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ぎょがーんin Nara (smc PENTAX-F Fish-Eye 17-28mmF3.5-4.5)

 smc PENTAX-FA J28-80mmと並行して、smc PENTAX-F Fish-Eye 17-28mmF3.5-4.5を試してました。

 私の記憶と感覚ベースの話ですけど、元々90年代に発売された当時は、PENTAXの変態レンズとしてそこそこ人気あったみたいで。なんで魚眼をズームで作るんだよ、といわれつつも買う人が多い愛されレンズのイメージ。
 変なレンズって夢がありますしね。

 しかしデジタル一眼レフの時代が来て、APS-Cセンサーが主流になったら、どうにも中途半端になってしまって存在意義が失われてしまった。
 この頃には中古でちょくちょく見てたんですが、私も買わなかったな。
 そこにK-1が発売された途端に、代わりがないレンズになっちゃったから人気が戻って、値段も跳ね上がり。在庫も払底。
 そして私がJ limited 01を買った2023年には、単に古いレンズになっちゃってあまり見かけもしなくなっちゃってました。
 先日突然見かけて、いいチャンスだと購入しました。

実写

17mm F5.6 1/90s ISO100

 魚眼でズームといっても、オールド単焦点レンズみたいなサイズ感と軽量さ。全長61mm・最大径65mmで255g。軽くて小さいMZシリーズには似合ってただろな。

17mm F9.5 1/15s ISO100

 これは真上に向けた無理な姿勢で1/15秒、まさかの手ぶれが出ちゃった。
 あとまあ、PENTAXレンズの例によってパープルフリンジは出ますね。F9.5で長辺1920pxに縮めてても見えるくらい。現像で消せはしますが。

17mm F9.5 1/15s ISO100

 これの右上は流石に手ぶれじゃなくて被写体ブレですね。風はわりとある日だった。
 また魚眼だと太陽が画面にめっちゃ入りがちなんですが、光条は引くけどフレアやゴーストは思った以上に抑えられますね。えらい。

17mm F5.6 1/90s ISO100

 ここから吉城園。
 どうもセンサーシフト手ぶれ補正があると、イメージサークルが怪しくなるみたいだ。右上ケラれちゃってる。まあ当時なかった技術だからしゃあないですが、このコンパクトさのために限界まで詰めてたか。

17mm F5.6 1/125s ISO100

 テレ側にズームすると歪曲収差が減って(なくならない)普通の広角レンズっぽい写りになりま……いやこれワイド端だな。
(主な被写体を上下の中央にいれつつ、どういう形にでもなり得る植物や雲しか周辺にない、というカットだから魚眼ぽさがうまく消えちゃった)

17mm F16 1/15s ISO800

 魚眼らしさを出すには被写体に寄る。両下手を取って吊り上げる勢いでがぶり寄る。いや被写体に触れてはいけないしがぶったら被写体がブレる。
 魚眼のデフォルメ効果は寄ることで発揮されるものなんですが、実はこのsmc PENTAX-F Fish-Eye 17-28mmには圧倒的弱点があり、最短45cmなんです。17mmで45cmは全然寄り足りない。だから深絞りでピント無視していっちゃうとかやるしかない。

17mm F19 1/15s ISO200

 手前側は絞ったところでそこまで被写界深度広がるわけでもないのはわかってはいますが、このツバキはボケてるのか、それとも単に風で被写体ブレしたのか。よくわからないな。

17mm F11 1/15s ISO400

 魚眼っぽさを簡単に消す手口として、中央に明度が強い被写体を置いて周辺をアンダーに落とすという手が。私いつも黒っぽい写真撮るから簡単。

28mm F11 1/20s ISO800

 たまにはテレ端を使いましょう。
 テレ端なら普通の28mmっぽい使い方が可能。可能? まあ可能か。右端に建物が写り込んでますが、普通のレンズでこの曲がり方は許されんやろというレベルにはひん曲がりますけれど、相手がネイチャーならわからん。

28mm F11 1/20s ISO200

 もひとつテレ端。これだと普通の広角にしか見えない。

28mm F9.5 1/20s ISO400

 やっぱりテレ端で曲がらないとはいえないな。日本家屋だと多少は誤魔化しがきくだろうか?

17mm F11 1/60s ISO100

 あ、センサーゴミ。絞りまくるし空が大きくなりがちなこのレンズには過酷……

17mm F11 1/45s ISO100

 魚眼ってどうも構図が似通った感じになりがち。私の経験値が足りないのはあろうけれども。

17mm F11 1/15s ISO400

 広角だから絞りまくってもスローシャッターになって、さほど感度上げなくていい、ってのはある。

17mm F11 1/15s ISO800

 まるも魚眼で撮って違和感のない形状といえるでしょう。

smc PENTAX-F Fish-Eye 17-28mmF3.5-4.5について

 なんせ最短45cm(見た感じもうちょっと手前側にピントリング回ってみえますが)という弱点がつらいとこ。
 単焦点ならもっと最短短くできたのでは……と思いつつ、まあこれ一本で出かけても、看板とかメモ的な撮影がテレ端でできるのは便利なとこ。自然物が相手だと多少の歪曲は目をつむれるシーンも多いし。

 まあAPS-C用のDA10-70mmのほうも、K-1でも望遠寄りで大体対角魚眼くらいになるとか。ワイドなら円周魚眼めいた写りでもう一枚遊べる。
 smc版はビルトインフードがケラれてK-1で苦しかったんですが、HD版にモデルチェンジしたとき外せるようになってて万全。
 そして最短14cm。やや大きく重くはなりますけど317gですしねえ。古い方使う理由はないかもしれない……。

 とはいえ、寄れない以外は古い割にちゃんと写るし、小さくて軽い。
 カメラバッグの片隅に入れておく常備魚眼とすることもできるでしょう。


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