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人間本来の力を引き出す教育と人としての生き方の重要性
不撓不屈ー図書館シリーズno.1ー「経営コンサルタント編」
熊沢 次郎(くまざわ・じろう)
1939年滋賀県に生まれる。69年から経営アドバイザーとして熊沢企画相談所を主宰。自然の法則や日常生活の体験から真理や原理原則を学び、心を中心とした実践体系で多数の企業の経営指導、後継者育成、人材教育、悩みの相談などにあたっている。
熊沢蕃山の遺産と運命の道: 生い立ちから経営アドバイザーへ
熊沢蕃山の子孫としての生い立ち
私は島根県で生まれ、1969年に経営アドバイザーとして活動を始めました。当時、私は30歳でした。3人兄弟の末っ子で、3歳の時に父が病気で他界し、それ以来、母が一人で私たちを育ててくれました。
私の家系は、江戸時代初期の陽明学者、熊沢蕃山の子孫です。維持しなければならない大きな建物があり、母はその維持に大変苦労しました。母は明治生まれの非常に厳格人で、伝統を重んじ、規律や礼儀に厳しく、時間をきちんと守る人でした。このおかげで、家を守ることができたのだと思います。
家にはお堂があり、その前には京都から移された大きな旅館がありました。旅館は祖父が経営していました。私の家は山の中腹にあり、周囲は田んぼや畑に囲まれていました。この環境での生活は、冬には凧揚げや山での栗拾い、夏には川で魚を捕るなど、自然と共にあるものでした。四季折々の自然の恵みを楽しみながら生活していました。
このような生活は、私の心を解放し、新しい世界が広がるような感覚を与えてくれました。自然の中で過ごすことで、心の豊かさを育む貴重な時間を持つことができました。自然の美しさに包まれ、心が穏やかになっていくのを感じました。
また、熊沢蕃山の蕃山文庫には、陽明学の書物が揃っており、特に『易経』が好きでした。『易経』は、自然の動きを描いた中国古典で、私たちが自然の中でどのように生きるべきかを教えてくれます。この読書経験は、私の人生の基盤となりました。
さらに、熊沢蕃山の影響も強く受けました。彼は江戸時代初期の著名な陽明学者で、藩政改革を助けたことで知られています。民政の改善や教育の普及に努め、「学問の神様」とも称される彼の思想は、知行合一を重視しており、私の価値観に深く根付いています。
蕃山文庫と私の学び: 四書五経から得た人生の指針
前述した通り、私の実家には四書五経などの書物があり、それらを読むのが楽しみでした。特に熊沢蕃山の蕃山文庫には多くの貴重な本が揃っていました。四書五経は、儒教の基本的な経典であり、中国古典の中でも特に重要視される書物です。具体的には、『論語』、『孟子』、『大学』、『中庸』の四書と、『詩経』、『書経』、『礼記』、『易経』、『春秋』の五経が含まれています。これらの書物は陽明学の教えを深く理解するための基礎となり、私にとっては知識の宝庫でした。特に『易経』は私のお気に入りであり、自然の動きが描かれた64掛からなる中国古典です。『易経』には自然の摂理や宇宙の法則が詳述されており、私たちが自然の中でどのように生きるべきかを教えてくれます。この教えは、私が人生を理解し、自己を成長させる上で非常に重要な役割を果たしました。
『易経』に描かれている自然の動きや変化は、私にとって生きる上での基本となりました。自然の摂理に従いながら、自分の行動や考え方を見つめ直すことは、日常生活においても大変有益です。例えば、季節の移り変わりや天候の変化など、日々の出来事を通じて自然の法則を理解し、それに順応することの大切さを学びました。これらの教えは、私が困難に直面したときに心の支えとなり、冷静かつ柔軟に対処する力を養う助けとなりました。
このように、蕃山文庫にあった書物は、私の知識を深めるだけでなく、心の豊かさや精神的な成長にも大きな影響を与えました。特に『易経』の教えは、私の人生哲学の中心となり、自分の行動や選択に対する確固たる指針を提供してくれました。この貴重な経験を通じて、私は自分自身を見つめ直し、より良い生き方を追求することができました。
下宿生活で培った自立心と他者への気遣い
高校1年生から私は下宿生活を始めました。この経験は、家を出て自分一人で生活することの重要性を学ぶ貴重な機会となりました。まず、下宿生活を通じて、他人や家族の心を掴むことの大切さを実感しました。家を離れて自立することは、単に自分のためだけでなく、周囲との関係を築くためにも不可欠でした。下宿先では、初めて会う他人の気持ちや考えを汲み取ることが求められます。例えば、玄関を入るとすぐに庭があり、そこで七輪で炭を起こして秋刀魚を焼くことがあるのですが、その煙が母屋に入らないように気を遣う必要がありました。当然ですが、このような経験を通じて、相手の立場に立って考えること、相手を理解し、迷惑をかけないように気を配ることの重要性を学びました。
また、当時は七輪で炭を起こして料理をするなど、日々の生活が非常に大変でしたが、この経験が現在の仕事に非常に役立っています。下宿生活を通じて自立心が養われ、与えられた食糧をどのように管理し、食べていくかを考えることが必要でした。これは今のシェアハウスとは異なり、自分自身で全てを管理しなければならない環境でした。そのため、高校一年生の頃から自律心が自然と身につきました。
特にお金がなくてどうしようかと悩むことも多々ありましたが、限られた予算の中でやりくりしなければなりませんので、創意工夫を凝らして生活する術を学びました。例えば、食材を無駄にせずに使い切る方法や、安価な材料で美味しい食事を作る方法など、日常生活の中で自然と身につけた知恵が現在の仕事にも大いに役立っています。
下宿生活の中で培った相手への気遣いや自立心は、私が経営アドバイザーとしての道を歩む上で重要なスキルとなりました。初めて会う人々との関わりや、相手の立場に立って物事を考える姿勢は、クライアントとの信頼関係を築く上で欠かせない要素です。これらの経験を通じて、自分自身の成長だけでなく、他者への理解と共感を深めることができました。下宿生活では、さまざまな人々と出会い、共に生活する中で、お互いの違いや価値観を理解することの大切さを学びました。この時に得た気づきは、自分自身の成長にとって非常に重要なものでした。毎日の小さな出来事や困難を乗り越える中で、他者への感謝の気持ちが芽生え、物事をポジティブに捉える力がつきました。これらの学びは、私の人生において大きな財産となり、現在の仕事にも深い影響を与えていますし、今後も私の成長を支える礎となると思っています。
花見と田舎の生活から得た人間観察の教訓
私の実家には桜の木が50本もあり、花見の時期には多くの人々が訪れました。この時期になると、親戚や近所の人々だけでなく、遠方からも訪れる人々で賑わい、大人たちが集まって宴を楽しんでいました。私はその中で多くの大人と接する機会がありました。この経験から、人間に対する興味が強くなり、人の道に関心を持つようになりました。
人に興味を持つことは、人間の多様性を理解する第一歩です。人は皆それぞれに違いがあり、それぞれの生き方や考え方が存在します。こうした違いに気づき、興味を持つことは、自分がどう生きていくかを考える上で自然なことです。この興味の根底には、人を好きになることがあります。人を好きになることで、その人の人生に興味を持ち、学びを得ることができます。
幼い頃、私は人見知りで、他人との接触を避けることもありました。しかし、花見のような大勢の大人たちが集まる場で過ごすうちに、人を好きになることの大切さに気づきました。人見知りをしていた時代から、人を好きになっていった変化は非常に大きく、それぞれの人が持つ違いや個性に気づくことができるようになりました。
花見で集まる大人たちを観察することで、人間の多様な表情や行動に対する理解が深まりました。大人たちは普段とは異なる表情や態度を見せることがあり、様々なシチュエーションで人間の多面的な性格を垣間見ることができました。こうした場面に多く接することで、人に対する興味がますます強くなっていきました。
