奈良公園でJ limited 01デビュー(smc PENTAX-FA 31mmF1.8 Ltd.)
きたきたきましたよ。J limited 01を持ち出せる休みの日が。
そういうわけで奈良公園の方をぶらぶらしてきました。
私もPENTAXのカメラは長く使ってるとはいえ、いわゆるフルサイズセンサーは初めて。これまでと同じマウントとはいえ、レンズが化ける。
同じレンズでも、描写が、特に画角と周辺の荒れが大きく変わることは予想されますが、どう変わってくるか。持ち合わせのレンズが、オールドレンズまで含めてすべて化ける。楽しみが山積みだぜ。
が、まずは持ってる中で最高のレンズで、ボディの質とフルサイズセンサーの物理力を楽しむとこからでしょう。
持ってる中で最高のレンズであるPENTAXの至宝・FA 31mmF1.8 Limitedと、持ってる中で最強のレンズであるDA☆200mmF2.8の二本で。
しかし、2本持っては行ったものの、200mmで撮った写真がほぼ鹿だけで、それが大量になってしまった。さすがに記事分けたい。
で、鹿以外はほぼ31mmで撮ってたので、この記事は31mmから。
奈良歩きスナップ
近鉄駅→吉城園→氷室神社→東大寺→三月堂→若草山→春日神社→鹿苑→興福寺と、江戸から初めて奈良に来る修学旅行生みたいなルートで歩いてたんですけど、まあ、流石に何度も行ったことあるので、つい鹿の写真ばかり撮りまくって名所の写真が大幅に少ない。
吉城園は初めて……じゃないかもしれないけどいつもは来てないので、じっくり撮ってました。
もともと興福寺の子院・摩尼珠院があったところで、大正時代に正法院という家の住宅が建てられたのが残されていて県の有形文化財に。今は奈良県所有になって、庭園とともに公開中。茶室もあって借りることもできる。
いつもかなりいじったカスタムイメージを使ってるけど、今回は最初なのでオーソドックスな「鮮やか」をデフォルトで使うのを基本としてます。
これまでのK-70だと標準になってた31リミですけれど、J limited 01だとちゃんと広角。そりゃそうだ。
しかしまだ体は慣れておらず、すっとファインダーを除くと「広っ」と寄りなおしてばかり。しばらく慣れるのに時間かかるな。
展望台みたいな小高い東屋。いい。
露出も基本プログラムオートにしてます。そしてJ limited 01では、プログラムラインを選べる。その中にMTF優先というのがあり、そりゃいいやと今回はそれで。
そうすると、このレンズではF6.7を選びがちみたい。一番数字上の画質がいいのがF6.7なのかな。
あ、私は絞り値設定を1/3段じゃなくて1/2段ごとにしてます。そのほうが迅速だし、1/6絞りの差が生じるのはこだわる必要ないかなっと。
苦手な人は苦手そうなノキシノブ。裏の丸いのは胞子嚢ですって。
旧正法院邸宅を展望東屋から。
ちとオーバーめに出ちゃったカットで、現像時に-0.5EVくらい下げた。
私は評価測光ってうまく値が読めなくて、露出補正をどれくらいするべきかわからなくなる、という経験が過去にあった。なので読みやすい中央重点平均測光に変えちゃってて、今回もそうしてたんだけど、うーん。
それでこういうオーバーめに出るのがわかりきったカットで露出補正忘れてるんだからな。評価測光でよかったのかなあこれ。
AFに関しても、測距点オートがどこ飛んでいくかわからないで思うところに行かなかった経験があって、ずっと1点セレクトで使ってた。
けれど、K-70までなら測距点が11点程度だったから、セレクトでもさほど面倒でもなかった。それが、今回33点。
いちいち選ぶのも……ということで33点オートで使ってみてたんだけど、これが思ったよりずっと良くて、基本的には中央優先で無茶でない程度のところにすっと合わせてくれた。
もう少し今のカメラのインテリジェントさを信用していく方向にしてもいいかもしれないなあ。
馬酔木。
FA31mm Limitedは逆光でフレアっぽくなることがあるレンズで、私もAPS-Cでは58→46mmのステップダウンリング+縁の低くないフィルタをハレ切り代わりにつけてました。が、J limited 01ではそうもいかん。
まあ、全体的に等しくコントラスト落ちる感じだったので、今回は現像でコントラスト上げたら解決するような話でした。
茶室の軒下に、茶釜の古いやつだろうか、改造してランタンみたいにしたのを吊るしてあった。リサイクル精神。
センサーサイズが大きくなると、APS-Cで使ってるときより寄れなくなる(最短撮影距離は変わらんけど写る大きさが小さくなる)から、そこが気になるかなあと思ったけど、案外そうでもなかった。
