2021年12月4日の元町高架通商店街(K-70 / smc PENTAX-A 35-70mmF4)
神戸に行ったらモトコーで変なものを探すのが好きなんだけれど、疫病もあって神戸に行くのが久しぶり。下手すりゃ3年ぶりくらいではなかったか。Twitterを見る限りやはり3年前以来ぽい。
で、行ってみたのだ。
え……モトコー3がない……。高架を突き抜けて花隈城の石垣が見えてしまうなんて、そんな……。
いや通常営業てなんよ。存在しなくなってるのに。
でまあ、この有様に大層驚いて、何年も前からモトコーは耐震補強を理由にJRが追い出しにかかってるという噂も聞いてて、最後に見た3年前でさえ閉めてしまう店も増えるばかりでガラガラ、西の方も取り壊されてたところがあった……くらいの状況だったもんだから、「すでに3番街から西は全部なくなった」と思ってしまった。
それで今回の記事は、もうなくなってしまうと思い込んだモトコーのまだ残ってる姿だけでも少しでも記録しよう、って勢いで色々撮ってきた写真を載せます。
まあ実際は、取り壊されてたのは7番街、4~6は健在、3番街も西側から再建されているそうな。それで通常営業というてたのか。とりあえずモトコーが消滅するというわけじゃないみたい。
まあ小綺麗になって……って、いや、こんなんになったら消滅とかわらんやんか。小さいスペースにぎっちりガラクタすれすれみたいなもん山積みにしてる、あやしい雰囲気の店がこんなとこに存在できるかいな。
やはりあの昭和平成のモトコーは、消えていかざるを得ないのか。
ともあれ、モトコー2に入って、記録記録。
こんなん、神戸か横浜くらいにしか存在しえないんやなかろうか。
取り壊された3番街、開いてる店が稀にあるという密度になってしまってる2番街を見て、ついにモトコーが消失すると思ってしまったのもご理解いただきたい。
ワタナベフラワーのサイン入りモトコーT。これだけショーウィンドウにディスプレイしてた。
ここのギャラリーでモトコーの写真展なんてやってたもんだから、いよいよモトコー消失という思い込みを強化することになってしまった。
加藤登紀子と谷村新司のベスト盤(1本に半々で入ってる)のカセットテープを300円でゲットして、聞きながらこれ書いてる。テープの最初のほうが弱ってるのか、先に収録されてるお登紀サンのほうが音が悪い。だがそれがいい。
ウォールペイントもところどころにあるのよね。耐震工事でなくなるんやろな……。
こんな張り紙があるところは、移転して営業継続できてるわけだけども。お別れの言葉だけの張り紙も多々。
レンセイ製菓、閉店してしまってから「一度ぐらい買ってみればよかったな……」と後悔してる間抜けさよ。
横手は長年の仕事の残滓がそのままに。確か店やってる頃からこんな感じだったと思うけれど。
裏に植木鉢残ってる。
粮油ってなんだろ、と思ったけど、粮は糧の正字で、粮油はサラダ油のことだそう。
モトコーも一番街は半分くらいの店は開いていて、それなりに活動中な雰囲気だった。まあ若い人向けの店が増えてるような感じだったけど、そうなる方がいいんかもしれないな。大阪の五階百貨店もそうなってきてるし。
まあ私はたまに大阪から来るよそ者で、最後に来たのは3年前ってんだから偉そうに愛着を語るような立場でもないのだけど、モトコーもまあ、名前と商店街としての存在は残るのだろうけど、私が認識してるような雑然とした薄暗い商店街としては徐々に消えていくんだろうと思う。
雑然とした変な店って、私の若い頃は泉佐野あたりにでさえあったもんだけどなあ。古本屋とか古物商の中に、格式とかお洒落さとかそういうものを拒絶するかのように、ただエントロピーが高まるに任せてるような。そして泉佐野ではイオン以外の商業が消し飛び、五階百貨店やモトコーは縮みながら若い人に代替わりする。時代は回るよ。