田舎の生活では、軒先に将棋を出して座り、おしゃべりを楽しむといった光景が日常的でした。今の時代には想像もできないかもしれませんが、地域のお年寄りと話す機会が多く、彼らから様々な話を聞くことができました。例えば、こんなことで困っているという話や、昔の知恵を教えてもらうこともありました。これらの話を聞くことで、私は他人の思いや困難を理解し、人間の多様な側面に触れることができました。
具体的には、例えば昔の農作業の苦労話やさまざまな経験談などを聞くことで、彼らがどのような困難を乗り越えてきたのか、またその際にどのような知恵や工夫を凝らしてきたのかを学びました。これらの話を通じて、私は困難に立ち向かう強さや、日常生活における創意工夫の大切さを理解しました。
人は皆、現在を生きている一方で、過去に何万年も積み重ねてきた知恵や経験を心の中に持っています。それらがふとした瞬間に表れることがあり、それはまさに直感や知恵の現れだと感じます。例えば、何気ない日常の中でのふとした会話や行動の中に、過去の経験が反映されることがあります。こうした経験を通じて、私は人間観察の大切さと、他人を理解するための洞察力を養うことができました。
これらの経験から、私は「この人はこうした方がいい」という直感を育むことができました。この直感は、私が経営アドバイザーとしての仕事をする上で非常に役立っています。クライアントとの関わりや、問題解決においても、相手の立場や背景を理解し、最適なアドバイスを提供するための基盤となっています。
このように、花見や田舎の生活から得た経験は、私の人間理解の基盤となりました。人の個性や違いに気づくことができる人とそうでない人では、感じ方に大きな違いがあります。私は、幼い頃からの経験を通じて、人々の多様性を理解し、他者との関係を築く力を養うことができました。これからも、人に対する興味や理解を深め、他者との関係を大切にしていきたいと思います。
熊沢蕃山の遺産と陽明学の影響
熊沢蕃山の子孫として、私の人生には陽明学の影響が深く刻まれています。陽明学は人間の学問とも言われ、その教えが私の中に遺伝子のように流れていると感じます。私の家庭環境も、私の考え方に大きな影響を与えました。
陽明学は、中国の明代の思想家、王陽明(王守仁)によって提唱された儒教の一派です。陽明学の核心は「知行合一」という理念にあります。これは、知識と行動が一体であるべきという考え方です。つまり、真に理解したことは必ず行動に現れるとされ、学問や知識を単なる理論にとどめず、実践に移すことが重要とされます。
この思想は、人間の内面の良知を重視し、人が本来持っている善悪を判断する能力(良知)を磨き、その良知に基づいて行動することが重要だと説きます。このような教えが、私の中に流れる遺伝子のように感じられる理由は、熊沢蕃山自身が陽明学の実践者であり、その教えを通じて私の家系にも深く根付いているからです。
私の家庭環境は、熊沢蕃山の第11代目としての意識がありました。私は長男ではなかったので責任というほどのものはありませんでしたが、やはり知らず知らずその偉大さと子孫であるという事実は私の人生に影響を与えています。
熊沢蕃山は江戸時代初期の陽明学者で、池田光政公の下で藩政改革を支えた人物です。彼は現代で言うコンサルタントのような役割を果たし、その影響力は非常に大きかったのです。私は子供の頃から、彼の偉大な業績や思想に触れる機会が多くありました。学校では熊沢蕃山について発表しなければならないこともあり、その時に彼の生涯や思想を深く学びました。
また、私が生まれ育った環境で、熊沢蕃山の影響は非常に強く感じられました。家庭内で自然に蕃山の教えが語られ、近江蕃山会という集まりでは、彼の功績や思想について多くの話を聞くことができました。このような環境が、私の人格形成や考え方に大きな影響を与えました。もし私がこの家に生まれていなかったら、現在の仕事にはついていなかったかもしれません。
また、熊沢蕃山の偉大さを知っていることで、岡山に行った際には多くの方々に案内してもらい、多くのことを学びました。岡山での学びは、蕃山についての理解を深める素晴らしい機会でした。例えば、蕃山が現代で言う塾のような場を設けて、多くの人々を集めて勉強させていたことなど、先祖の活躍を身近に感じることができました。岡山には「蕃山」と書いて「しげやま」と読む「蕃山通り」などもあり、この土地での蕃山の影響力の大きさに感銘を受けました。
歴史の重みと責任についても強く感じました。歴史は後世まで引き継がれていくものであり、その中で正しいか間違っているかは重要な問題です。偉大な先祖を持つ反面、もし歴史に誤りがあった場合、それを正す責任が自分にあるのではないかというプレッシャーも感じました。
熊沢蕃山の生き方には、多くの教訓が含まれています。彼は、何かを学びたいと思ったら、その先生のもとに通い詰め、許可を得るまで三日三晩飲まず食わずで玄関先で待ち続けるという強い信念を持っていました。このエピソードから、やりたいことに対して信念を貫く姿勢を学びました私自身10代の頃から、人が人として生きる意味や人間の運命について深く考えることが好きでした。その疑問は常に心に残っており、20代の頃には友人たちと昼間からお酒を飲みながら熱く語り合ったこともあります。これらの経験が、私の学びを深め、人として成長する糧となりました。
こうして得た経験や学びが、私の経営アドバイザーとしての基盤となり、現在に至っています。
影響を受けた書物と「なぜ生きるのか」の問い
私の人生において大きな影響を与えたのは、「なぜ生きるのか」という根本的な問いに対する答えを見つけたことです。これを見つける上で中心となったのは、以下の本々です。
まず「人間釈迦全四巻」仏教の基本教義や釈迦の教えが現代にどのように適用できるかを詳しく解説しています。このシリーズは、私にとって仏教の教えを深く理解する助けとなりました。
次に「心の原点」これは松下幸之助の人生観や経営哲学を通じて、心の持ち方や人間としての在り方について深く考えさせられる本です。この本を通じて、心の持ち方の重要性を学びました。
最後は「心眼を開く」日本の哲学者であり、心理療法や積極思考を広めた人物として知られる中村天風の著書です。心眼を開くことの重要性や、積極的な思考法を学びました。
これら以外にも本当にたくさんの本を読みました。そこには私が幼い頃から抱いてきた「なぜ人は生きるのか」という問いに対する答えがありました。そして「なぜ生きるのか」という問いに対する私なりの答えは、「エネルギー不滅の法則」に行き付きます。科学で証明されているように、エネルギーは不滅であり、何度も生まれ変わることで循環しています。宗教ではこれを霊魂不滅の法則として知られています。我々の生命エネルギーは不滅であり、これが「なぜ生きるのか」という問いへの一つの答えです。
私は10歳くらいから人間がなぜ生きているのかを考え続けてきました。そこには学び方があり、人間の正しい生き方がありました。すべては自分の責任であり、生まれた時からすべて約束して生まれてきているのです。過去の記憶は想念帯に現れ、それを引き出すためには自分の良かったこと、悪かったことを反省することが重要です。これが直感につながります。この直感こそ私の経営アドバイザーとしての真髄です。
私たちの心には、コンピュータのような記憶装置、想念体があり、思ったことややったこと、夢見たことがすべて記録されています。それが何万年も続いているのです。このことを学び、私は非常に納得しました。
生きる意味は、元の綺麗な心に戻ることです。今生きている間に、綺麗な心に戻るための準備をすることが求められます。この世はお風呂場のようなもので、魂の垢を落とす場所です。
人間には、本来の自分、自分が考えている自分、他人が見ている自分の三つの映像があります。本来の自分を引き出すために何度も生まれ変わり、楽しく幸福な世の中を作ることが目的です。
目標追求と人生の目的
私は高い目標を持ち、そのために自分の本来の姿を引き出すことを目指しています。しかし、それは非常に険しい道です。自分本来の姿を引き出すということは、自分の心を深く追求するということに他なりません。すると、自分の使命としてやらねばならないことが見えてきます。それが高い目標とつながっているのです。
