帰省する娘に花束を
7月に、1年ぶりに大学生の長女が帰省した時の話です。
バスタ新宿から高速バスで帰ってくる娘を迎えに行くために、私は旦那と一緒に車で出かける準備をしていました。
ふとテーブルに目をやると、あれ?なんか花束が置いてある。
「その花束、どうするの?」
「Rが帰ってくるから、渡すんだよ!」と答える旦那。
ちなみに、旦那はイラン人。
え!?
帰省する娘に花束渡すの?
なんで?、、、って思った私は、「帰省するくらいで花束渡すの、何だかおかしいよ。普通はあげないよ」と言いました。
「おかしいの?」
「でも、1年ぶりに会えるんだから、あげたい!!」
旦那は、何が何でも娘に花束をあげるというので、車の中に持っていくことになりました。
さて、高速バス乗り場の到着口へ迎えに行った旦那を、私はエンジンをかけたままの車の中で待機していました。
そしたら、やっぱり!
全ての荷物を旦那が持ってあげている。
娘は自分で持てるのに、持ってあげたいんだろうなぁ。
車の中に乗り込んできた長女に、用意してきた花束を渡す旦那。
娘は「ありがとう!」と言って、嬉しそうに受け取っている。
しかも、あまり驚いた様子がない。
私は、今回の花束について、娘に話してみた。
「ババ(ペルシャ語でお父さんと言う意味)が、どうしてもRに花束あげるっていうから持ってきたんだけどさぁ、普通は帰省するだけで花束なんてあげないよね!」
すると、娘からは意外な返事が。
「え!?私は絶対にババから花束もらうって思ってたよ!」
「ええ!!!なんで?」
「だって、ババは私が帰省するたびに、花をくれるから」
何と!じゃあ、今回だけではないという事?
私が忘れているだけ?
毎回、渡していたかな?
娘が言うには、毎回帰省するたびに、例えば自宅の庭に咲いているバラの花を一凛くれたり、時には今日のように市販の花束をくれたりしていたらしい。
「だから、帰省する前にちょうど友達とも話していたんだよ。家に帰ったら、ババが今回は100本くらいバラの花束をくれるかもって!!」
冗談交じりに笑いながらいう娘は、何だかとっても嬉しそう。
そう言えば、思い返してみるとそうだったかも知れない。
旦那は、常日頃から庭に咲いている花を摘んで来ては飾っている。
私も花は好きだから、よく飾る。
でも、旦那みたいに娘にあげたことはなかったなあと思う。
考えてみると、私の誕生にも毎回花束をくれる旦那。
あまりにも普通になってしまっていた為に、大事なことを忘れてしまっていた気がする。
「帰省するだけで、普通は花束なんてあげないよ」と言ってしまったけれど、そもそも「花束をあげる」ことは、旦那にとっては「普通」のことなのだ。
「普通」に対する考え方が狭くなってきている自分に、ハッと気づかされる日だったと思います。
どんな時でも、花は人を笑顔にするし、もらったらやっぱり嬉しい!!
きっとこれからも、旦那は何かある度に「花束」を渡すのだろう。