50年前のトキナーで撮る(PENTAX K-70 / MINETAR 200mmF4.5)
先日300円でゲットした、今のトキナーがまだ東京光器製作所という名前だった1960年代前半の望遠レンズ・MINETAR 200mmF4.5。
果たして、50年前に作られたマイネタール、どんなもんでしょ。今のトキナーに通じるものがあるのか。
※当初60年前と記載しておりましたが、1960年代前半は今から50年前でした。お詫びして訂正いたします。引き算できへんのかと私を嗤え。
流石にオールドレンズだから開放で使うもんじゃないだろうと思って、大体F8で撮ってました。
やっぱり古いだけあって、カラーフリンジが全体的に出てますね。あっちこっちで変な色の縁取りが。縮小画像でも、電車の架線とか右手の標識の裏とかに色づきが見えるかな。
遠景解像力テスト
通天閣、多分開放。周辺光量が少し落ちてるのは見える。APS-Cだと周辺部使わないだけに、周辺光量落ちはF5.6でもうわからなくなる感じ。
で、解像力チェックをしてみると、開放だと結構ふわふわ。L版プリントとかなら気にならん気がしますけれど。
この解像の甘さは近距離だとあんまり気にならない。もしかすると微妙に無限遠が出きってないとかあるのかもしれないな。50年前の、しかもマウント交換式だからちと精度は厳しいか? フォーカスエイドは合焦表示出てたはずだけど。
F5.6だと……なんか逆に甘くなった? ちょい手ブレしたかな?
F8で急激にしゃきっとして、金網の線まで見えてくる。
F11。このレンズで遠景ならF11がベストっぽい。
50年前だと、白黒ならネオパンSS(ISO100)があって、カラーネガはまだまだ低感度という時代だったみたいで、200mmをF11で使うなると三脚が必要だったでしょうけど、今のデジタルなら手持ちで楽勝。
F16だと小絞りボケが出てきちゃう。
近距離はもっと良い写り
ヒガンバナの枯れたのを狙って、近距離……といっても最短撮影距離は3mなんですが、わりと最短に近いくらいの距離から。
すると、これは開放からよく写る。
上の切り出し。50年前のレンズが開放でこれならかなりのものでは。
まあ幹の方にパープルフリンジのせいであろう色づきがあったり、前ボケはちょっとうるさいかなって感じがあったりはしますが、それくらいかな。
F8。絞り操作はプリセット絞りなんで、普段はF8、特にボケを大きくしたい時だけ開放……といった使い分け操作が簡単。
ただF8だとフォーカスエイドの効きはかなり厳しくなっちゃうな。日陰で駄目になる。
F8だともう切り出してもこの写り。いいじゃない。
動物撮り
ちょっと背景が明るすぎるところにいてコントラストがつきすぎたので、現像で調整してました。フレアで眠くなったとかではないです。
取り外せない深いフードがついて外せないような構造なんで、特に逆光で問題を感じることはありませんでした。
キャット食事中。これくらいの距離だと、開放から全然使えちゃう。
キャットシルエット。
見返りキャット。
こっち見るキャット。歪曲収差もほぼ感じないのもいい感じ。
遠景だと開放で甘いのが目立ちますけど、数メートルくらいの距離なら開放から毛並みもきっちり写ってるくらい。
多分、旭光学やキヤノン、ニコンなどの純正よりリーズナブルな商品だったと思いますが、この写りならなかなかのもんだと思います。後にサードパーティレンズメーカーとして名を挙げるトキナーだけはあるのかも。
ただまあ、50年代前半は各社とも絞りが半自動絞りになっていってた頃ですが、マイネタールはそこまではいかず、プリセット絞りでやってたようです。そういう機能的なところは、純正には敵わないか。
今使うならプリセット絞りは使いやすいんですけどね。
植物撮り
蒲の実が熟してますね。綿毛まで写してますよ。
何の実かな。多分F8だと思いますが、円形絞りなんで背景に六角形が散らばったりはしない。
まだ枯れ残った黄花のヒガンバナ。これでほぼ最近接です。まー寄れないのは否定し難い。
寄れるだけ寄ってもいい写りしてると思うんですが、これ以上寄れなくなるのはなんでだろな。これ以上繰り出すと急激に写りが悪化するとかあるのかな……。
使ってて気になったのは、交換式マウントに数ミリほどガタがあって、ピントリング回すとガクガクする。なんでこんなところでゆとりを作ってるのか、単に劣化して緩んじゃってるのか。外してつけ直したりしたら直るんやろか。
まあ、他のマイネタールに遭遇した時にまた拾ってみて、マウント交換が必要なら試してみようか。