人それぞれに理想や目標がありますが、それを他人に押し付けることは良くないと考えています。大切なのは、その人に合った目標や理想を見つけ、それを実行することです。一人ひとりの個性や特性に応じた目標設定が、自己実現への道を開きます。
また、それと同時に人にはそれぞれ役割もあります。その役割を探すために仕事を転々としたり、友達を変えたりすることもあります。すべては、自分が何のためにこの世に生まれ、何を成すのかを見つけるための過程です。私自身も多くの経験を通じて、自分の役割を見つける努力を続けています。
私の人生観は、すべてが繋がっており、学びと実践を通じて成長し続けることが重要だと考えています。過去の経験や学びは、現在の自分を形成する重要な要素です。どんな経験も無駄にはならず、それぞれが未来への糧となります。
人の良いところを見つけ、生かし、生かされることで、より良い社会を築いていくことが私の目標です。他者の長所を認め、引き出すことで、互いに成長し合える環境を作ることができます。これは、個人の成長だけでなく、組織や社会全体の発展にもつながります。
経営アドバイザーへの道
幼い頃から、近所のお年寄りが私に様々な話をしてくれました。その中には、昔の生活の知恵や歴史的な出来事、人間関係や社会の成り立ちに関する話などが含まれていました。これらの話を通じて、私は経営や人間の組織についての興味が芽生えました。お年寄りの経験談や教訓を聞くことで、人々がどのようにして困難を乗り越え、組織を運営してきたのかを学びました。
私の使命は、クライアントが持つ潜在能力を引き出し、自分たちで解決策を見つけられるようにサポートすることです。これは、表面的な問題解決にとどまらず、長期的な成長と持続可能な成功を目指すためのアプローチです。幼い頃お年寄りから聞いた話や彼らの知恵を胸に、人々が困難を乗り越え、より良い生き方を見つける手助けをすることが、私の役割の中心となっています。
さらに、経営アドバイザーとしての役割を果たす中で、私はクライアントとの信頼関係を築くことを何よりも重視しています。信頼関係がなければ、真の成長や変革は実現しません。クライアントの立場に立ち、彼らのニーズや課題を深く理解し、共に解決策を模索することで、信頼を築いていくことが重要です。
経営アドバイザーとしての意義は、クライアントが自らの力で問題を解決し、成長する過程を支えることにあります。これにより、彼らが直面する困難に対処する力を養い、自信を持って前進できるようにすることができます。私の役割は、知識を提供するだけでなく、クライアントが自らの道を見つけ、その道を進むためのサポートを提供することです。
社会に出てからも、様々な経験を通じて、自分は専門家ではなく、人生をいかに生きるべきかを考えるタイプであることを再認識しました。実際の現場で多くの人々と接し、問題解決に向けたアプローチを模索する中で、私はアドバイザーの方が自分に適していると感じました。表現としてもアドバイザーが適していると考え、経営アドバイザーとして活動することにしました。
私がアドバイザーとしての道を選んだ背景には、幼少期からの経験やお年寄りとの交流が大きく影響しています。彼らの話から学んだことは、単なる知識にとどまらず、人間関係や信頼の築き方、困難に対処するための姿勢など、様々な場面で活かされています。これからも、支えるアドバイザーとしての役割を果たし、人々の成長をサポートしていきたいと思います。
また、経営アドバイザーとして活動する中で、私は「この人はこうした方がいい」という直感を育むことができました。クライアントとの関わりや問題解決において、相手の立場や背景を理解し、最適なアドバイスを提供するための基盤となっています。このような直感は、幼い頃からの経験と学びから得られたものであり、私のアドバイザーとしての活動を支える重要な要素となっています。
生活の中で得た学び
結婚して子供ができてから、その過程でも多くのことを学びました。家庭があるという責任から、学びの内容や視点が変わっていったとも言えます。
私は常に人に興味を持っていましたが、子供ができてからはその興味がさらに深まりました。子供たちの成長過程を観察することは、大きな学びとなりました。「この子はこういう性格を持っているんだな」と個々の特性を理解することもあれば、子供の行動や反応を観察することで、人間の発達について多くを学びました。例えば、一人の子供に薬を飲ませ、もう一人には薬を飲ませないといった状況で、彼らがどのように変化するかを観察したこともあります。また、夫婦で部屋に閉じこもって本を読んでいる姿を子供たちに見せることで、彼らがどのように影響を受けるかを観察しました。その結果、大人になった今でも子供たちは本が好きです。
仕事を転々とすることは、単に生活のためではなく、独立に向けたステップでもありました。私は常に自分の心の中に「食うためだけに働かない」という信念を持っていました。確かに独立したばかりの頃は、食べることにも困ることがありましたが、私が仕事を転々とする理由は、単に生計を立てるためではなく、独立を目指すための準備だったのです。
私が仕事を変えていたのは、自分が独立したいと思っている方向性に沿ったものでした。生活のために収入は必要ですが、それ以上に、自分ができることを追求し、他人の役に立つことを目指していました。この学びのタイミングは、ちょうど子供が生まれた頃と重なり、私にとって大変重要な時期でした。
このようにして得た多くの経験が、私の経営アドバイザーとしての基盤となっています。仕事を転々とする中で、人間の行動や組織の運営について深く理解することができました。また、子供たちの成長や家庭内の学びを通じて、人間関係や信頼の築き方についても多くを学びました。
経営アドバイザーとしての役割は、クライアントが直面する課題を理解し、共に解決策を見つけることです。私がこれまでに経験した多くの状況や学びは、クライアントの問題解決に大いに役立っています。特に、子供たちの成長を見守る中で培った観察力や洞察力は、クライアントのニーズを理解し、的確なアドバイスを提供するための強力なツールとなっています。
私は、人はそれぞれやるべきこと、やらなければならないことを持って生まれてきていると考えています。この考えが根底にあるため、初対面の人ともすぐに打ち解けて話ができるのです。時には「私の過去を知っているのですか?」と言われることもありますが、これは、人というものは皆同じ部分を持っているからでしょう。人はそれぞれにやらなければいけないことを持っているのです。この人はこれをやるために生きている人だ!というふうに直感的に感じられることが多いです。初対面でも、それをすぐに掴むことができるのです。
相手の使命のようなものや心の器としてどんなものを持っているかがわかることで、結論を急がなくても相手に対する理解を持って話を進めることができます。これにより、初対面であっても相手側から歩み寄ってきてくれることが多いのです。相手が持つ潜在的な力や可能性を見極め、その人が最も輝く場所で力を発揮できるようにサポートすることが、私の役割だと感じています。
人間への興味と熊沢企画相談所の設立
私は本当に幼い頃からずっと人間というものが本当に面白いと感じ、それが人を好きになる原動力になりました。人間の多様な側面や個性、行動の背後にある心理を観察することは、私にとって尽きない興味の対象でした。しかし、人を好きになるだけでは生活していけないと感じ、経営の勉強も必要だと痛感しました。
「経営」という活動は、組織の運営や戦略だけでなく、人々の成長や社会への貢献にも深く関わっています。経営者は、従業員一人ひとりの成長を支援し、彼らが自分の力を最大限に発揮できる環境を整えることで、組織全体のパフォーマンスを向上させます。また、経営者の意思決定は、社会全体に影響を与えることも少なくありません。例えば、持続可能なビジネスモデルを採用することで、環境保護や地域社会の発展に貢献することができます。
経営者の役割は非常に多岐にわたり、重要です。彼らのリーダーシップと戦略的思考が、組織の成功と社会への貢献に直結しています。経営者は、組織の未来を切り開く先導者であり、彼らの働きが組織全体の発展と進化に大きな影響を与えるのです。
