PENTAX一眼レフ体験会大阪とTokina EMZ130II試し撮り
スクエア大阪閉鎖以来、たまの楽しみになってる一眼レフ体験会。
大阪や近県のPENTAXIANが大集結し、天満橋で単位面積あたりのPENTAXユーザー率が異常値を示す日です。
今回の会場は、旧スクエア大阪のすぐ向かいのホール。前回は2階だった。しかしスクエア跡地はすでにレンタルオフィスっぽいのが開業していて、少し寂しい。
中はさすがにずっと人が十数人くらい居たもんで、撮影は遠慮。
まあ、別にすごいものがあるわけじゃなくて、長机を広間にぐるっと配置して、そこで各コーナーが広げられている。
入り口入って左手から順に機材レンタル、点検サービス、J limitedコーナー、新品の販売(レンズ下取りサービスキャンペーンあり)、どこから出てきたかわからない謎のアウトレット販売、周辺機器やファングッズ販売、で一周。
J limitedコーナーにはいつものアニキとTKOさんが陣取って、なんだこれはというものが大量に並ぶ。
まあその、J limitedは、K-1 Mark IIベースのJ limited 01の発売以後、02がどうなるのかという情報も表には出てこない。しかしまあこういうところにきたりするPENTAXIANどもは知ってるんだけど、まああれがあれで。
上の写真に写ってるものだと、J limited 01の青と白、あれはKFの限定カラーになったそうです。緑とか青のラバーを使った限定カラーK-70は、東京のクラブハウス限定販売だったんですが、今日販売ありました。
私が多分初めて見たやつというと、このステンレス板ですね。
Jリミチームはよくレーザー彫刻機で遊んで……いや色々試作してるんですけど、こんなステンレス板に、かなり深く、1mmくらいは彫り込んでる。
どんなもんかと思ったら、J limitedのグリップを作ってもらってるミロクテクノウッドは猟銃メーカーのミロク系列なもんで、猟銃に施す彫金をやってもらったものだそう。尾びれのとこなんかすごい精度で彫られてる。
うん。まあこうなるよな。
K-3 Mark IIIベースでJ limited 03を作るときには、どこに何が彫り込まれるのだろうか。
あとまあ、立ち話的に今度出すと言っちゃったPENTAXのフィルムカメラの話も聞きましたけれど、社内的に話が大きくなってしまっているとか、OEMでPENTAX印をつけるだけで済む話じゃない(まさか、という不安は払拭された)とか、でもこの部材が高騰する状況で学生や若い層にも手が届くものにするのが難しい(そりゃそう)とか、デザインはJリミチームがやるので普通のものにはならない(PENTAX製品は自動的にそうなるだけなんだけど)とかそんな。
で、お楽しみの物販ですね。
新品では新型100mmマクロを78000円にしてたし、アウトレットにもMade in Japanの43mm Limitedがあったりしてました。
七宝焼シンクロキャップは開場一時間くらいで売り切れちゃって、七宝焼完売のビラが貼られてました。PENTAXIANなんでも買うなあ、と思う一方で、もうPENTAXが客の喜びそうなネタ見抜いてるもんな、とも思う。
PENTAXゆかりの写真家さんの作品をTシャツにしてたり、まだ捌けないCBLレンズが売られてたり(意義はわかるんだけど私も使うかというと使わんなーと思ってスルーし続けてしまっており。何でも買うわけじゃないなPENTAXIAN)、クラブハウス限定となっていたアイテムも色々出てました。
TKOさんが描いたK1000のイラストが入ったTシャツと、このレンズ買いました。3000円。
FA28-105mmF4-5.6[IF]、1999年発売のものです。91年にパワーズームのFA28-105mmF4-5.6が存在するので、[IF]をつけて区別。
PENTAX設計じゃなくて、TAMRON 179DのOEMですね。私、意外とタムロン設計のレンズを買うのって初めてだなあ。シグマもトキナーもコシナもあるのに。(コンパクトデジカメとかで無自覚にタムロンレンズ使ってることはあると思いますが)
Tokina AF100-300mmF5.6-6.7 (EMZ130 II)
で、いつもPENTAXやそのまわりのイベントに行ってると顔見知りの方もできてくるので、午後からは連れ立って大阪城の方へぶらぶらと。
今日はTokina AF100-300mmF5.6-6.7(EMZ130 II)の試し撮りをするつもりでした。
超広角・標準・望遠ズームをF2.8通しで揃えて大三元、F4通しで揃えたら小三元なんていわれますが、それらを超チープレンズで揃える、さしづめ白発中入りの七対子みたいなネタ役を考えてたわけですよ。
それじゃチートイのみだろ、といいたいところですが、それを「見向きもされないようなチープレンズだけど実は意外にいい写り」という条件をつければ、財布が傷まない、軽くて嵩張らない、それでいて実用的ということでドラドラがついて6400点。
すでにCOSINA 19-35mmとPENTAX-F 35-80mmは超チープなのに意外にいい写りしてることを発見しているので、望遠ズームでそういうのを加えたい……ということで、狙ってみたのがこのトキナー100-300mmでした。
今回キタムラからきれいなのを2200円で買いましたけど、まあジャンクであれば1000円とかで買えると思います。
