選挙と映画
10月27日の衆議院総選挙は、与党の半数割れという結果に終わり、今後の政局の流れが興味津々となった。
投票日の夕方、道端で会った近所の若者との会話
"もう、投票は済んだ?"
"いや、どうもxxxxx.......“
なにやら口篭って良く聞き取れない。 ははー、どうやら棄権と判断したが、説教はせずに、笑顔を返しただけで別れた。
投票率の低さを見ると、一番熱くなっていたのはマスコミかという気になってしまう。
女性議員は、史上最高の議席数を得て、ご同慶の至り。
この時期になると、いつも戦後間もなくに輸入されて見た洋画、「女たちの都」を思い出す。(註)
男ばかりが牛耳る世の中に業をにやした女たちが結束して、政治を自分たちの手に取り返すと言う喜劇で、ユーモア溢れる楽しい映画だった。
フィクションではなく、実際に活動した思い出もある。
引越しなどで資料が霧散してしまったため、はっきりした年代は記せないが、女性団体の社会活動が活発になってきた昭和の終わり頃だと思う。
当時、私が住んでいた新潟でも、「女性議員を増やそうネットワーク新潟」というNGOが結成され、全国の都道府県と連携しながら、活発な活動が開始されていた。
会員が拠出する会費を基金として、高い志を持つ有能な女性を掘り起こし、国会や地方議会に送り出すための手伝いをした。
具体的な方法は、それぞれの分野の専門家を講師に招いて、勉強会を年に数回開催し、候補者としての知識やノウハウを教育するのがメインだった。
ここから巣立った議員さんの中には、今や、政党のトップに並ぶほどの人や、故郷の為に大活躍している人も多数いる。
ただ、この活動にも限界があった。きっかけは、選挙区の区割りが小選挙区制になったこと。一人区に定員1人となれば、余程でない限り男性候補者のものとなる。
会はおよそ20年の実りある活動の後、解散となった。
世の中は大きく変化して、今では国や自治体の首長でさえ、男女を問わなくなった。
数字の上で、女性の社会進出の度合いは、かなり後進国とされている。男女の間の意識に大きな変化のない我が国では、この順位が飛躍的に上がるとは、私は期待していない。
色々問題や不満はあっても。日本はトップクラスの素晴らしい国だと私は思っている。
サムネイル: Women's Board Meeting with Grace McCann Morley, 1956
https://openspace.sfmoma.org/2021/11/foundations/
(註)映画の邦訳されたタイトルに、記憶違いの可能性もあることをお断りしておきます。