そこで、私は経営コンサルタントの通信教育を受けることにしました。この教育を通じて、経営の基礎知識や理論を学び、実践的なスキルを身につけました。経営の勉強は単なる知識の習得にとどまらず、人間の行動や意思決定の背後にあるメカニズムを深く理解する助けとなりました。この知識が、私が人間をさらに深く理解するための基盤となりました。
経営の勉強を進める中で、私は「人と企業を結びつける」ことの重要性に気づきました。そこで、私は熊沢企画相談所を開設しました。この相談所の設立には、人間の創造力や発展を支える役割を果たしたいという強い思いがありました。人がものを開発し、新しい価値を生み出すプロセスはすべて人から始まります。そして、その中心にいるのは「経営者」であり、「経営」という活動です。
私が経営に対して抱く意義は、一生を通じて追求できるものであるということです。経営は単なるビジネスの手段ではなく、人々の生活や社会に深く関わる重要な活動です。経営者は、人々の才能や能力を最大限に引き出し、組織を通じて社会に貢献する責任を負っています。私は、このような経営の意義を理解し、実践することが、自分の人生にとって非常に重要だと感じました。
経営は単なる利益追求ではなく、人間の成長や社会の発展に寄与するものであると信じています。この信念に基づいて、私は熊沢企画相談所を通じて、人々が持つ潜在能力を引き出し、企業が持続的に成長できるよう支援する活動を続けています。経営者が直面する課題を一緒に解決し、彼らが目指す目標に向かって進む手助けをすることが、私の使命です。
私の直感と夢の体験
私が学んだことには、根性だけでなく、直感で得たものも多くあります。実は、10歳から11歳の頃には、夢の中で様々なことを教わり、それが現実に役立った経験があります。こうした経験から、熊沢企画相談所を開設するに至りました。直感を具体的に表現するのは難しいですが、直感は感じるものだからです。
例えば、「夢」で知らせてもらうことがあります。5代目のお墓は夢で知らせてもらって見つけた経験があります。夢の中で、こんな木が生えていて、こんな場所だというビジョンを見て、その通りの場所でお墓を見つけました。この経験は、私にとって直感の力を確信する大きな出来事でした。
また、下宿時代には、朝から電話をすると「また何かあったの?」と言われるくらい、夢で見たことが現実に当たることが続きました。具体的には、夢で見た場所や状況がそのまま現実に起こることがあり、その度に自分の直感の正確さに驚かされました。このような経験から、直感の重要性を強く感じるようになりました。
もちろん、根性で乗り越えることは当たり前だと考えています。困難な状況や問題に直面したとき、まず必要なのは根性です。粘り強く努力し続けることで、多くの課題を解決してきました。しかし、それだけでは解決できない問題や、新しいアイデアが必要な時には、直感が大きな助けとなります。根性と直感の両方が揃って初めて、困難を乗り越え、成功を掴むことができるのです。
ただ、人間誰しもその場で解決できないこともあります。そういう時、「自分で解決しなければならないけれど、わからないから誰かわかる人がいたら教えてください」と心の中で思うと、それがいろんな形で実現されることがあります。例えば、夢で答えを知らせてもらうこともあれば、本の中に探していた答えが書かれていることもあります。このような体験を通じて、私は直感や夢の導きがいかに強力なものであるかを学びました。
何事も直感で解決していると言っても過言ではないかもしれません。私の人生の中で、直感と夢の導きが大きな役割を果たしてきました。これらの経験は、熊沢企画相談所の運営においても大きな力となっています。例えば、クライアントの問題解決において、私の直感が有効なアドバイスを提供する助けとなり、夢の中で得たインスピレーションが新たなビジネス戦略を生み出すこともあります。
直感は、単に感覚的なものだけではなく、私の中で蓄積された経験や知識が瞬時に結びつき、最適な判断を導き出す能力だと感じています。例えば、新しいプロジェクトを立ち上げる際に、直感が「この方向が正しい」と示してくれることで、迷いなく進むことができるのです。この直感のおかげで、数多くのビジネスチャンスを見逃すことなく捉えることができました。
さらに、夢を通じて得た教えやインスピレーションは、私の人生観やビジネス哲学に大きな影響を与えています。夢の中で見た風景や人物が、現実の問題解決に役立つこともあり、その度に夢の持つ不思議な力を実感します。これらの経験を活かして、クライアントに対しても、より深い洞察を提供することができると感じています。
経営アドバイザーになるための準備期間
私は転々とした仕事の中で、経営アドバイザーになるために必要なすべての準備を学びました。これまでの経験が経営アドバイザーとして活かされています。様々な経験や実際に行った知恵が全て役立っており、それが自分の中から自然に出てくるのです。時には普通の考え方とは違うアプローチが必要になることもあります。
趣味と仕事が一緒だったと言っていますが、これは私にとって非常に幸せなことです。実際に経営の指導アドバイザーを始めたときは、何も分からない状態でしたが、多くの会社で経験を積むことができました。肉屋さん、切花屋さん、葬儀屋さん、結婚式場、そして病院関係など、多岐にわたる分野でアドバイザーを務めました。さまざまな業種によって出てくる問題は多岐にわたり、一つ一つのケースに応じた解決策が求められました。
例えば、畜産を学んでいる時には、餌の与え方や搾乳量の変動など、非常に具体的かつ専門的な知識を学びました。牛に与える餌の種類や量、与えるタイミングによって、牛の健康状態やミルクの質、搾乳量にどのような影響があるかを細かく観察し、記録しました。そこでは餌と牛の健康状態の関係を深く理解しました。
経営アドバイザーとして重要なのは、全ての結果には原因があるということを理解することです。牛の健康や生産性に問題が生じた場合、その背後にある原因を特定し、適切な対策を講じることが求められます。原因が良いか悪いかで全てが判断されるため、結果に至る原因を見極めることが非常に重要です。例えば、搾乳量が減少した場合、それが餌の質の問題なのか、ストレスの影響なのか、病気の兆候なのかを分析しなければなりません。
これらの経験を通じて学んだことは、経営においても同様に重要です。会社の業績が低下したり、従業員のモチベーションが下がったりした場合、その原因を見極め、適切な対策を講じることが求められます。巡り巡って全てがつながっているため、答えは目の前にあるだけではありません。問題の背後にある根本原因を見つけ出し、それに対する対策を講じることで、有効な解決策を見つけることができます。
一番印象に残っているのは、とあるメーカーの話です。やる気がない社員がたくさんいた会社があり、タスクをこなすだけで積極性がないという相談を受けました。この時、社員の総入れ替えを提案しました。2、3人のベテランを残して総入れ替えを進め、配置を徐々に変えていきました。私の大前提にある考え方は「人にはやらなければならないことがある」ということです。それと違うことをやっていると、あまり熱が入らず、生活のためにやっているだけでは楽しくないし、組織全体にも悪影響を及ぼします。
社員の配置転換では、メス(解雇)を入れるのではなく、各人が最も力を発揮できる場所を真剣に考えました。残念ながら現代社会ではこのような配慮が少ないかもしれません。人も幸せに、会社もうまくいくようにすることが私のモットーです。会社だけが儲ければ良いという考えは全く持っておらず、人間の正しい生き方を重視しています。経営アドバイザーという仕事の業務内容に対して自身の掲げる指標は人間寄りであり、難しいと捉えられるかもしれませんが、これは当たり前のことだと思います。
特に病院の経営アドバイザーとして長い間関わってきました。精神科の病院では27、8年間見させてもらい、平成26、7年まで福祉関係の介護施設や重症者の施設も担当していました。このような経験を通じて、人間の正しい生き方を実現するための経営アドバイスを提供してきました。
