写真は引き算?(PENTAX Q-S1 / 06 TELEPHOTO ZOOM)
06 TELEPHOTO ZOOMといえば、PENTAX Qならでは小ささ・軽さで、換算70-210mmF2.8通しというスペックを実現したレンズ。90g。900gの誤記じゃなく。
Qの「他にない傑作レンズ」といったら03 FISH-EYEが目立ちますけれど、06もそう呼ぶにふさわしい代物だといえましょう。
なんですけど、うちのは故障しておりましてですね。AFが一切動かなくなっちゃってた。
ただ、「Qは手軽に持ち出すもの」という運用だったから、2本持つのは煩雑。望遠ズーム一本ってのもさすがに厳しいし。
また、APS-Cだとライカ判換算300~450mmくらい当たり前に使ってるのに、200mmじゃ物足りない。最大撮影倍率もちょっと低めで、なんか寄り切れない。
そういうのもあって、あんまり使わないなー、と、かれこれ1年くらい故障したまま寝かせておりました。
本当に「写真は引き算」なのか
ところで前の記事でも書いてたんですけれども、基本だ常識だといわれてきた「写真は引き算」というのは、果たして本当にそうなのか、という疑問を持ち始めておってですね。
「写真は引き算」をやろうと思ったら、マクロレンズか望遠ズームあたりを使えば、だいぶやりやすいんですよね。
とにかく余計なものを画面に入れず、見せたい被写体の見せたい部分だけを撮るなら、望遠で寄ればいいわけでして。絞りを開ければ前後方向もボケで消すことができてしまうから、引き算がやりやすい。
そうするとまあ、こういう「引き算」がだいたいできてるような写真は簡単に撮れはするんだけど、これはただ写ってる以上の写真ではないんじゃないか、と。
そりゃ、関係ないものがごちゃごちゃ写り込んでる、素人が単にシャッター押しただけみたいな写真よりは上手くはあろうけれど。
この話を、リコーイメージングスクエア大阪の名物男Aさんに話してみたところ、写真家の三浦誠さんが「写真は引き算じゃなくて足し算だ」とおっしゃってる、といった話をしてくれて。引いて引いて、最後に残るのは図鑑みたいなただ被写体が写ってるだけの写真だろ、と。
なるほどやはり、引いてから加えるべきものは加えて画面を構成する、ということができなければ。
引き算が難しいレンズで修行する
そういうわけで、「引きすぎない」という修行をするにはどうするか。
望遠・明るい・寄れるレンズを使えば引き算は簡単、だけど、つい引き算に甘えてしまう。
広角単焦点レンズを使えば、安易に画面から余計なものを外せなくなるんだけど、ちょっと標準や望遠とは使い方が違いすぎる。広角は広角。
そこで浮上してくるのが、Qの06 TELEPHOTO ZOOMだったわけですね。
望遠レンズなのは確かだけど、Qだとセンサーサイズが小さいから、ボケで余計なものを消してしまう手はあまり使えない。寄るのもそこまで寄れない。
それで使って嬉しくないレンズならただの苦行ですけど、画質もQ用レンズとして上から3本の指に入るし、携帯もらくらく……と、良いレンズなのも確かで。
というわけで、今の私のテーマに合うこのレンズを、修理して改めて使い直そうと思ったわけでした。
今日の練習写真
修理が終わって、スクエア大阪内で一枚。さっそく上の方に余計なものの映り込みが見える。甘い。
水たまりへの映り込みと木の影とがちょうどつながってるのが目に止まったんだけど、それにしても半端な構図になっちゃったな。
きれいに3つに分かれた桜の木が目に止まったので、奥の木も並べてフレーミングしてみた……けどあんまり意味なかったかな。
たまには寄ったのも撮っとく。
持ってたのがライカ判換算300mmのレンズだと、また違うフレーミングにしてたかな。
椿は首から落ちるけど、山茶花はバラバラに散る。
数メートルは離れてたから、望遠とはいえQだったらほとんどパンフォーカスかなあ、と思ったら全然そうでもなかった。F4じゃこれくらいの距離でもだいぶ浅いや。
単なる遠景もひとつ。テレ端遠景F4でも、強いていえば隅がちょーっとだけ甘いかなあ、って程度で、やっぱり8倍ズームとかのコンデジとはわけが違う写りで。
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