Mai.の大学・大学院生活を振り返る(大学3・4年生編)
Mai.です。この記事は前の記事の続きです。ということでこの記事では私の大学3・4年生生活を振り返ります。
大学3年生
大学3年生ではいよいよ数学が専門的になり、Galois理論やHomology代数、Lubesgue積分などを習います。特に代数は苦手でその分野の勉強には苦戦しました。どうしても抽象的なものの扱いがわからなかったのです。
この時期は一番数学を楽しんでやっていました。大学生活には慣れてきて楽に講義も受けられる、そして研究をするわけでもなくという感じでかなり気ままに数学を楽しんでいました。
3年生の後期では研究室の説明などがあり、自分がどの研究室に行きたいのか決めなければなりません。今思えばここも1つの人生のターニングポイントだったのかもしれません。
先程も言った通り私は代数が苦手です。どちらかというと複素解析や数論を好んで勉強していました。なので研究室に訪問するときは複素解析と数論が関係しているような研究ができたらいいなぁってぼんやり思いながら色々と探していました。すると見つけるわけですよね。
素数定理
という定理を。これは驚きでした。私が好きな素数に関することを複素解析の知識で証明するという私にはおあつらえ向きな数学でした。ここで研究室を決定しその研究室に配属されることになりました(この研究室の教授が解析数論と全く関係のない分野の専門家と知るのはまだ先の話)。また、この素数定理を見てその式の簡潔さや奥深さを感じ、大学院の進学を決意しました。
大学4年生
いよいよ最終学年になり、授業の数もかなり減ってきました。周りの学生は就職活動に真剣に取り組んでいるという中で私はひたすらに数学をしていました。ゼミも本格的に始まりました。ゼミ生は全員で3人という小規模なものでした。各学生がそれぞれ別の分野に興味をもっていたので、1人1テーマでゼミが進んでいきました。各々が本を読み発表していくのです。
ゼミではまず、大雑把な目標を決めて、それに向けて本を読み進めていくというものでした。私の目標はもちろん複素解析の手法で素数定理を証明することです。しかしここで発表の準備をするのですが、全くと言って良いほどページが進みませんでした。このときに深く知ることになるんですよね、いかに自分が数学に対する知識がないのかということを。
本当に絶望しました。また、ちょうどその時期に大学院入試(内部進学なので面接のみでよかった)もあり、面接でボロボロになるまで詰められた(面接官はそんなつもりはないのだろうが)ので私のメンタルは病みに病みました。
4年生の夏休みでは数学を猛勉強しようと超幾何関数、多重ゼータ値などを勉強していきましたが、やはりメンタルがかなり滅入ってたということもありどれも中途半端に終わってしまいました。
4年生後期になると、大学院に向けて個別で指導されました(これは私の研究室のみの話で他の大学研究室ではたぶんないです)。かなり理不尽なほどに詰められそこでもさらにメンタルを追い詰められました(あとで聞いた話によると当時はあえて理不尽に当たって大学院に向けて気持ち的な準備をさせているそうです笑)。眠れなくなるような日もあったことを覚えています。
12月になると卒業論文を書き始めます。そう、私が在学していた数学科では全員卒業論文を書くのです。もちろん4年間しか数学を勉強してきておらず、知識も薄いものしかないので新しい発見というものはほとんどありません。ただ単に読んだ本を自分の言葉でまとめるといった感じでしょうか。それでも自分の言葉で本をまとめ論文としてアウトプットするのはかなりの価値があると個人的には思っています。
論文で使う言葉遣いなどは非常に慣れが必要で、何度も書き直しをさせられました。そうして2月の上旬に提出して学部生は終わりになります。
私は大学院に進学したので、卒業論文が終わっても2,3月で週に1回ゼミを行っていました。卒業論文で行った素数定理を拡張した定理であるLandauの定理の別証明の細部を完成させることを目標にゼミを行いました。この時点で別証明は他の文献で見たことがなかったのでおそらく新しい証明方法の発見だと思っているが…。
学部のときに既存の定理の別証明を発見できたことは私自身の研究生活に対してかなり大きな自信へと繋がりました。学部時代に研究という研究ができていなければ修士時代の研究も適当なもので終わっていたと思います。
学部3・4年生のまとめ
これで大学生活を学業中心に振り返りました。今思えばどの事柄も今の私を形成するのに必要なものだったのだと感じます。数学にハマって周りがほとんど見えていなかったことも、4年生のゼミで厳しく指導されて病んでいたこともすべてが今に繋がっていると考えると感慨深いものです。
この2年間は数学の楽しさと苦しさを同時に体験した期間でした。
気ままに好きな数学を学ぶ楽しさ。
自分の数学力のなさを痛感する苦しさ。
どちらも修士で研究成果を出すには必須となることだと今になって思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。次の記事で最後の振り返りになります。最後は大学院生活について振り返って、学生時代の振り返りを終わりにしたいと思います。
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