経営アドバイザーとして重要なのは、全ての結果には原因があるということを理解することです。原因が良いか悪いかで全てが判断されるため、結果に至る原因を見極めることが非常に重要です。巡り巡って全てがつながっているため、答えは目の前にあるだけではないのです。結果において原因があるということがひたすら実証されていきます。
経営アドバイザーとしてのアプローチと実績
経営アドバイザーの仕事は、人間中心のアプローチを取っています。私はまず経営者と会い、その器の大きさを見極め、新しい計画や商品企画のアドバイスを行います。具体的には、事業計画や開発企画、商品企画、デザイン関係の相談も受けています。人間中心とは、その人の心の広さを知ることです。もし経営者の心の広さが狭ければ、企業は借金ばかりになる可能性があります。そのため、経営者の器に合った努力の指標をこちらがどれだけ見抜けるかが重要です。
「波長共鳴の法則」に従って、人は集まっています。全く縁のない人が集まることはなく、同じような特性を持った人が集まるのです。相手を見ていると、客観的に見たときに第三者としての私にはその問題点がよく見えてきます。それを見抜けなければアドバイザーは務まりません。
例えば、ある企業から「ギネスブックに載せたい」というプランの相談を受けたこともあります。私が提案したプランが成功し、それをデザイナーがデザインすると、そのデザインが非常に売れることがあります。しかし、デザイナーの名前で出せない場合もあり、そういった技術を他に提供することもあります。みんなで集まって、この商品を販売するのにどのパッケージで行こうかという話になり、その相談にも多く乗ってきました。
デザイナーを外注しているため、商品パッケージのデザインを別のデザイン会社に頼むこともあります。そのデザイナーが企業や自身の提案をデザインした結果、商品がよく売れることがあります。また、企業から「ギネスに載せたい」と依頼されることもあり、そうしたプランを成功させた経験もあります。これはよくある話です。
経営アドバイザーとして、私は人間の特性や心の広さを理解し、それに基づいて適切なアドバイスを提供することを心がけています。クライアントの成功を支援するためには、表面的な問題だけでなく、その根本にある要因を見極めることが不可欠です。こうしたアプローチにより、企業が持続的に成長し、発展する手助けをしています。
まず経営者の器を見極め、会社が現在赤字であっても将来的には黒字に転じる可能性がある場合、そのビジョンを経営者に伝えます。大切なことはその人の心の広さを知ることです。
ある福祉施設などでは、私が提案したことを実践して大きな成果を上げた例もあります。20年間で売り上げが20億円を超え、従業員数が600人以上に増えました。この企業は業種が時流に乗っており、経営者には人が集まるという器がありました。私はそのビジョンを組み立て、提案し、経営者がそれを理解して実行することで成功を収めました。
経営とは時代適応業であり、環境や時代に適応する能力があれば、成功への見通しが立てられます。具体的な事業計画から人事に至るまで、私は具体的な提案を行います。例えば、子会社を作り、そこの経営者として適任者を抜擢することも提案します。
病院経営においては、経営者代行のような役割を果たすこともありました。ドクターたちは経営にはあまり詳しくないことが多いため、私が裏方としてサポートすることで、病院がうまく運営されるようになりました。
私の役割は裏方として必要なときには表に出ることです。これが私の経営アドバイザーとしてのスタイルです。縁の下の力持ちに徹しつつ、人間の正しい生き方ができなければ厳しく叱ります。「それは間違いだから、やめなさい」とはっきり言い、懇切丁寧に伝えるのです。
現場に根差した経営アドバイザーとしての役割
経営コンサルタントは主に役員や経営者に対してアドバイスを行うことが多いですが、私の経営アドバイザーとしての役割は、社員や働く人たちの現場まで降りていき、直接アドバイスを行う点が異なります。経営者だけでなく、現場のスタッフとも密接に関わることで、企業全体の成長を支援しています。
私の信念は「明るく楽しく素直に生き、そして多くの人々の役に立つこと」です。この信念に基づいて、私は常に良いところを生かすことに徹しています。駄目なところを指摘するのではなく、良いところを伸ばすというアプローチを取っています。この方法は、社員のモチベーションを高め、組織全体のパフォーマンスを向上させる効果があります。
私のアプローチの特徴は、「専門家」ではなく、「人間味」であるところです。専門家は、特定の方法や手順に従うことを重視しますが、私はアドバイザーとして、「この方法もあるけれど、こんな方法もある」という提案を行います。これは、経営者や社員の器を考慮し、柔軟な対応を可能にするためです。人の器の問題もありますが、そういったやり方をしていくことで、だんだんと器が大きくなっていきます。これにより、社員一人ひとりが自分の役割を理解し、最大限のパフォーマンスを発揮できるようになります。また、現場の声を経営層に伝えることで、組織全体の調和を図る役割も果たしています。
経営アドバイザーとしての私の役割は、現場での実践的な支援を通じて、企業全体の健全な成長を促進することです。専門家の知識だけに頼らず、人間としての柔軟な対応と深い洞察を活かすことで、企業の持続的な成功を支援しています。
私の信念に基づいたアプローチは、単なる業務改善にとどまらず、社員一人ひとりの成長と幸福を重視しています。このようにして、社員が自分の力を最大限に発揮し、社員が自分たちの仕事に誇りを持ち、より良い成果を出せるようになることで、組織全体がより良い方向に進むようサポートしています。これが、私の経営アドバイザーとしての真の役割であり、やりがいを感じる部分です。
継続的な勉強会と「人間主義」の経営法
私は勉強会を350ヶ月以上続けており、現在も4つの教室で「人間主義」の経営法を教えています。これまでの勉強会では、経営者やビジネスパーソンだけでなく、多くの異なるバックグラウンドを持つ参加者が集まり、共に学び成長してきました。勉強会の内容は多岐にわたり、基本的な経営理論から具体的な実践方法、人間関係の構築までカバーしています。
「人間主義」の経営法とは、人が経営し、人が生きているという基本的な原則に基づいたものです。だからこそ、人を中心に考えることが重要です。私はこの考え方を強く信じており、経営においてもビジネスにおいても、人を中心に据えることの重要性を参加者に伝えています。
私が行う勉強会では、具体的な事例を用いて「人間主義」の経営法を解説します。例えば、社員のモチベーションを高めるための施策やリーダーシップの発揮方法、組織内のコミュニケーション改善策など、実践的なアドバイスを提供しています。これにより、参加者は理論だけでなく、現場での応用力も身につけることができます。
「人間主義」の経営法では、物や利益を中心に考えるのではなく、人を中心に考えることが絶対に必要です。私の勉強会では、単なる経営技術の習得だけでなく、人としての在り方や生き方についても深く考える機会を提供しています。これは、経営者やビジネスパーソンがより良いリーダーとなるために必要なことだと考えています。
私が強調するのは、物を中心にするような考え方は絶対にしないということです。ビジネスにおいても、物質的な利益だけを追求するのではなく、社員の幸福や成長、社会への貢献を重視することが重要です。これが「人間主義」の経営法の核心であり、私が長年にわたって伝えてきたメッセージです。
私の勉強会に参加することで、多くの経営者やビジネスパーソンが「人間主義」の経営法を実践し、自分の企業や組織をより良い方向に導くことができるようになっています。これからも、私はこの信念を持ち続け、勉強会を通じて多くの人々に「人間主義」の経営法を伝え続けていきたいと考えています。
この勉強会では、人間主義に基づいて、具体的な事例を通じて「こうした方が良い」と考えることを学びます。私はこれを「人間主義の大自然の経営法」と呼んでいます。人間はこの自然の中で生かされており、この自然を人間がいかにうまく平和に保つかが重要です。自然のあり方を預かる人間として、自然の中で生かされているということだけは誰も否定できません。
