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PENTAX 17とNew SEAGULL 100の75枚くらい (2) 大和郡山にて

 もともとお城巡りが好きなので、大和郡山はもちろん来たことがあった。
 でも城にしか行ってない街で、街の方は歩いてなかった。

 洞泉寺遊郭はGRで撮ってたので先に出てました。

柳町商店街

 大和郡山は、かつては豊臣秀長が治める大和国の中心地だった時代もあるんですが、今は鉄道網に対してちょっと不便な位置になっちゃった感じ。
 今は流石に賑わいは弱まった感じが否めない。
 賑やかなのはイオンモールになっちゃってるっていう、まあ郊外のよくあるパターンの街というか。

 しかし、街に活気があった昭和の時代に、その当時には格好よく建てた感じのこういう建物を見てると、昭和生にはなんとも落ち着く。

 かつて郡山から南の五條方面へと向かう下街道だった通りに沿って、柳町商店街が形成されている。

 顔わかるんじゃないかと不安に思える写り込みっぷり。
 柳町商店街で、いくつかの商店がショーウィンドウに、郡山特産の金魚を見られるように置いてある。
 そりゃファインダーでも反射してるのはある程度わかるけど、実際撮ったら思ったより激しい。

 失敗写真にも程があるが、しかしデジタルでEVFを見ながらこうなってるとわかってたら、シャッター切らない。レフファインダーでも見えてるものを信用しちゃって、やっぱりシャッター切らない気がする。

 奈良は別に重伝建とかに指定されてなくてもぽろっと現れるねえ。

 商店街の南端にこの味わい深いゲート。

 いやこれは露出をプラスにすべきでは、とやり直したやつ。どっちでもよかったな……。

郡山八幡神社

 ゲートすぐ西に神社があって、その横に蔵っぽい建物の側面。

 ちょっと想定より広く写っちゃってた感があるフレーミング。ファインダーでどう見えてたかな。覚えてないや。

 多分これフラッシュ光らせてるかな。
 意外とゾーンフォーカスでも大体合うなあ。近接は外しまくると思ってたのに。

 不思議なことに野球グローブが奉納されている。はて?
 どうもこの郡山八幡神社は「グラブ神社」と呼ばれて、野球上達の祈祷をやってくれる神社であるそう。奈良が野球グローブ生産量では日本一らしくて。

 社殿がグローブ型だったりはしない。そりゃそうか。

 バットとグロー……いや笊。

 これはBOKEHを使ってみたくて。ちょっとボケ足りないな。

 ふたたびBOKEH。これはちょい前ピンだった。切り株の割れ目に合わせたかったんだろうと思う。

 小さなガソリンスタンドの跡地を洒落たコーヒー屋にしているお店があった。実にいいセンス。
 近くに独立系書店「とほん」もあって、柳町商店街は南端から文化的になりつつあるのか。

洞泉寺町・源九郎稲荷

 大和郡山城は総構えの城で、東側に一部まだ外堀が残っている部分があるので、今は公園として整備されている。
 門は……なんだろう? それっぽい形ではあるが。

 ちょっと寄りすぎて失敗してるけど、洞泉寺町の南東隅にあった、おそらく妓楼らしい建物。
 妓楼は、2020年時点で7棟あったのを3棟解体、2023年にもう1棟解体され、残り3棟。ひとつは川本楼で、ここに2棟連なってるのだけみたい。

 洞泉寺町の名前そのものの洞泉寺は現存するけど、ふらっと立ち寄れる観光寺院ではなかった。
 隣の源九郎稲荷神社は立ち寄れる。

 倉庫らしい建物のドアがいい。

 つられていた風鈴を、木陰を背景にフラッシュで浮かび上がらせる。ちょっとテクニック効いてるね。

 手水は華やかにビー玉で飾られていたのだが、モノクロじゃわからないよ。たしかフラッシュで光らせようと企てはしたっぽいが。テクニック効いてないね。

 源義経に懐いていた白狐がいて、頼朝に攻められて吉野に逃げる時に、白狐が佐藤忠信に化けて戦い、静御前を守り通した。それで義経と同じ源九郎の名前をもらってここに祀られた。
 それから、淵に現れて村人を苦しめていた大蛇を源九郎稲荷が退治したときは、その大蛇の尻尾から宝剣が出てきて、小狐丸と名付けられて石上神宮に奉納されている。

 川本楼(現・町家物語館)にやってきた。

 中は先述の記事にて。いいところだった。

 別アングルから。二階の窓はまるで中が見えない細い格子だけど、三階はちょっと荒い。

郡山市街

 これは駅近くの方まで戻ってきて、わりと有名な土産物屋「こちくや」のある、道の真ん中に水路がある通り。
 なぜかピントミス。別に直前に近接撮影したとかもないのに……。

 ぼろい壁のテクスチャがよかったので。

 十字の鋼線、歪んで太い影、細くて自由な針金。

 これは町の北の方、消防団の火の見櫓。
 江戸時代1680年に大火があって、防火対策として郡山の四箇所に建てられた。しかしまあ、別に当時から現存しているものではなく、シンボルとして建てたものっぽいかな。

 火の見櫓向かいのハイカラなお医者さんの建物。

 現地でもらった散策マップを見ながら、ところどころに残存している町家を見る。

 いい路地。

 つし二階の窓片方に格子をかけてアシンメトリーに。

 おや、厨子二階の窓が端っこにひとつだけだ。

 臨済宗の妙心寺の末寺で、郡山藩初代の本多政勝が菩提寺としたそう。

外堀公園・薬園八幡神社

 我ながらどう歩いたんだか不思議だけれど、先に門だけ見ていた外堀の公園に来た。まあこの堀は当時の姿には見えないが。

 切り株から生えるのは、しぶとく生き延びて伸ばした芽なのか、別の植物なのか。接ぎ木だったりするのかな。

 こ、これは奥の苔に注目したのであって、手前の薬剤が塗られた切り口は狙ってボカしたぞ。

 外堀緑地を歩いていくと、県道144号との交点近くに薬園八幡神社という古い神社がある。

 これどうもピントがはっきりしないのだけど、PENTAX 17は実はゾーンフォーカスの合焦範囲に隙間がある。
 マクロが0.24~0.26m、テーブルフォトが0.47~0.54m、至近距離(バストアップのマーク)が1.0~1.4m。
 多分これ人の頭よりやや大きい程度の灯籠だったから、テーブルフォトじゃ遠くて至近距離じゃ近い範囲だったんだろうなあ。

 で、薬園八幡神社では、急にシャッターボタンを押してもLEDが激しく点滅してレリーズしないPENTAX 17に困惑し、こりゃ電池切れかなあ、と思ってしまい込んだのでした。
 巻き上げ忘れてただけだよ……。


 しかし、フィルムでやるならモノクロいいなあ。
 デジタルのモノクロはちょっと整いすぎてる感じもしちゃうし。デジタルでバキバキに硬調にしたらそれだけでカッコよさげになりやすい、それが安易に思えてGRIIIでモノクロ撮っても軟調しか使わないとかこだわってもいるけど、なに、フィルムのほうがいい。
 まあデジタルで撮影してデータで取得してるんだけれど、アナログが相手だから、デジタルの操作が一定でもちょっと結果がブレてる。
 明らかなのは色ね。ほぼグレーになったり、かなりマゼンタっぽくなったりしてる。そりゃ最後にグレースケールにすりゃ揃うけど、ここはあえて揃えない。多分フィルムが違えばベース色が変わって転ぶ色も変わりそう。

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