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小島のお遍路八十八ヶ所


 四国のお遍路さんは、この頃はますます人気が高まっているらしい。 観光と信仰を兼ねているからだろうか。

 お遍路さんの装束に身を固め、七つ道具を備えて、全行程を歩き通す人もあれば、身なりだけはそこそこに、途中は乗り物を使うという今風お遍路さんも多いらしい。いずれにしても簡単な旅ではない。

 お遍路さんの出発点は徳島だから、まずは瀬戸大橋を渡って四国に入るのも良い。

 瀬戸内は本当に美しい。

 桜や紅葉の季節はいうまでもなく、いつ走っても、本州から何本もの橋に繋がれた、しまなみ海道をドライブすると、日本の絶景を満喫できる。

 このしまなみ海道の途中や周辺には、ユニークな島々が散在する。6つの美術館がある大三島は良く知られた人気の観光地となっているが、お遍路さんに因んだ小さな島を訪ねてみるのも面白い。

 嘗ては造船所で栄えた広島県の因島と、川幅ほどの海を隔てた愛媛県の或る小島。そこに八十八ヶ所の札所があり、お大師様(弘法大師)が祀られている。
 それぞれの祠やお堂は、島の人々によって手厚く守られており、中には、そこのお大師様のご利益で難を免れたという広島県尾道の漁師の子孫が、岬にあるお堂まで、わざわざお祀りに来られるというのもあるそうな。

 世間にあまねく知られた四国お遍路さんの話ではなく、なぜ小島のお遍路さんなのかと訝られる方々のために、その物語は次回のお楽しみということにさせていただきます。

 大会場でのスピーチも、noteのお喋りも、短いに越したことはないでしょうから。


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