換算45mmくらいから31mmになってると、完全に標準と広角、性格の違うものになっちゃう。私は、「これ」とがぶり寄りで大写しにするのは、標準ならやるけど広角じゃそこまでやらない。
むしろマクロレンズとか望遠ズームのテレ端で寄ってるときなんかに気になりそうだなあ。
苔の庭、といって一面にコケを育ててあるところがあった。
これはカメラを地面スレスレに下げてライブビュー撮影。K-1系はフレキシブルチルト液晶があるからこういうのも問題ない。K-3IIIよりJ limited 01にしたのはこれのためだ。
ライブビュー時のAFに関しては、像面位相差AFが使えるK-70のほうが速い。これはもう仕様の話なんでしゃあないですね。
K-70がそういうセンサー選んだのも、他社ミラーレス機と共用で量産効果で安くついたからかと思いますが、そこでセンサーの機能を無視せずにエントリー機だけの一芸として盛り込んじゃうPENTAXが好きよ。
白梅が一輪咲き始め。
PENTAXはRAWで撮ってもハイライトの飛びがあまり救えない傾向があるから、-1EV補正で撮ってから現像で露出を合わせる。
さすがにセンサーサイズが大きくなると、ハイライトの余裕も大きくなってるみたいで、思ったよりいい感じの仕上がりになった。
突然吉城園から東大寺南大門にワープ。
これ撮る前に200mmに換えて絞り優先で鹿を撮りまくり、うっかり絞り優先のまま31mmに戻して撮ったのでF4.0。
このカットでいうと右上隅あたりは、ちょっと収差が出て写りが甘くなっているのがわかる。31mm Limited、APS-Cだと隅が荒れるとかはないんですけどね。そりゃそうだ切り落とすんだから。
Limitedレンズはもとより、ただ完璧な描写を追求したようなレンズではないから、31リミにもフレア・ゴーストやらカラーフリンジ、そしてフルサイズだとエッジの僅かな甘さと開放近くの周辺減光もある。
隅々までアラが少ない写りを実現する、という点では、やはりセンサーサイズがでかいと辛くなるらしい。逆にマイクロフォーサーズなんか、小型廉価レンズから実にアラが少ないのが多くて、センサーサイズ差による設計のやりやすさも、思ったより差が大きいのかも。
とはいえ、エッジの写りがちょっと落ちるだけのことでFA31リミはダメなレンズ、なんて言うやつはおらんもので、このカットにしても、梁が浮き上がるような立体感あふれる描写ったら。
東大寺大仏殿の裏手を歩いてたら、石垣の大きめの石になにか彫ったような形跡を発見。なんだろう。
しかしこの石垣、打込み接ぎだ。いかにも別に使ってたものを転用したっぽい四角く加工した石も見える。、おそらく戦国時代の後期とかに作ったものじゃないかな。
検索したら研究もあるみたい。これ、この論文の図-5・6に写ってる石っぽいな。建物の礎石として加工されたものらしい。
広角でも平気で撮れるくらい図太い鹿(野生)。
気まぐれにここで鹿せんべいを買ったら、こいつらお釣りもらってるうちから大集結してがぶり寄りからの頭突き連打、こっちが封を切ろうとしてると「はよせえやコラ」と噛みついてくるから痛がって引き剥がしてたら封が切れなくてさらに噛みつかれる、という勢いであった。
鹿もグループごとにある程度居所が決まってるようで、この三月堂のちょっと西あたりの飲食店や土産物屋があるエリアは人が少なく、鹿せんべい買う人も稀だから、こんな調子らしい。麓の鹿は自然と満腹するまで食わされるからここまでではないだろう。
三月堂はいいよね。
MTF優先プログラム、これくらいになってもF6.7以上は絞らんな。
多分F6.7で撮って、露出不足なら絞りを開いていき、F3.5まで開いたら感度を上げる、というのがMTF優先プログラムを31リミで使う時のラインか。
PENTAX独自のExifには対応しないIrfanviewでExifを見ると、露出モードがManualと出る。プログラムオート時の前後ダイヤルはハイパープログラムに設定してたけど、それを使うとExif上はマニュアルになるみたい。
K-70のときは前ダイヤルに絞り変更プログラムシフト、後ろダイヤルを露出補正と設定してたんだけれど、プログラムシフトは単純に同一露出で速度と絞りを変更するだけ。感度は変わらなかった。
ハイパープログラムだと、絞りを変更するとそのまま絞り優先AEモードに移行するので、速度が遅くなれば感度も上がる、という動作。
たしかにハイパープログラムだとダイヤル触らなくても使いたいときだけ絞り優先、と使えていいのだなあ。
やっぱF6.7より絞らないな。1/8000秒まで切れるシャッターだから、MTF優先プログラムにこれ以上絞らせるのは、かなり無茶な設定で撮らなきゃいけなそうだなあ。
