CHINON GENESISとSuperia X-TRA 400の37枚
いやー。
80年代ブリッジカメラ、デザイン素晴らしいですね。異形で。
景気が良くて前ばかり見ていられた時代に、少しでも未来を先取りしようと思って作ったような、ひたすら型破りに斬新に突き進む感じで。
そして操作系とかまで過去の常識を無視してるから、結局撮影という行為に対して不自然な作りになっちゃってたりするんです。
えー、まずこれ「どうやって電源入れるんだよ」と思うところから始まるる……ってまあPOWERって書いてるんですが、ポップアップストロボを起こしたら電源オンですよ。
自動はえらくてカッコいいので、自動で光るストロボは使うべきです。
ストロボ強制発光も、強制停止もできますよ。左手側側面のスライドスイッチがそれで、上なら発光・下なら無効。なお入れた状態でロックされないので、指離すと戻ります。押さえたままシャッター切る。
80年代後半の自動化技術が嬉しかった時代らしく、イージーローディングの自動巻き上げ。フィルムはぽんと入れて先端の位置だけ合わせて蓋しめるだけ。
でもズームはなぜかパワーズームじゃなくて物理。レンズ付け根左側面のレバーで操作します。わかるけどあんまり見かけないな。
Camera Wikiによれば、7群8枚の35-80mmF4.1-6.4です。2群ズームで、50mmちょい過ぎたところで最短、広角も望遠も端で伸びるやつでした。
そしてズームレバーをテレより先に動かせばマクロモードにもなる。80mmで通常最短85cmのところ、50cmまで寄れるようになる。
上面左肩には、シングルAFとコンティニュアスAFの切り替えスイッチ。
あとM.EXP(マニュアル露出……はどう操作するんだろと思ったら、多重露出だった)、SELF T.(セルフタイマー)、BLC(ブラケットかと思ったら、逆光のときにプラスに露出補正するやつ)の3つのボタン。
前から見てもやっぱ変な形なんですが、機構的にもかなり奇妙。
ファインダーは一眼レフ。でも一眼レフだったら普通位相差AFセンサーが入ってそうなもんですが、なんと赤外線アクティブAF。
しかもなんかSTEPLESSとか書いてる。赤外線AFって、ゾーンフォーカス程度の大まかなステップで合わせるもんだと思ってた。
でも赤外線だからガラス越しには使えないの。
そしてシャッターも、一眼レフならフォーカルプレーンシャッターかと思わせてレンズシャッター。それに1/4~1/300秒と微妙なスペック。
まあプログラムオートのみだから特に気にするところないですが、ISO1600とか入れちゃってると支障あったかもしれないな。
実写
平城宮跡
で、実際に撮ってみるんですが、この個体はファインダーでわかるレベルでレンズが曇ってます。
撮った結果も、フレア山盛りで、色もかなり変な方向に転ぶようでした。大体奇妙に青くなる感じ。
私は撮ったフィルムはセルフデジタイズ(K-70とマクロレンズでネガを撮影し、RAWをSILKYPIXのネガフィルム反転機能で現像)するので、変な色になってるのはある程度補正してます……が、その補正が難しいので程々。
明るくて絞られるからわかりにくいんですが、AFは中央1点なので中抜けしましたね。もちろんAFロックしたんですけど、なんかシャッターボタンの調子が万全でないようで、レリーズの瞬間にAFロックが外れた。
似た構図だけど、これは中央に合わせたい位置がきてる。
よく晴れた平城宮跡は……ひたすら広場だから、そんなに写真が面白いところではなかったな。
建物もぼちぼち建て直してはいるんだけど、一部はりぼて。
朱雀門とか大極殿だけなら見栄えるが。
ブロックの影に隠れてた植物に目を留める。
たまにちょっと嘘くさい色転びとクモリ由来のフレアが幻想的っぽい雰囲気を出すこともある。
遣唐使船の復元模型。古い印刷物みたいな色になったな。
奈良水軍のフラッグシップだよ。
平城宮跡ちょっと南の廣峰神社。
筒井
筒井城跡、以前行ったことあったんだけど、どこからいくかよくわからない。城址碑があるらしい場所が、どうも民家の勝手口に通じる道にしか見えないとこの先で、入っていいものかどうか。
それでぐるっと回り込んだら、こんな原っぱに有り難みのない看板。説明板もある。
城址近くの菅田比賣神社。
レンズフレアで木漏れ日が曇ってちょっと神秘的。
なんとなく当たる日差しがいいように思って一枚。
拝殿別アングル。
なんかいい感じの祠。道路より優先。
三宮から西国街道
兵庫県立美術館に安彦良和と原哲夫見に行こうぜ、ということで、三宮駅から西国街道をぶらぶら東に歩いていく。
生田川・夏。
意外とマクロフラッシュをいい感じにやってくれた。
中村八幡宮という神社に入ってみるとコンクリづくり。寺はよくあるけど神社はそんなに多くないな。
阪神本線の旧線沿いにある子安地蔵尊。
敏馬神社(読めない)。岩屋駅近くの式内社。もともと美奴女神という水神らしい神様を祀っていたらしい。
なかなか立派なお社。
県立美術館の展示はタノシイだった。
原哲夫の原画展は「スマホ撮影はいいけどカメラはだめ」という初めての撮影条件だった。
島本・水無瀬
ナダールにいく前に、一駅手前の島本で下りて。駅前の歴史文化資料館は休館中だった。
これは流石にピント外してるな。赤外線ながらもそれほどAF精度悪いとは感じなかったが、クモリもあってピントよくわかるほどのファインダーじゃなかった。
楠公が、もはや敵わぬとわかっていた足利尊氏との決戦に挑む前、ここ桜井宿で息子の正行に最後の別れを告げて河内へ帰らせた、という。
楠公の行き先は兵庫、ここは島本駅前。せめて新快速がとまる高槻までは一緒にいってもいいんじゃないの、と思っちゃったね。
明治天皇の歌碑もある。
UR若山台の東側、Googleマップにも書いてない小さな歩道があって、ここから水無瀬川を渡れる。
天王山の方に岩肌の露出したとこがあった。
引きではこんな感じ。
子供が遊ぶような清流と高速道路のクロス。
この先に、名神高速の工事で出てきた断層の露頭があるらしいのだが、立入禁止の看板もあったので遠慮。
まとめ
レンズ右側がごっそりグリップになってて、わしづかみに持てるという独特のホールディングなんですけど、角ばってて別に持ちやすくはない。
純正では右側面にグリップストラップがついてるので、PENTAXのO-ST128を代わりにつけたけど、これは片方が三脚穴につながるタイプだから角度がちょっと。
フラッシュ禁止操作がキツいくらいで、あとはまあシャッター押すしかやることないようなカメラだから、操作性とかは別に。
絞りを操作してボケをコントロールしたいな、という気持ちはなくもないんだけど、1/300秒のシャッターだしISO400入れてたから、まあほとんどのシーンは絞られちゃってたと思う。多分、今回撮ってたような夏の真っ昼間に開放にすることができないシャッター。
そして結果的には、一眼レフ並の立派なサイズで35-80mmで明るくもない控えめなレンズを、絞りがちに使うとなって、写りはいい感じだった。曇っててもちゃんと芯がシャープ。
下手に一眼レフ使うより失敗しにくいカメラだったのかもしれないなあ。
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