ふえた(京セラ210AF・ミノルタポケットオートパック450Tx)
しばらくハードオフ行ってないなあ、と思って、スクーターのバッテリーも上がりそうになってたのでちょっと。
京セラ210AF
いやー、なんか転がってまして。
見ての通り外装がきれいだったし、この名物デカ頭フラッシュがついてる。置物でもいいかなあと思って買ってみて、電池入れてみたらなんと動き出しちゃった。
幸い最近フィルムでもよく撮ってるから、動くとあれば使っちゃうぞ。
なんにでも詳しい方はいるもので、検索すると京セラAFシステムについての専門サイト「KYOCERA AF SYSTEMの世界」がありました。
αショックがあった85年から、他社が慌ててAF一眼レフシステムを開発するのに並んで、京セラに買収されていたヤシカもAF化を成し遂げました。(ヤシカは電子技術も得意だったことで、早くから一眼レフのAF化を研究してたそうです)
86年末には初代の上位機種230AFが出て、続けて下位機種200AF、210AFが87年に追加。
そんなに大きくスペックが違うわけじゃないようで、230AFはカメラらしい機能が一通り、200AFはフィルム感度の手動設定や露出補正などがオミットされた廉価版。200AFはペンタフラッシュが使えず、210AFは使えます。
手元の210AFで見た感じ、P/A/S/Mフルモードにはなってます。
Mモードはメータードマニュアルになってないみたいで、ちょっと使いようがないかな……。
ファインダー内表示は簡素で、合焦表示と、低輝度警告だけっぽい。プログラムオートだとPと出るんですが、AvやTvにしてもそれが消えるだけでした。まあAv・Tvなら肩液晶の表示で確認するだけでいいですけど。
操作系はわりとシンプルで、シャッターボタンの後ろに左右に動くスライドスイッチがあり、左肩のMODEボタン・DRIVEボタンを押しながらスライドすると撮影モードやAFドライブモードが変わります。PENTAX Zシリーズとおんなじ。
Pとだけ書いたボタンがあって、押してみると、どんな状態からでもプログラムオートに戻る。PENTAXでいうグリーンボタンみたいなもんか。
意外にもPENTAXと似た操作系。自然に移行できる……と思ったらズームリング逆やん。触っててなんかおかしいと思ったんだ。
電源のスライドスイッチが、LOCK / AE-L / ONの3段。
どういうこっちゃと思ったけど、AE-Lだとシャッターボタン半押しで測光したらそれでロックされ、ONだとレリーズまで測光され続けます。
好みでいうと私はAEロックされる方が好きですけど、中央1点のAF作動と同時になっちゃうから使えるシーン限られちゃうな……。
露出補正がないのでネガ用になっちゃいますが、私別にポジで撮らないのでOKです。早速フィルム入れちゃうぞ。
京セラAFレンズが特徴的なのは、距離窓やズームの指標が右斜め。
フラッシュつけると真上に距離窓があっても見えなくなる(J-Limitedのアレに劣らないくらい前に飛び出します)。
とはいえ、レンズとボディで距離情報の伝達が行われてるので、Pモードでストロボをオンにすると、ピント位置に応じて絞り値が勝手に変わります。ストロボ自体は固定光量で飛ばすだけですね。
だったら別にレンズの距離窓見えなくていい……んだけど、まあ、ね。
このKyocera AF ZOOM 35-70mmF3.3-4.5 MACRO、「KYOCERA AF SYSTEMの世界」によれば非常に良いレンズらしい。
京セラAFシリーズの前に、ヤシカがCONTAXブランドでAF一眼レフを開発してた頃に、Vario-Sonnarとして発売するつもりだったレンズ、という噂があるそう。
ブランドはどうあれ、ヤシカのレンズはオールドレンズの世界では評価の高い富岡光学が作ってましたし。ちょっとこれは気になる。
最短撮影距離なんと33cmというやたらと寄れるところも面白い。
他に60mmF2.8マクロも傑作レンズだそうですが、見かける機会なんかあるのかな……。
それから、シグマが京セラAFマウント向けのものを出してたようです。
もし転がってても見分けが難しいなあ。見た目がAマウントレンズによく似てますね……。絞り作動レバーが電子接点に近いのがAマウント、180度近く遠いのが京セラAF。
ミノルタポケットオートパック450Tx
110カメラはもうコレクションなんで、300円くらいなら買っちゃうんですけど、これは動いたというか壊れるところがない系のカメラですねえ。
シャッターは1/200秒固定で、絞りを2段階(晴れか曇り)選択式。まあネガだからそれくらいでも。
電池は単三電池一本なんですが、これは主にストロボ用みたいでした。ストロボは故障しちゃってるかな。ずっとチャージ音し続けて止まらないし光らない。
また、簡単な光量計もついてるようで、暗すぎるとファインダー内のランプとブザーで警告してくれました。
ピントもゾーンフォーカスの簡素なものですが、いちいちレンズを見ないでも、ブライトフレームでゾーンフォーカスの目安を表示してくれる。
1980年に460Tx・450Ex・430Exの3兄弟で発売されたカメラで、1977年にxがつかない460T・450E・430Eの3兄弟が出てます。
多分だけど、ISO400の高感度フィルム対応のためのマイナーチェンジじゃないかな。450Exには、高感度を認識するための爪がちゃんとついてる。まあこれがあってもなくても、単に低照度警告が出る明るさが変わるだけと思いますが。
海外のサイトによると、レンズはロッコール26mmF3.5・3群4枚。
わかりにくいけどクローズアップレンズが内蔵されていて、レンズ前に横からスライドさせて引っ張り出せます。これ使ったら最短50cmになる。
クローズアップレンズなしだと、無限遠(山マーク)・3.5m(全身像マーク)・2m(●マーク)・0.9m(ランドルト環マーク)の4段階ゾーン。
3.5mから無限遠に入れるのに強い抵抗がかかるようになってますが、晴れマークのF11ならピント3.5mでも遠景までパンフォーカスで写るんで、特に曇りマークで遠景撮るのでなけりゃ不要ってことかなあ。
上位機種の460Txは、2焦点レンズ搭載。でもシャッター単速でお天気マーク絞りのゾーンフォーカスなのは一緒らしい。それで43mmF4.7(換算85mmくらい)の中望遠を使えと……。大丈夫かなあ。
下位機種の430Exは、ファインダーのブライトフレームがなく、絞り選択もなく、レンズは26mmF5.6(3群3枚)に格下げ、ゾーンフォーカスも1.5m・3m・無限遠。
ちょっとイロモノ的に460Txも見てみたいですが、450Exは実用的な感じですね。電気をほとんど使わずに撮影範囲を広く取ってるのがニクいぜ。