帳のこと。
会社で「赤いスイートピー」の話になったわけです。
良い曲。
松田聖子さんの名曲ですってこと。
初めて聴いたときのことを思い出したんです。
小学六年生のときでした。
幼馴染みの秋山くんに
「なんだかとても良い曲だよね。」
なんて言ったことを覚えています。
秋山くんもニヤニヤしながら
「僕、松田聖子のこと好きなんだ。」
なんて言ってたことも覚えています。
小学生最後の年の、ちょっとした思い出ってこと。
人ってこういうどうでも良いことを、
いつまでも覚えているものです。
僕はきっとこのどうでも良さそうな話を、
頭の片隅に残しながら死んでいくんだろうなと思うんです。
幾重にも折り重なったどうでも良い思い出で、僕は出来上がっているのだろうと思うんです。
なので会社の人が調べてくれた
「この曲が発表されたとき、
ぶくおさんは中学二年生ですね。」
という話は聞かなかったことにしようと思います。
だって六年生の秋山くんなんですから。
だって人は折り重なったなんとかで死んでいくんですから。
ああそうだ、僕はロックンローラーだったんでした。
春色の汽車を探しにいくんでした。
(いつもながら分かりにくい。)