スイバルに会うも他生の縁 (PENTAX Optio X)
私、けっこういろんなコンパクトデジカメは所有したことがある方ですけど、いやー。Optio Xなんて、まさか巡り合う機会があるとは……。
カメラのナニワが週末に送ってくる新着中古情報を珍しく開いて、ついPENTAXに絞り込んだらあるんだもん。2004年のデジカメに1万円。他のものなら出さないけど、Optio Xとあれば仕方ない。
元箱はけっこうヤレてはいたものの、中身はきれいなもの。新品同様とはいわんものの、わずかな擦り傷程度のもの。マニュアルやソフトウェア、ケーブル類も完備。ストラップまで未開封でついてた。
驚くべきことにバッテリーまで、20年の歳月を経てなお、健全とはいわんもののある程度使えるくらいに充電できた。一体どう維持されてたんだろう……?
かつて人類は、撮影アングルの自由を求めて異形のデジカメを生み出していた時代があったのでした。
あとCONTAX SL300R T*とかサイバーショットU50、COOLPIX SQあたりを加えたいところ。SL300R T*はまだしも見たことあるけど、U50はセンサー不良もあってほんとに生存個体少ないんだよな。
実写
写りはまあ、おとなしめの色使いで、別にピクセル等倍で見てもそんなに酷い粗を感じるでもなし、というような、当時のスタンダードクラスのデジカメってところ。
1/2.5型センサーで500万画素、換算35.6-107mmF2.6-4.8の3倍ズーム。Optio S5iあたりと同じセンサー・同じレンズ。
PENTAXが開発した、沈胴式ズームレンズの一部エレメントを横に逃して、収納時の厚みを抑えるスライディングレンズシステムのやつ。
しかし、スイバル型デジカメにスライディングレンズが載ってるとなると、これが使ってて違和感があった。
上の集合写真と見比べてもらうとわかるんですが、スイバル型デジカメって普通、前を撮影する時には、レンズ部を90度回して前に向ける。でもOptio Xは回さない状態で前に向く。
もともとスイバル型デジカメって、ボディの縦方向にレンズを収めることで、長さに余裕ができてレンズが設計しやすい、というような発想で作られてました。
なのにわざわざ薄型スライディングレンズを使って、普通の向きにレンズ付けちゃってるのがOptio X。異端のスイバルといえるでしょう。少なくとも2004年にズームでこれをやれるのPENTAXとカシオだけのはず。
マクロでテレ端でもなかなか寄れる。ブレるし、基本感度のISO80から160に上がっただけで結構ノイズ出てきちゃうので、流石にその辺は時代。
スーパーマクロモードは62mm固定、フラッシュ禁止になるけどもっと寄れる。もちろんブレる。
かなり小型ボディで、画面と操作系が右半分にしかないので窮屈になってる感はあり。
しかし、ストロボモードやマクロモードなどの切り替えにワンアクション挟む(Fnキーを押してから十字キー選択)設定にしつつ、十字キーをいきなり左右に入れるだけで露出補正がかかるのは、さすがのPENTAX。そう、露出補正は最優先でできるべきだ。
マクロっぽいのばっかになっちゃったけど、通勤行き帰りのちょっとだけしかまだ撮れてないので。
縁というのは重なるものというか、先日のペンタックスリコーファミリークラブのイベントで、恒例の倉庫発掘物即売があり、そこにOptio Xのロゴ入り革製SDカードケースなんてものがあった。
令和に本体とこのカードケースをほぼ同時に入手するやつ私しかおらんやろ。
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