案してこの記事を締めたいと思います。
1. 録画をしてコマ送りにする
上のケースですが、キャプチャor手元の録画をして、AviUtl等動画編集ソフトを用いてその動画をコマ送りにすることによって目視外を判別することができます。ただ、60fpsで2分の動画を撮影した場合、120*60=7200フレームとなります。7200枚の画像を見て判別するのはかなりの根気が必要となるため、決め打ちすることが求められます。
2.スコアの加算から判別
ガルパにおいては特に有効な方法です(プロセカはホールドノーツがタップ等の1/10となるため計算しづらい)
スコアの計算方法は調べればでてきます。例えば、2つめの動画のケースだと
701ノーツ目...170720点
703ノーツ目...171144点(+424点)
705ノーツ目...171636点(+492点)
707ノーツ目...172128点(+492点)
709ノーツ目...172620点(+492点)
となっていることから、701~703の間に入っているなということが分かります。これは1ノーツのスコアがわかれば推定することができます。
手計算は正直大変なのでExcelファイルを用意することをお勧めします。
こんな感じで各ノーツとその時のスコアを入力することで差分を計算し、そこから1ノーツあたりのスコアを算出し判別する方法ですが、これも全ノーツのスコアを手入力するのは大変なのであらかじめ決め打ちすることをおすすめします。
3.機械の力を借りる
最終手段ですが、動画をコマ分割したものを予めラベリングし、それを用いて事前学習を行ったモデルに録画した動画を与えることがGREAT以下を判別することができます。これが一番楽だと思います。
宣伝です。実際にこれで色々目視外特定できているので作ってよかったなあと思いました。
まとめ
スマホ音ゲーを極めるためには目視外と付き合っていくことが必要となるため、自分なりの対策をして向き合いましょう。