人間中心の経営法と熊沢蕃山の教え
この経営法の核心は、人間中心のアプローチです。経営者だけでなく、社員一人ひとりの良いところを見つけ、それを最大限に引き出すことを目指しています。これは、現代の儒学者のようなアプローチであり、経営と人間の成長を両立させるものです。
否定的な考え方を持つと、人はダメになります。否定的な考えというのは、自分の心の中に否定的な絵を描き、それが表にも出てきます。逆に、肯定的な考えというのは心の中に肯定的な絵を描き、それもまた表に出てきます。これは当たり前のことです。心配していると、その心配していることが実際に起きる可能性が高まります。だからこそ、その心配や不安を取り除くことが重要です。
私が指導するのは、どうすればその心配や不安を取り除けるかということです。良いところを伸ばすというのは、ポジティブな発想ができる方向に導くことです。「明るく正しく素直に生き、そして多くの人のお役に立つ」というのが人間の正しい生き方です。だから、いつでもそれを中心に指導を展開します。そのことに尽きます。
人というのは、全て心から成り立っています。心が綺麗になれば、人の未来は必ず良くなります。それが「明るく楽しく生きる」ということです。
先祖である熊沢蕃山の考え方も同じようなものです。彼は、世の中が自然の理に反するとき、人間が生きることが困難を生むと考えていました。自然の理に従って生きることが、人間にとって最も良い道であるという教えです。彼の教えは、自然と調和し、心を綺麗に保つことで人間が幸せに生きることができると説いています。
私の指導も、この熊沢蕃山の教えに基づいているところがあります。否定的な考え方を排除し、ポジティブな発想を持つことで、人は心を清らかに保ち、自然の理に従って生きることができます。このアプローチを通じて、経営者や社員が持つ本来の力を最大限に引き出し、企業全体の成長を促すことを目指しています。
私の勉強会では、この原則を熱心に伝えています。幼い頃から今までの経験を通じて、私はこの信念を中心に据えて指導を行っています。参加者に対しても、同じように熱く語りかけ、彼らがポジティブな発想を持ち、良いところを伸ばせるようにサポートしています。参加者が自身の職場で即座に応用できる知識とスキルを提供しています。
教育と考える力: 人間の本質を引き出す未来への挑戦
学びとは何か
私は「学ぶとはどういうことか」についてよく話します。学びとは、単に本を読んだり、人の話を聞いたりするだけではありません。それは知識の取得に過ぎず、真の学びとは言えません。真の学びは、知識を実際に行動に移し、その結果を知ることによって得られるものです。実践を通じて得た経験こそが、本当の学びなのです。
例えば、ビジネスの世界で新しいマーケティング戦略を学んだとしても、それを実際に試してみなければその効果を実感することはできません。成功すればその理由を理解し、失敗すればその原因を分析することができます。こうして得た実践的な知識やスキルが、将来的に大いに役立つのです。
人の生かし方について話すとき、まずその人の良いところを見つける目を養うことが大切です。私たちはしばしば他人の欠点や不足を見つけがちですが、逆にその人の強みや長所に目を向けることが重要です。その人の良いところを見つけ、それを生かしてあげることで、その人の心がより美しく成長します。
例えば、職場で部下の才能を見抜き、それを最大限に引き出すことで、部下の自信を高め、モチベーションを向上させることができます。これにより、チーム全体のパフォーマンスも向上します。個々の強みを見つけ、それを生かすことは、人を育てる上で非常に重要なスキルです。
一方で、人からの生かされ方については、その人から何を学ぶかが重要です。例えば、上司や先輩からのアドバイスやフィードバックを受けたとき、それをただ受け入れるのではなく、そこから自分が学ぶべきことを見つけ出すことが大切です。そのアドバイスがどのように自分の成長につながるかを考え、実際に行動に移すことが重要です。
依頼を受けたときにも同様です。その依頼がどのように自分のスキルや知識を向上させるのかを考え、取り組むことで、依頼をこなすだけでなく、自分自身も成長することができます。自分が成長した分だけしか人は成長しないという考え方は、リーダーシップや人材育成において非常に重要です。
自分自身が成長することで、周囲の人々も共に成長することができます。これは、家庭でも職場でも同じです。親が学び続け成長することで、子供たちもその姿勢を見習い、学び続けるようになります。リーダーが成長することで、チーム全体が成長します。
例えば、リーダーが自己研鑽を続け、新しいスキルや知識を習得することで、チームメンバーにもその姿勢が伝わり、全員が積極的に学び、成長する環境が生まれます。このように、自己成長と他者の成長は相互に関連しており、どちらも欠かすことができない要素です。学びとは、知識を行動に移し、その結果を通じて得られる経験から成り立っています。
他者の良いところを見つけ、それを生かすことが人を育てる鍵です。また、他者から学ぶ姿勢を持ち、自分自身の成長に努めることも重要です。自分が成長することで、周囲の人々も共に成長し、より良い社会を築くことができます。この信念と理念に基づいて、私はこれからも学び続け、人々の成長と幸福を追求していきたいと考えています。
教育の本質とその問題点
そんな中現在、私が最も問題にしているのはやはり教育です。現代の教育では、物を考えることや疑問を持つことが軽視されがちです。すぐに答えを求め、参考書に載っている答えをそのまま鵜呑みにするような学び方が蔓延しているように感じます。これは、深い思考や自己探求の過程を飛ばし、ただ答えを暗記するだけの表面的な学習に過ぎません。
物を考えてじっくりと自分を引き出す教育を行わないと、人間の本質を失い、動物のような本能に従った世界になってしまいます。今の教育は、まるでクイズの解き方を覚えるかのような表面的な学びに終始していますが、本来の学びとは、人間の修養に根ざしたものであるべきです。人間は単なる知識の集積体ではなく、内面の成長と倫理的な成熟が重要なのです。
教育とは、自分の潜在意識の中にあるものを引き出すことだと考えています。潜在意識には、その人が持っている可能性や独自の才能が眠っています。それらを引き出すためには、外部からの一方的な知識の詰め込みではなく、内面からの発見と自己理解が必要です。家庭や学校でも、こうした教育を行わないと、将来的には深刻な問題を引き起こすでしょう。子供たちが自分自身を理解し、自らの考えを形成する能力を持たなければ、社会全体の知的基盤が揺らぐことになります。
明治5年の教育改革は、専門家を育てる流れを作り出しましたが、人間学や実践学が軽視されたことが問題です。この改革は、寺子屋教育のような全人的な教育とは全く異なっていました。専門家を育てることが優先され、人間としての成長が二の次にされてしまいました。専門知識を持つ人材を育てることは重要ですが、それだけでは不十分です。人間としての深い理解と洞察が求められるのです。
その結果、現代の社会には真のリーダーが非常に少ないと感じます。リーダーシップとは、単に専門知識を持つだけでなく、人間としての深い理解と洞察が求められます。真のリーダーは、他者を理解し、共感し、導く力を持つ人です。そのためには、自己の内面と向き合い、自分自身の成長を追求する姿勢が不可欠です。教育がその基盤を提供しなければなりません。
考える力の重要性
現代の若い世代は、考える力が弱いと感じます。考えるという行為がなおざりにされていることが大きな問題です。考えるとは、自分の心で発想し、物事を深く考えることです。その発想の元は、神秘的なものであったり、新しいものであったり、古いものを掘り起こすことだったりします。
考えるチャンスはたくさんありますが、それを否定するような風潮があります。例えば、パソコンやスマホの普及により、簡単に答えを得ることができるようになり、考えることが少なくなっています。こうしたツールを使いながらも、考える力を養うことが重要です。
正しいことと悪いことの区別
