「求婚ゲーム」:週刊少年マガジン原作大賞 企画書部門 応募作品
【キャッチコピー】
一生遊んで暮らせる莫大な財産と絶世の美女を賭けた求婚者たちの壮絶なゲーム。
【あらすじ】
行き倒れの老女を助けた苦学生の清瀬正直。老女・宝蔵院真冬に気に入られた正直は、彼女の養女・樹里の夫になる者を競うゲームにエントリーする資格を与えられる。全然その気がない正直であったが、成り行きでゲームに参加せざるを得なくなる。
類まれな美貌の持ち主の樹里。得体の知れない弁護士の柊切人。そして、音羽家の財産を狙う5人のライバルたち。
ゲームが進むにつれて正直は、樹里の心に愛が欠けていることに気づく。樹里の母親が人を殺して刑務所から出られないでいることが、彼女の性格に暗い影を落としていることを知ってしまう。正直は、樹里の欠けた心を埋めるためにゲームに勝利することを決意する。
【第1話のストーリー】
清瀬正直は19歳の大学生だが、学費が払えず休学して、復学のための資金を貯めている。
そんな彼は、バイトに向かう途中、公園で倒れている白髪の老女(宝蔵院真冬)に気づき、介抱する。
正直は、真冬に教えられた連絡先に電話し、顧問弁護士の柊切人に迎えに来てもらう。
真冬は親切な正直を気に入り、柊に命じて屋敷に同行する。
柊が運転するベンツから降りて、正直は真冬を抱きかかえて屋敷に入ろうとする。
そこに、真冬の養女・樹里に初めて出会う。正直は樹里の美貌に衝撃を受ける。
真冬を寝室のベッドに寝かしつけた後、正直は自宅に帰ろうとするが、真冬の要望を聞き入れて屋敷に泊まることを承諾する。
樹里の給仕で食事中に、真冬の容態が急変。呼びに来た柊は樹里とともに正直も寝室に連れて行く。
寝室には医師と看護婦のほか、樹里の求婚者の5人の青年がベッドの周りに立っていた。
真冬は正直を呼び寄せて、彼が樹里への求婚ゲームにエントリーすることを要望する。
正直は言下に断る。が、求婚者の一人(近衛薫)に「嘘でもいいから『ハイ分かりました』と言ってあげれば。未練と無念を抱えたまま彼女を死なせたら気の毒じゃないか?」と耳打ちされて、偽りの承諾をしてしまう。
【第2話以降のストーリー】
真冬の死から3か月。
正直の自宅。母と妹と食事中に柊から連絡が来る。
求婚ゲームのエントリーから降りることを直接伝えるべく、正直は宝蔵院家に向かう。
宝蔵院の書斎には樹里と柊のほか5人の求婚者がすでに入室していた。
正直の到着を待って、柊が求婚ゲームの内容を説明する。
すなわち、ゲームに勝利した者は樹里と結婚すると同時に宝蔵院家の莫大な財産を取得すること。ゲームの期間は1年。その間に樹里からの指名を受けた者が勝利の認定を受けること。等々・・・。
説明の途中で、正直がエントリーから降りることを申し出る。真冬を安心させるために、その場限りの承諾をしたというのがその理由だ。
これを聞いた樹里は顔色を変える。
「アナタは、死にゆく者と交わした約束を破るんですか?」と詰問する。
近衛が「あれはボクが彼に助言して言わせたことだから」と取りなそうするが、樹里はおさまらない。
「私は、いま、清瀬様とお話しているんです。アナタと、ではありません」
近衛は沈黙。
正直はエントリーせざるを得ない状況に追い込まれる。
柊の説明は続く。
「候補者は皆さんこの屋敷で共同生活をしていただきます。素行不良な者、性格異常な者は、エントリーから外れていただきます」
正直は手を挙げて質問する。
「共同生活って・・・ここに住むということですか」
「そうだよ」
「あの、ボク、バイトがあるんですけど」
「そっちのほうは辞めてもらわないと。・・・諸君らは宝蔵院家の当主となるかもしれないだから、1年の間にそれなりの教養を身に着けていただくので、遊びはもちろん働く時間もありません」
柊の説明に、正直は愕然とした。