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偕楽園の巡り方あれこれ

よくいわれる"陰から陽へ"
好文亭表門から入り、一の木戸から竹林、大杉林、好文亭中門から芝前門を抜けて陽の世界へ出るのが偕楽園の巡り方…とよくいわれています。
幽邃の趣に富んだ世界から開放的な明るい世界へと、陰陽の妙味を味わうことができます。

偕楽園開園(1842年)から9年後、亘遷幽(わたりせんゆう)により描かれた好文亭四季模様之図を見ると、
好文亭表門の先、『一の木戸』付近右側(現在の杉林)は梅林(下図⭕️)であることから、開園当初から陰陽の思想があったのかどうか…。

さておき
今は梅のシーズン!この時期ならではの偕楽園の巡り方の一例です。
まず偕楽園本園内に入るのは、
①東門から
②好文亭表門から
どちらからでもオッケー。

①偕楽園東門
②好文亭表門

現在は使用されていない御成門に向かいます。
①東門から入ればすぐの園路を右に曲がり北奥に進むとトイレが見えてきます。
②好文亭表門から入れば、すぐ左へ。10メートルほど進みさらに左へ(梅林の中へ)。左の園路を進んでいくと五叉路になり、その五叉路をまた左に進みます。
途中の左に六名木の『白難波』があります。するとトイレが見えてきます。

どちらもキーワードは"トイレを目指す"です。
この辺りに辿り着けば、閉まっている『御成門』が目に入ります。
御成門を背にすると、南にまっすぐ伸びる園路があり2本あります。
2本のうち、右側の園路(偕楽園の案内板が立てられている側)をまっすぐに進んでいくコースです。
この地点には『満月』という梅の樹があります。

右に『満月』
この園路を直進

ちなみに、御成門を背にして左側の園路地点にも『満月』があります。

写真左が御成門

『満月』は一重の白い丸弁が端正に重なり、花冠が丸く見えるのでこの名がついたとか。
なぜこの場所に『満月』が2本あるかのか。
御成門の解説には『1890年(明治23年)10月 昭憲皇太后行啓、その際、御成門を造り、園路を開く』とあります。
つまり、御成門から好文亭へと向かうための最初の地点は白く丸い月のような美しい梅でお迎えし、園路を進むにつれ、薄紅や紅梅といった鮮やかな梅をご覧になって好文亭に向かわれたのではないかとも想像できます。
この2本の『満月』は、かなりの老木(鉄幹)です。梅の寿命は100年以上、200年〜300年?ともいわれるそうで、135年前(1890年)にすでにこの場所にあった梅ではないかと思われます。

推測ですが、園路は昭和20年の空襲前と後では変わった可能性もあり、現在の園路が当時のままか?といえば、多少は異なるかもしれません。
偕楽園の梅林の中でもとりわけこの園路から見る梅は見応えのある樹が多いように思います。
以下写真。

偕楽園に行かれた際には歩いてみてはいかがでしょう(^^)

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