家庭や学校では、して良いことと悪いこと、すべきこととすべきでないことの区別をはっきりと教える必要があります。この区別が考える力の基礎となります。考える種は身近なところにあり、それに目を向けることが大切です。さらに、線引きをすることで疑問が生まれ、それが考える力を養うきっかけとなります。
例えば、教育改革の話題になりますが、私たちの国では明治時代に行われた教育改革が今なお影響を及ぼしています。明治時代の改革は、西洋の近代化を取り入れることを目指していましたが、その過程で日本独自の教育の良さが失われてしまった部分もあります。江戸時代の藩主や稼働者たちは、儒学などを学び、それを政治や社会に生かしていました。しかし、現代の教育はそうした素養を重視しなくなっています。
教育の未来
現在の政治家やリーダーには、江戸時代のような深い人間理解と教養が欠けていると感じます。教育改革が必要であり、考える力を重視した教育を進めていくべきです。教育は国家の存続に関わる重要な問題であり、しっかりと考える力を育てることが、未来のリーダーを育てる基盤となります。
タクシーの運転手さんでも、教育改革について熱心に語る人がいるくらい、教育に対する関心は高いです。多くの人が教育の重要性を理解し、危機感を抱いています。私も同様に、教育問題は国家存亡の問題だと感じています。
教育の本質とは、人間としての成長を促すものであり、それは考える力を養うことから始まります。教育とは、生き方に根ざしたものであり、潜在意識の中にあるものを引き出す過程です。これからの教育は、専門知識を教えるだけでなく、人間としての全体的な成長を促すものに変わっていくべきです。
教育の未来は、考える力を養い、正しいことと悪いことの区別を教えることにかかっています。教育改革を通じて、真のリーダーを育てることが私たちの使命です。そして、そのためには、教育のあり方を根本から見直し、全人的な成長を目指す教育を実現することが必要です。
教育と考える力
AIがどれほど身近になっても、人間の考える力は失われないと考えています。人間の考える力は、AIのようなものでは太刀打ちできないものです。人間の存在そのものは、非常に大きく深いものであり、AIはその一部を模倣しているに過ぎません。
AIは人間が創り出したツールであり、私たちの中にある創造性や思考の一部を反映しています。しかし、それは人間の全体像を捉えるものではなく、単なる補助的な役割に過ぎません。人間の考える力は、常に進化し続けるものであり、AI がその進化を妨げることはありません。
教育の現場でも、考える力を養うことが重要です。AIに頼ることなく、自分自身で考え、発想し、問題を解決する力を育てることが求められます。教育は、自分の潜在意識の中にあるものを引き出す過程であり、それを通じて人間として成長することが大切です。
現代社会では、パソコンやスマホなどのツールが普及し、情報に簡単にアクセスできるようになりました。しかし、それに依存することなく、考える力を養うことが重要です。して良いことと悪いことの区別を教え、考える種を見つけ、それに目を向けることで、考える力を育てることができます。
AIがどれほど進化しても、人間の考える力は失われません。人間の存在はAIを遥かに超えるものであり、考える力はその中心にあります。AIは、あくまで人間の補助ツールに過ぎず、人間の本質には及びません。
これからの社会では、AIと共存しながらも、考える力を維持し、育てることが求められます。教育やビジネスの現場でも、AIを活用しつつも、自分自身で考える力を大切にすることが重要です。AIに頼りすぎず、人間としての本質を見失わないようにすることが、未来に向けて必要な課題です。
本来の力を引き出すための教育の重要性
現在、私が強調したいのは、教育の重要性です。現代社会では暗記中心の教育や、単なる知識詰め込みが横行しています。しかし、それでは人間本来の能力が発揮できません。教育の真の目的は、単なる知識の伝達ではなく、個々の人間が持つ潜在的な力を引き出し、豊かな人生を送るための道を示すことにあります。
暗記中心の教育は、一時的に試験の成績を向上させるかもしれませんが、長期的には実社会での問題解決能力や創造性を育むことができません。知識は重要ですが、それ以上に大切なのは、得た知識をどのように応用し、実践に活かすかという点です。思考力、判断力、そして行動力を養う教育が必要です。
本来の人間の力を引き出すためには、余計なものを取り除き、人間の正しい生き方を教えることが必要です。現代の教育では、テストの点数や偏差値に焦点が当たりすぎていますが、これらは人間の本質を見失わせる要因となります。心の中にある余計なもの、例えば不安や偏見、過剰なプレッシャーを取り除くことで、本来の能力が発揮されやすくなります。
人間が本来の姿で生きられるような教育を提供することが重要です。例えば、自分が何かに汚染されていると気づくことができれば、その汚染を取り除こうと努力することができます。これは物理的な汚染だけでなく、精神的な汚染も含まれます。自分の心に何が入っているのかを常に意識し、それを消化できるものとできないものに分けることが大切です。
自己認識を深めることで、自分自身の心の中を見つめ直し、不要なものを取り除く作業が必要です。例えば、日々の生活の中で感じるストレスやネガティブな感情を適切に処理し、心の中を浄化することが求められます。これにより、心がクリアになり、本来の自分の力が発揮できるようになります。
さらに、人間関係やコミュニケーションのスキルも重要です。他者との関わり方を学ぶことで、協力し合い、共に成長することができます。人間は社会的な存在であり、他者との交流を通じて自分を高めていくことができます。このような教育が、豊かな人間関係を築く基盤となります。
創造力を育む教育も不可欠です。子供たちが自由に発想し、自分のアイデアを形にする経験を通じて、創造的な思考が培われます。また、問題解決能力を高めるためには、実際の問題に直面し、それを乗り越える経験が重要です。プロジェクトベースの学習や実社会との連携を通じて、リアルな問題に取り組む機会を提供することが有効です。
前述の通り、現代の教育には、環境教育も欠かせません。地球環境の保全や持続可能な生活を実践するための知識と意識を育むことが必要です。自然との共生を学び、環境問題に対する責任を持つことが、未来の地球を守るための第一歩です。
これにより、未来の自分をより良いものにしていくことができます。教育は単なる知識の伝達ではなく、未来への投資です。正しい教育を受けた人々は、自分自身の可能性を最大限に発揮し、社会全体の発展にも寄与します。そのため、教育制度の改革や充実が急務であり、個々の人間が本来の力を発揮できる社会を築いていくことが求められます。
教育は人間の潜在能力を引き出し、持続可能な未来を築くための鍵です。暗記中心の教育を超えて、人間の本質を理解し、正しい生き方を教える教育が必要です。自己認識を深め、心を浄化し、他者と協力し合うことで、個々の人間は成長し、社会全体が豊かになります。教育は未来への投資であり、持続可能な発展の基盤を築くための不可欠な要素です。
人間の本質と教育の未来
教育とは、人間の潜在能力を引き出すためのものです。考える力を養い、自分の中にあるものを掘り起こすことで、人間は本来の力を発揮することができます。教育の未来は、考える力を重視し、人間としての全体的な成長を目指すものに変わっていくべきです。
AIや技術の進化が進む中で、人間の本質を見失わないようにすることが重要です。AIは人間の補助ツールに過ぎず、人間の本質には及びません。これからの社会では、AIと共存しながらも、自分自身で考える力を大切にすることが求められます。
このような視点から、教育や思考の重要性を見直し、人間の本質を理解することが未来の社会をより良いものにするための鍵となります。
問題解決と思考の重要性
現代社会では、問題解決の方法をシステマチックに考える人が多いですが、真に重要なのは今を生きることに真剣に向き合うことです。システマチックなアプローチは効率的である一方で、人間の感情や直感、現実の複雑さを見落とすことがあります。問題が発生した際に、その場での適応力や即応性が求められるのです。