EMZ130 IIというモデル名の通り後期型なんですが、前期型は直進式ズームだったようです。光学系はいっしょかなあ。どうだろ。構成枚数や最短撮影距離などは全く同じ。
さあ実写。
テレ端絞り開放で、おや意外と悪くない写りか……と、縮小すると思えるんですが。
ちょいブレなのは走行中の電車だからとして、色ズレがねー……。
ワイド側だと結構ソツなく写る。カリカリな感じではないので、現像でファインシャープネスかけると引き締まる感じ。
開放でかなりのカラーフリンジが出るので、ある程度絞るしかないかなとは思いますが、開放F6.7だから絞りづらい……。
ファインシャープネスをかけ、さらにフリンジ除去も最大にかけ、それでようやくこれくらい。うーん……。まあ鳥というのは2000円の中古レンズで挑むような世界ではないからな。
フリンジは画面周辺ほど大きくなって、もう除去がまったく効かないぐらい豪快に出ます。
近距離かつ広角側だとやはりソツない感じ。
後ボケか前ボケか、どっちがきれいかといえば明らかに後ボケですね。前ボケはけっこうガサい感じ。
ピントあってるとこもちょっとほわっとした感じがある。ソフトレンズ的というか。
前ボケと後ボケがかなり違うことも合わせて、多分球面収差が残ってる描写かなあ。
同じところを広角で。半段絞ってますけど、ちょっとぐるぐるボケっぽいかな。わざと出して面白い効果を狙えるか……? と思ったけど、100mmで最短1.5mじゃ厳しいな。
そこで止まってて落ち着けるのだろうか。
そしてやっぱりピクセル等倍で見ようというようなレンズではない。
ぜんぜんだめなレンズかなあ、と思いきや、これはいいんじゃないかと思ったのはこの馬酔木。
後ボケは実にきれい。口径食でレモン型にはなってるものの、縁取りもまったくない。そのかわり前ボケが目に見えて荒れてますが。
でもって強く光が当たって背景と輝度差があると、ピント面もほわっとした収差が輝くように浮き立ってくる。あえてポップチューンとかで派手に現像すると、これはかなり華やかな写りになるな。
まあ最短が1.5mで、撮影倍率は1/4倍。APS-Cなら寄れてる感出そうですが、フルサイズだとちょっと物足りないか。ボケとピント面の収差に関してはAPS-Cで損なわれるものじゃないから、むしろ向いてるはず。
36x24の4倍、フルサイズだと144x96mmが画面いっぱいになるのが上限なので、この描写を活かせそうな大きな花というと、やっぱりあじさいだな。梅雨時に狙ってみよう。
ほんともう少し寄れると画面整理しやすいのだけど。
なんとか使ってみるとすればこんなのか。ちょっとこれ、前ボケが二線ボケすぎて枝が分裂しとるな……。
広角に引いたら写りはしゃきっとするものの、後ボケは酷くはないけど軽く二線ボケっぽくなっちゃうか。写真の印象が悪くなるようなレベルじゃないので全然いいんですが。
まあ梅の場合は枝ぶりがよかったりもするので、寄れないならそれを撮っていくようにする。これだけ後ボケのきれいだと、こういうカットはきれいに上がってくれるな。
おっと前ボケを出してしまった。てきめんにガサい。
ピントは一番手前の花に、がこのレンズの流儀。
広角側に引いた場合は前ボケも普通になるので、こういうカットもOK。
ただ、F13でもまだパープルフリンジ出てましたね……。うーん。
チートイドラドラレンズの望遠担当に使えるかなあ、と思ったものの、コシナ19-35mmとPENTAX-F 35-80mmが比較的ソツなくそこそこの写りを見せてくれるのに対して、Tokina 100-300mmはちょっとキャラが違いすぎる感じしますね。
これを「ソツなくそこそこ」と呼ぶには、L版プリントとかウェブ公開用200万画素相当とかの、鑑賞サイズが小さい場合に限られる感じ。
フード着けてれば逆光にも違和感ないし、ボケが荒れるのは前ボケだからさほど問題になりにくいし、小さくするならソツはないです。
しかし、フルサイズ3600万画素センサーが相手だったら、ものすごくカラーフリンジが目立つ上にピント面も甘くて解像力が足りない。
30年前のレンズにそんなん要求したらいかんのですが、70-300じゃなくて100-300、しかもF4.5-5.6じゃなくF5.6-6.7ならもしかして、と思って。だめでしたけど。
やっぱり、チープレンズだったらテレ端200mmまでで探すほうがベターかなあ。
その他、Tokina 100-300mmには運用上の難点も。
ズームリングがほぼレンズ全体の幅になっていて、持つならズームリングしかない。そしてレンズを外そうとすると、ピントリングをテレ端までやらないと回せない。考えて作ろう……。
で、ピントリングは先端だけで、一段細くなってる。そしてフード着けたらピント操作とフード装着が排他になる。考えて作ろう……。まあフードがゆるいわけじゃないしピントリングはスカスカなので、フード持って回せばMFはできるんだけども。
フードはねじ込みじゃなくバヨネットで逆付けもOKですが、なぜか奥までねじ込んでもロックされるような感触がしない。これはなぜ……?
さらに、フード外すとレンズキャップが引っかかって一緒に外れます。
それから、どうも絞り輪のA位置ロックもなんかゆるいみたいで、気がつけば外れてることも。これは個体差とか劣化かもだけど。
なんでこんな不思議な鏡筒してるんだろうなあ。鏡筒に関しては、ここまで全面的にぽんこつな造りしてるの見たことないぞ。
なお、おそらく作ったのはCOSINAで、TokinaはOEM供給されてるようです。この謎の鏡筒はCOSINAの仕事か。