ミノルタの古典望遠ズーム2本を使い比べる(α350 / AF70-210mmF4 / AF APO TELE 100-300mmF4.5-5.6)
動物園好きなんで、けっこう望遠ズームレンズは使うこと多いんですね。
数が多く出ることもあるから値段も安かったりして、店で見かけて不用意に「ちょっと買って試してみよ」ってなこともやりがちで。
PENTAXに関しては、DA50-200mmが小型軽量の素晴らしい取り回しと、そこそこの性能のバランスが良くて、まあこれでいいかな、って感じなんですけど。
SONY / MINOLTA Aマウントの方では、まだ決定版ってのは見つかってない。
そんなところで、古くから評価の高いミノルタの望遠ズームが2本、続けて見つかったんですね。
先日届いたα350と合わせて、天王寺動物園へ試写へ。
AF APO TELE ZOOM 100-300mmF4.5-5.6
こちら、1993年発売。
同じ100-300mmF4.5-5.6でAPOがつかないものもあります。APOがついてる方は、ADレンズ(他所でいうEDレンズかと)を使って収差の低減を図っておるとかで。
今だとEDレンズも当たり前に使われますが、当時は高級品でした。
PENTAXでもそうなんですけど、テレ端200mmくらいの望遠ズームは古くてもまあまあ写りの良いレンズになってるんですが、300mmとなると、ちょっと今どきのデジタル一眼に使うには厳しいな、ってのが多くって。
果たしてこいつは、テレ端300mmのジンクスを乗り越えられるか?
うん。まずまず写る。300mmで絞り開放F5.6。
これも300mmF5.6。fAPS-Cセンサーなので周囲が切れてることもあり、まずまず整った写り。
ちょっとごちゃっとした画面でも自然にまとまってる感じ。
ただ、ピクセル等倍で見るとやっぱり結構甘いかな―、って感じもありますね。1400万画素もあるデジタルに、27年前のレンズでカリカリに写ることを求めちゃ無茶ですが。
今回みたいなせいぜい10m以内の距離だったらいいけど、無限遠はちょっと不安になる感じの写りでした。
若干画面の左側のほうが右側より描写が甘い感じもあって、ちょっと偏心してるかも。もしかすると無限遠が良くないとかは、単に状態が悪いだけかもしれません。
重量435g、73.5mm径・全長101.5mmと、300mmズームとしてはかなりコンパクトにまとまってるので、取り合わせの良さは高得点。
最短も1.5mで最大撮影倍率0.24倍だから、マクロ的にも使えます。
実はちょっと、「こいつは名玉」という噂を耳にしていたので、ちと過剰に期待しちゃってたな。
撮ったの見ると「そこまでじゃなくない?」とも思えてしまったりして。
ただまあ、レンズの状態が悪い可能性と、「そこまでじゃなくたって悪いってこともなくない?」と思い直してますね。コンパクトさを思えば十分良いのではと。
古くてグリスが抜けてるだけかもですが、下に向けると勝手にズームが伸びちゃうのがちょっと気になったかな。
AF70-210mmF4
で、もう一本はこの70-210mmF4。
85年にα7000が登場すると同時くらいにラインナップされた、F4通しの望遠ズームです。
ズームしても全長が変わらない3群ズーム。全長不変といっても、一般的な伸びるズームの最大に伸びた状態で固定されている感じ。だから3群ズームって今では高級レンズにしか使われない。
全長152mmで重量695gという堂々たるデカさ・重さで、発売当時は高級クラスだったんじゃないかな。多分、93年にAPO80-200mmF2.8が出るまでは、200mm級で最上位だったものだろうと。
このレンズをつけてファインダーを覗いてみると、なんとなく見やすい気がする。レンズのF値が明るくなれば当然ファインダーも明るくなるんですけどね。
α350のAFは、ちょっと正直あまり良いとは思いづらいんですが、APO100-300mmのF5.6で頼りなかったのが、こちらのF4だとある程度マシになってる気もします。ジャスピンのカットが多い。
解像力もあるし、絞り開放でもあまり変な収差がでない。
ズームとしては明るいF4通し、結構暗いところでも、CCDセンサー機のα350でちゃんと撮れちゃう。
でかくて重いだけあって、こりゃかなりよく出来たレンズだぞ。
なんだか使っていて気持ちいいレンズ。ヌケが良いとかかな。結果を見てもよく写ってるからなおよし。
最短1.1mで最大撮影倍率0.26倍だから、やはりマクロ的にも使える。
別に経年劣化で曇るようなレンズでもないらしく、私の手元のやつも光学系の酷い劣化は見えませんでした。
なにしろでかくて重い200mmズームだから、35年前のAマウント製品ってのもあって2800円で買えましたが、撮れる写真の良さを思えばかなりのコスパかも。
というわけで今回の2本は、
・コンパクトで悪くない300mmが使えるAPO100-300mm
・重量級だけど写りが良いAF70-210mm
という、それぞれ性格が逆の2本でした。
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