あなたのなまえ。
いつもいつも美味しそうなんです。
美味しそうなので、無制限だったのです。
気がつけば小学生の息子の体重が、僕を超えていたわけです。
子供の成長ということ。
親を越えてこその成長ということ。
食べ過ぎの話。
そして食べさせ過ぎの話。
それで高校生の娘が
「こんなに太った息子はどうなの?」
そんなことを聞いてきたり。
どうもこうもないなあということ。
ちょっとぽっちゃりの息子も少しガリガリの娘も、なんだか可愛いと思うのだよ。
ふたりとも、生まれてから今日まで可愛いのだよ。
きっと恐らく明日も可愛い。
「よくわからないな。」
娘はニヤリとしながら、そんなことを言うのです。
僕は天井を見上げながら
「奥さんにもこんな気持ちで接していたら、少し違った夫婦関係だったろうな」
なんて思うのでした。
思うのです。
手の届く範囲は自由なのです。
そしてこの先については分からないのです。
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