いつどこへ。
去年の始めくらいから、国レベルで生活スタイルの変更を呼び掛けられているのです。
大まかに言うと
「小さく生きていきましょう」
なんて話だと思います。
せっかく、大きな仕組みの中で生きていたのになあと思うのです。
思えば去年は、時代の大きな変動が始まった節目でした。
不安は勿論あるのですが、反対に世界レベルで一体感があるようで、それは悪くないなあと思ったのです。
それにしても変動や節目は、いつだって突然なんだなあと考えたのです。
知らないうちに始まってるのだなあと。
スーパーで知らない女の人から
「最近のスーパーの袋は、だいぶ質が落ちたわよねえ。」
なんて言われたのです。
僕が袋の端っこ持って、カサカサしてたからだと思います。
上手く袋を広げられない僕は
「質、落ちましたよね。」
なんて言うのです。
カサカサしながら言うのです。
スーパーの袋は、昔からこんな感じだったようにも思うのです。
それでもカサカサしながら、
「質が落ちて困りましたねえ。」
なんて小さい声で言うのです。
隣の女の人はもう居なくなったので、
誰にも聞こえないように呟くのです。
袋の変動や節目も突然のようでした。
小さく生きるのも悪くないのでした。
小さなちょっとした一体感。
そんなこと。