CCDで撮ろう (PENTAX K-m)
PENTAXのカメラの中でも、ちょっと気になってたK-m。
こんな12年も前のカメラを今更何が気になるかって、PENTAXのデジタル一眼レフで最後にCCDイメージセンサーを採用したモデルなんです。
今、デジタルカメラには一眼からスマホカメラまで、ほとんどCMOSイメージセンサーが使われるようになり、CCDは過去のものになりました。
しかし、CCDにもなんというか、「CCDっぽい色合い」みたいなのがあったんですよね。言葉に表しづらいんですが、どことなく爽やかな感じといいますか。
で、久々にCCDで撮りたいな、でもあんまり古い機種よりはできるだけ新しいのがいいな……と、何か出物があればと思ってたら、ヤフオクで破格のを見つけたのがK-mでした。
早速撮ってみた
この3枚は、CCDセンサーのK-m、レンズはsmc PENTAX-DA 40mmF2.8 XS、AWB、シャドー補正オフ、カスタムイメージ鮮やかという、大体カメラの標準設定そのままって感じの画像です。
私の感覚だと、CCDセンサーは空と緑に独特の透明感が出るような気がするんですよね。
カメラの設定は彩度が高めで、キツめなくらいに色は乗ってるんですけど、それでもどこか透き通ったような、さらっとした感じがあるの。
ぜんぜん厳密な比較じゃないけど参考に、CMOSセンサーのK-70で、smc PENTAX-DA 21mmF3.2 Limited、カスタムイメージ鮮やかで撮ったのがこれ。
正直まあ、より正しい感じがする色が出てるのはK-70の方とは思います。空も緑も自然に思える鮮やかさになってます。
でもK-70のCMOSイメージセンサーが出すねっとりした色に比べると、K-mのCCDセンサーの空や緑の色には、やっぱり独特の軽やかな感じがある、ような気がする。
20年デジカメ使ってきた私がK-mで撮った写真を見ると、「懐かしい」と思っちゃうんですよ。昔のデジカメってこういう写りだった。
やっぱりCCDセンサーだとあまりダイナミックレンジは広くないかな、黒いところが特に潰れやすいな……という印象はありましたが、RAW現像で露出やコントラストを調整してみると、シャドー部もけっこう残ってました。
ハイライトもRAW現像で少し救えます。少ししか救えない。
PENTAXは、シャドーは救えるけどハイライトは飛ぶ傾向が今でもありますが、CCDの時代だと一層顕著っぽい。
CCDの弱点、日没後はやっぱり苦しい。感度ノイズもISO800が実用ギリギリ、色も紫かぶりしてます。
CCDの画像が映えるのは、やっぱり昼間。
それも真夏の、CMOSセンサーだと色がどぎつく出過ぎて暑苦しくなるような快晴の日こそ、CCDセンサーのカメラが映えそうです。
いやー、期待通り。
今年の夏は、できるだけこのK-mで撮ってみようかな。
ちょうど晴れた日が続くので、もうちょい試写。これはsmc PENTAX-FAマクロ 50mmF2.8で。
K-mのカスタムイメージ「鮮やか」は、ちょっと彩度が高すぎて気になるので、ナチュラルのほうが扱いやすい感じでした。
ファインシャープネスも、K-01やK-70だとグっと解像感が上がる感じになるので常用してたんですが、K-mだとどうもやりすぎな感じになっちゃう。画素数少ないからかなあ。
通常のシャープネス設定でも、花びらに映えてる産毛みたいなのもしっかり見えます。キレのいいマクロには、ファインシャープネスのやりすぎが強く出るかもなあ。
こんな派手派手現像も楽しい。ちょっともはやK-mのCCDならではの画像じゃなくなってきますが。
各社のCCDセンサー採用機
「CCDを使ってみたい!」と思う方のために、各社のCCD採用モデルをざっと調べてみました。
コンパクトデジカメはきりがないので略。
ミラーレス一眼は全部CMOSで、CCDセンサーのモデルはありません。
なので、以下はデジタル一眼レフのみ調べています。
キヤノンは早い段階でCMOSセンサーに移行していて、CCDは今使うのは苦しい黎明期のものだけです。EOS Kiss DigitalでもCMOS。
SIGMA、PanasonicもすべてCMOSです。
フルサイズはほとんどCMOSで、CCDはコンタックスN Digitalだけだと思います。ほとんど稼働機は現存しないんじゃないかな……
中判・大判は私がわからんのでパス。ライカS-Eが3750万画素の中判CCDセンサーを使ってますが、買えさえすれば強いCCD機です。
よって、以下はAPS-Cサイズ(オリンパスのみフォーサーズ)です。
ペンタックスは、1000万画素CCDがK-m・K200D・K10D。
*istシリーズとK100D・同Superは600万画素。
コニカミノルタから出たα-7 Digital、αSweet Digitalはともに600万画素CCDです。
ソニーは、唯一1400万画素CCDのα350 / 380があります。
α100 / 200 / 300 / 230 / 330はいずれも1000万画素CCD。
ニコンは、最終CCDモデルはD3000。
D100 / D70 / D70s / D50 / D40 が600万画素。
D200 / D80 / D40x / D60 / D3000 が1000万画素。
もっと前にもD1シリーズでCCDを使ってますが、今となっては運用困難でしょう。
オリンパスは、E-1が500万画素、E-300 / 500が800万画素。
いずれもKodak製センサーで、空の青に「コダックブルー」と名付けられた独特の写りがあるといわれてました。
富士フイルムも、ミラーレス以前にニコンFマウントの一眼レフを出していて、APS-CのスーパーCCDハニカムセンサーを使ってました。
FinePix S1 Proが340万画素スーパーCCDハニカム。
FinePix S2 Proが600万画素スーパーCCDハニカムIII。
FinePix S3 Proが1200万画素スーパーCCDハニカムSRII。
FinePix S5 Proが1200万画素スーパーCCDハニカムSR Pro。
他にも何かあるかもしれませんが、一応めぼしいところは以上です。
現在ペンタックスかニコンの一眼レフを使っていれば、古いボディを買ってくればレンズはそのまま使えますね。
ソニーAマウント機や、オリンパスのフォーサーズ機は、規格として終了してるので、レンズごと買っても大した値段じゃないと思います。