2倍テレコンは超望遠の夢を見るか?(RMC Tokina DOUBLER + TAKUMAR 200mmF3.5)
超望遠というのはやはり一眼レフユーザーの夢というものですが、しかし値段がものすごいというのも常です。
PENTAXのラインナップにあっても、HD PENTAX-DA 560mmF5.6ED AWは最高峰に君臨しているもので、価格もリコーストア価格で60万円。
そんなに出せない私は、2000円で売ってたRMC Tokina DOUBLERを買ってきてみました。
2倍のリアテレコンですね。使うレンズの焦点距離が2倍になる。
その代わり、F値も2倍になる。シャッター速度は4倍にせにゃいけません。
F値2倍、という制限に立ち向かうには、できるだけ明るいレンズを使うしかないので、うちで一番明るい望遠レンズ、TAKUMAR 200mmF3.5を持ち出してみました。1960年頃の古いレンズなんですけど、これしかないもんしゃあない。
2倍テレコンを噛ますと、400mmF7になる計算ですね。
では早速実写へ、天王寺動物園まで。
実写
200mmが倍になって400mm、さらにAPS-CのPENTAX K-70で使うので、ライカ判換算600mmの超望遠となるわけですが、これだけ長いとかなり遠くのキリンがこんなにアップに。
今回はテレコンネタなので、写真のトリミングはなし。
しかし元がオールドレンズなので、逆光でコントラスト落ちたとか、コーティング弱くて色が浅いとかはあったので、それは現像時に調整。
画質はかなり苦しい。かなり解像度落ちちゃってますね……。
元レンズ単体なら絞りをF5.6にすればある程度シャープになるんですが、テレコンを通るとF11相当まで暗くなる。使いづらい。
曇り空だった上に、猛禽舎は日陰で薄暗いから、このカットは絞り開放。うーん甘い。noteにアップされるサイズでさえ甘いのがわかるかも。
オジロワシのいる猛禽舎は、200mmレンズだと大体全身像を撮るのに丁度いい感じですが、テレコンで400mmになってたら顔アップまでいけたりも。
寝てるホンドタヌキ。
ちなみにテレコンを噛ましても最短撮影距離は変わらないので、撮影倍率は上がります。タクマー200mmF3.5は最短が2.5mもあるので、最短かわらないのはありがたいところ。
ずっと仲良さそうにしてたフンボルトペンギン2羽。
暗いところ以外はレンズの絞りをF5.6にして、F11相当で撮影してましたけど、それでも焦点距離が400mmとなるとピントはシビア。
暗すぎてフォーカスエイドもあてにならないので、とにかくピントを微調整しながら何枚も撮るしかないですね。
カリフォルニアアシカの寝顔。かわいらしい。
最短撮影距離でムクゲの花。
テレコン使用感など
60年くらい前のオールドレンズに、多分40年くらい前のテレコン(PENTAX用で電子接点がないので、70年代仕様っぽい)という、なかなか時代錯誤な機材での撮影でした。
ボディはPENTAX K-70だから、これでもバッチリ手ブレ補正が効くし、ファインダーも明るくて視野率100%と、まだしも扱いやすいんですけどもね。
K-70だと、MFのオールドレンズでも結構精度良くフォーカスエイド(ピントが合った時にスーパーインポーズと音で知らせるやつ)が働くんですが、今回のテレコン+オールド超望遠という取り合わせだと、ちょっと使い物にならない精度でした。
超望遠で被写界深度浅くなるのに、F値が暗くなりすぎて精度が出せない感じかな。信じられるのは自分の肉眼……。
テレコンによる画質の低下は、多分レンズとの相性もありそう。
今回のタクマー200mmF3.5に対しては、テレコンのせいで悪化して感じたのは解像力くらいだったな。これは単に、2倍に拡大されるから解像力の甘さも2倍にされてるせいなのかな。
周辺光量落ちは、テレコン経由だと元レンズの端っこは使わない形になると思うので、かえって解消される気がする。周辺にいくほど悪くなるタイプの収差は収まる……のかな?
ボケ味が悪化するような場合もあるらしいけど、今回の組み合わせだとそれほどではなかったかな。
廉価に大望遠がほしいからテレコンを持ち出すわけですけど、廉価な望遠レンズだとF値が暗くて、テレコンで更にF値2倍されると苦しくなる……というのは、なんともジレンマな感じ。
50mmF2とかを、100mmF4の中望遠にするくらいの使い方が実用性あるかもしれないな。50mmと105mmを2本持つよりもだいぶ荷物が減りそうで。(でも今となってはそんなんズーム一本持ったほうが早い……)