見出し画像

α3000とオールドレンズ (ミノルタMDズームロッコール50-135mmF3.5)

 α3000を衝動買いしたのは、一年半ほど前のことでした。
 ソニーEマウントのカメラといえば、ミラーレスのフランジバックの短さを活かした、マウントアダプターの豊富さが特徴のひとつなわけですよ。
 もともとPENTAXでも50年前のTAKUMARレンズを使ったりして遊んでたんで、もっと多種多様に遊べるEマウントとなれば、ひとつロッコールやズイコーといったデジタルで使いにくい古のレンズを使ってみたいなと。

 ……と思いつつ一年半もほったらかしてたんですが、この度ようやく、ミノルタSRマウントレンズ→ソニーEマウントボディのマウントアダプターを買いまして。

MDズームロッコール50-135mmF3.5について

画像1

 さて、α3000とマウントアダプターでオールドレンズを使うのは初めてということで、叩き台として安いロッコールをピックアップしました。マウントアダプターとレンズ合わせて2500円くらい。

 MF時代のミノルタ一眼レフマウントは、1958年発売のミノルタSR-2に採用されたバヨネットマウントが、そのまま少し変更を加えつつ、85年に発売したα7000でマウントを変更するまで続きました。
 マイナーチェンジの過程で、俗にSR→MC→MD→New MDと4世代ありますが、物理的互換性はあるんで、マウントアダプターで使う分には大体どれでも同じでしょう。

 50-135mmは、MD世代になってからラインナップされたものなので、70年代末くらいの製品でしょう。New MD版も存在します。
 ズーム倍率は3倍足らずと控えめですが、F3.5通しで全長は変わらない4群ズーム。今時は見かけないズームレンジですが、1980年前後にはニコンもキヤノンもラインナップしてますね。PENTAXは45-125mmがもっと前からあります。オリンパスはないみたい。
 最短撮影距離は1.5mと、今見ると長いけど当時としては普通かな。
 フィルター系55mmで太くはないけど、ズームに依らず長さが一定なので長さはかなりあります。
 重量は500gくらいあって、けっこうずっしり来ます。

使ってみたけどα3000だとちょっと……

 さて、実際に取り付けて使ってみましたが。
 露出に関しては、特に支障はありません。レンズの絞りリングを動かすと実絞りで測光され、シャッターを切ればAEが働きます。

 問題はピント。
 α3000は廉価機なんで、EVFが20万画素しかないです。ピントさっぱりわからん。
 かといって、背面液晶を見ながらMFレンズのピントリングを回すというのも、なんだか気持ち悪い。
 フォーカスピーク表示とか、AFセンサーによるフォーカスエイドとか、そういうアシスト機能もないっぽい。
 唯一できるのは、ファインダー中央部の拡大表示。でも拡大してると構図はわからないし、撮影テンポも悪くなるなあ。

 まあ、α7のような上級モデルだったらMFも扱いやすいかもですが、下っ端のα3000だと、ちょっと実用的な使いこなしは厳しい。
 そうだろうと予想ついてたから、1年半もマウントアダプター買わなかったんですけどね。

おおらかな気持ちで実写

 ま、ピントなんかおおらかでいいんだよ、という精神で撮影していきましょう。

画像2

 近所の公園で、なにやら目立つ形の実をぶらさげた木。シナサワグルミというものだそうで。
 絞りは覚えてないんですが、晴れてたしF8とかF11くらいにしてたと思います。なかなかいい空の青。

画像3

 これはF5.6かな。実は原寸だと結構ピントが怪しい(葉のほうにあってる)んですが、まあそこはおおらかに。
 ボケもまあまあ、このカットでは酷くは見えない。

画像4

 こっちはもう深めに絞ってたと思います。F8かF11か。

 50-135mmって、APS-Cで使うと75-200mmくらいになるから、それがF3.5だと、扱いやすいレンジかつ明るくなるのでなかなかお得。
 ただ最短撮影距離1.5mは、今時の望遠ズームの感覚では全然寄れないと思えちゃうな。

画像5

 これはだいぶ近接撮影。そしてまた頼りない位置にピントがある……。
 全体的にアンダーめに露出が出る感じでしたけど、さすがにこのカットだと-1EV補正。

画像6

 たしか絞り開放。-1EV。
 ピントはしっぽにあると思うけど、なんかずいぶん甘いので、手ブレしたっぽいな。

画像7

 こっちはF5.6くらいと思いますが、むしろ日陰の1/60秒でよくブレなかったな。レンズが結構重いしミラーもないから安定したんかな。

 で、ここまで撮って、全部作例がテレ端だ。
 正直その、最短1.5mの50-135mmでテレ端以外をどう使うか、私にはなかなか難しい気もします。はい。
 直進式4群ズームだから、手前に引くと望遠側になるもんで、操作的にもテレ端の方が扱いやすい感じでした。

海外のレンズテスト

 海外のレンズテストサイトにデータがありましたが、基本的にこのレンズ、テレ端のほうが写りいいみたいですね。
 135mmF3.5のレンズに、おまけでちょっと広角にできる、くらいのつもりで使えばいい結果になりそう。

 口径食が大きいから、開放だとぐるぐるボケが出たり、周辺光量が落ちたりしやすいはず。
 広角だと周辺の解像度が明らかに低下するから、オールドレンズらしい頼りない描写を求めるなら、広角を開放で使えばそうなりますね。
 しかしこれも、フルサイズでは顕著でもAPS-Cならかなり軽減されそうなのと、1.5mまでしか寄れない50mmレンズが適した被写体ってあんまりないので、酷い描写を見る機会を作りにくいかも……


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?