ぽつんと鹿がいる絵を撮ったつもりが、「鹿を探せ!」写真になってしまった。広角で撮るのが下手すぎる。
確か春日大社まで入ってたかな。このへんの灯籠は高度に苔むしていて良いな。
春日大社は大いに人混み。
春日大社の参道は森深いから日差しがほとんどないのだが、たまにこんなスポットライトを探していく感じ。
J limited 01使ったメモ
ここまで色々書きはしたけど、その他諸々。
Endurance シューティングマルチカメラバッグめっちゃいい
手元のカメラバッグだと収まりがいまいちで、前から気になってたこれを調達したんだけど、まあこれが最高であった。
横から見るとA5ファイルサイズくらいのコンパクトサイズに、J limited 01+FA31mmと、DA☆200mmを収められる。
きちっと四角いから、寸法の割に収納力ある感じ。置いた安定感もよい。
何よりよかったのが、肩にかけてる状態で開けたら、腰で支えられて安定する。そのまま作業台になってくれるから、レンズ外してそのままバッグに突っ込み、換えるレンズ取り出して装着、とやってて不安にならない。「レンズをもっと交換したくなるカメラバッグ」という売り文句、これはほんとに偽りないな。
私はすぐ手に持ってるものを落としたりするから、レンズ交換も座ってやるなりしないと危険で手間取るんだけど、このバッグ使ってれば立ったまま安心してやれるよ。
スロット1/2の切り替えについて
SDカードスロット2に、ありあわせの16GBを挿していた。
そこに通販してたSandisk Extreme Pro 256GBが届いたので、スロット1に挿した。
すると、頑なにスロット2に保存しにいく。切り替えがわからない。
教わったところによると、1枚しか刺さってない状態を作るとそっちに移り、追加で挿しても手動で選ぶ方法はない、らしい。
スロット1に256GB挿してスロット2の16GBを抜いて、一度電源を入れて認識させ、電源切って、スロット2の16GBを挿し直せばOK。
これは「スロット2にありあわせ挿しといて入れ忘れ事故防止」という運用にはあんまり向かない仕様な気がするな。まあ基本的には2は使わないけど、うっかり2が優先の状態になると戻す手順が煩雑だ。
同じようなのを2枚用意して順繰り運用なり二重記録しておくとかにはいいけど。
安いSDカード
2000万画素以上あるようなカメラに使うからには、書き込み速度の記載がないようなもんは使い難い。
K-1 Mark IIだと一昔前のUHS-1にしか対応せず、一番いいのを使っても90MB/sくらいが上限。かつてはそれが最高級SDカードの速度であったが、今となっては中どころのやつ。
それでSandiskのExtreme Proを買っても、まあ256GBが8000円しないくらい。何年も使うし、まあリーズナブルな投資。Pro付かない金のExtremeでも、体感で困るほどの速度差もないのでもっとリーズナブル。
……しかし、2380円で書き込み90MB/sと主張するカードがあった。
まー、言ってる速度がどこまで出るか知らんけど、単純に256GBで価格com最安の値段なのに、書き込み速度は3倍くらい値段のに匹敵すると言い張るんだから面白い。見せてもらおうじゃないか。
使えたら面白い。ダメだったら……まあ笑いはとれるだろう。レポートを待て。
※正気の人はお金出してSandiskや東し……キオクシアのUHS-I最上位モデルを買うか、速度に妥協してSandiskや東し……キオクシアの廉価モデルを買うのがよいと思います。
ファインダーの液晶スーパーインポーズ
K-70はファインダー外の情報表示の一部として電子水準器が表示されるのだが、K-1系だと画面内に表示になった。
それ自体はいいのだが、黒表示なので被写体黒いと見えん。夜に使えない気がする……。昼間でもたまに見づらくなる感じするけど、ただまあ、あまり目立つとフレーミングの邪魔でもあるし。
K-70は見やすいとはいえ、1軸しか表示がないしね。
スーパーインポーズのせいで若干ファインダーのキレが落ちてるという説もあったけれど、それは私にはあんまり気にならず。
シャッターフィール
K-70は機能的にエントリー機というには充実してる機種だけど、やはりシャッターフィールは廉価機なりな感じ。ミラーをポンと跳ね上げて露光しちゃう感じで、パカパカ鳴るの。別に嫌いじゃないけど、まあミラーショックもある程度出ちゃうだろうなと。
K-1系はさすがにお金かけてて、ミラーの上げ下げまできっちりジェントルに制御してる感じ。静か。
今まで廉価モデルしか使わないユーザーだったのもあるけど、このフィールは気持ちいいね。