問題が起こる原因を理解し、それを防ぐ方法を知ることが大切です。表面的な対処ではなく、根本的な原因を見つけ出し、それに対する予防策を講じることが必要です。これは、医学での予防医療やビジネスでのリスク管理など、様々な分野で共通する原則です。
例えば、職場での生産性の低下が問題となった場合、その原因が単なる作業効率の問題であるのか、あるいは従業員のモチベーションやコミュニケーション不足にあるのかを見極めることが重要です。根本原因を理解し、それに対応することで、持続的な解決が可能となります。
中国の古典には、「一番良い政治は、為政者が何もしなくても国が安定している」という考え方があります。これは古代中国の政治哲学の中で特に儒教と道教の教えに基づいています。この考え方は、問題が起こる前に対策を講じることが最良であるという意味を持ちます。道教の創始者である老子の思想には、「無為自然(むいじねん)」という概念があります。『道徳経』の中で、老子は「無為自然」を説き、為政者が過度に干渉しないことで、自然な秩序が保たれると主張しました。老子は「無為」という行動をしない、つまり自然の流れに任せることを最良の政治と考えました。これにより、国民は自らの生活を営み、社会は安定すると考えられました。
具体的には、『道徳経』の第三章には次のような言葉があります。「賢者を崇めないことで人々の争いを防ぎ、希少な財を貴ばないことで盗みを防ぎ、欲望を煽らないことで人々の心を乱さない。こうして聖人(為政者)は人々の心を空にし、腹を満たし、意志を弱め、骨を強くする。常に人々が知恵を使わず欲望を持たないようにすることで、知恵のある者が行動を起こすことを防ぐ。無為の政治を行えば、治まらないことはない」。いう物です。このような中国古典の思想は、現代のリーダーシップにも通じます。優れたリーダーは、問題が表面化する前に兆候を察知し、適切な対策を講じることができるのです。これには以下のような要素が含まれます。
現代のリーダーシップにおいても、予防的なアプローチが重要視されています。リーダーは潜在的なリスクを早期に特定し、それに対する対策を講じることで、大きな問題が発生するのを未然に防ぎます。例えば、企業においては、定期的なリスクアセスメントやコンプライアンスの強化がこれに該当します。
優れたリーダーは、従業員の自主性を尊重し、過度なマイクロマネジメントを避けます。従業員が自分の役割と責任を理解し、自律的に働く環境を整えることで、組織全体のパフォーマンスが向上します。これは老子の「無為自然」の考え方に通じるものがあります。
中国の古典に見られる「一番良い政治は、為政者が何もしなくても国が安定している」という考え方は、現代のリーダーシップにも多くの示唆を与えています。問題が起こる前に対策を講じ、従業員の自主性を尊重し、長期的視点での意思決定を行うことが、持続可能なリーダーシップを実現するための鍵となるのです。
私のアドバイスも同様で、問題が起こらないようにするために必要なことを教えることを重視しています。例えば、企業経営においては、リスク管理やコンプライアンスの重要性を伝え、日常の業務プロセスに組み込むことを推奨しています。
AIと人間の考える力
現在、最もホットな話題の一つにAI(人工知能)があります。AIはただのパソコンではなく、人間のように質問に答え、生成AIとして仕事や教育の現場でも広がっています。しかし、AIが普及する中で、人間の考える力が失われつつあるのではないかという懸念もあります。
文科省は、AIを考える力を養うためのツールとして位置付けていますが、AIに頼ることで逆に考える力が失われるのではないかと感じています。AIが身近になった世の中で、どのようにして人間の考える力を維持し、育てるべきかが重要な課題です。
私の考えでは、AIそのものは人間の心のごく一部に過ぎません。AIは人間が生み出したものであり、その存在自体が人間の心の延長線上にあるものだと捉えています。AIの中身は、人間の潜在意識に比べると非常に小さいものであり、人間の本質には到底及ばないと考えています。
人間の潜在意識は、AIのような単純なものではありません。AIは、例えば薬を作るために様々な薬剤を組み合わせるような機能を持っているに過ぎません。それ以上の存在ではなく、どこかの宣伝に過ぎないという見方もできます。
自然と共に生きる道: 社会の変革と未来への指針
自然の警告と社会の変革
天変地異は、自然の力からの警告であり、私たちの行動が自然の流れに反していることを示しています。私たちが自然と調和せずに生きると、地球はその不調和に対して警告を発します。これには地震、洪水、台風などの自然災害が含まれます。これらの災害は、人類に対する破壊的な影響を及ぼし、私たちの生活や社会に大きな損害を与えます。
しかし、助け合いの精神を持つ仲間が増えれば、天変地異の影響を減少させることができるでしょう。コミュニティの中で協力し合い、自然と調和する生活を実践することで、自然のバランスを保ち、災害の発生を抑えることが可能です。共に助け合うことで、困難な状況を乗り越え、より安全で持続可能な社会を築くことができます。
生きる意味は、「なぜこの時代に肉体を持って生まれてきたのか」という問いに変わります。我々の心は元々綺麗なもので、その垢を取って綺麗な心に戻ることが求められます。これが生きる意味であり、人生の目的です。私たちは、生まれながらにして純粋な心を持っていますが、人生の中で様々な経験や困難を通じて、その心に汚れが付いていきます。それを取り除き、元の純粋な心に戻ることが、私たちの人生の本質的な目的です。
この過程には、自己反省と成長が不可欠です。過去の行動や思考を振り返り、自分の欠点や間違いを認識し、それを改善する努力を続けることが重要です。また、他者との関係を通じて、愛や思いやり、共感の心を育むことも大切です。これにより、私たちは心の成長を遂げ、より良い人間になることができます。
私がこれまでの人生で学んだことは、全てこの信念と理念に基づいています。私の経営アドバイザーとしての役割は、企業の利益だけでなく、人間の成長と幸福を追求することにあります。経済的な成功は重要ですが、それ以上に大切なのは、人々が心の充実を感じ、幸福な生活を送ることです。
自然と共に生きるための環境問題への対策
環境問題に関しても同じことが言えます。人間が自然の一部として生きることを忘れ、知るべきことを知らず、やるべきことをやらないために、気候変動などの大きな問題が生じています。人間は自然の中で生かされている存在であり、自然と調和して生きることが不可欠です。この認識が欠如すると、環境破壊が進み、最終的には人間自身の生存が脅かされます。
様々な問題を防ぐためには、環境教育を充実させることが不可欠です。学校教育やコミュニティ活動を通じて、子どもから大人まで、すべての人が環境問題の重要性を理解し、持続可能な生活を実践する意識を持つことが求められます。例えば、リサイクルの推進、省エネルギーの実践、自然資源の節約など、小さな行動の積み重ねが大きな変化をもたらします。
人間は自然の中で生かされてこそ、その存在意義を見出すことができます。自然との共生を意識し、持続可能な生活を実践することで、未来の世代に豊かな地球を残す責任があります。環境問題への取り組みは、単なる義務ではなく、自然との共生を目指す意識の表れです。個々人がその重要性を認識し、行動に移すことで、私たちはより持続可能で豊かな未来を築くことができるのです。
私たちが今すぐにでも取り組むべきことは、自然を敬い、その恩恵を大切にすることです。私たちの生活の中で、自然に感謝し、その保護に努めることが、持続可能な未来への第一歩となります。
自己解放と独立
社会の中で余計なことを言って左遷されるような状況を避けるために、私は独立を選びました。独立することで自分の意見や信念を自由に表現できる環境を手に入れたいと思ったのです。しかし、独立してみると、時間に縛られるという新たな課題に直面しました。自由を求めて独立したにもかかわらず、逆に新しい制約が生じたのです。
「自由即不自由」という言葉は、一見すると矛盾しているように思えますが、深い哲学的な意味を持っています。このフレーズは、自由を得ることが実際には新たな制約や責任を伴うことを示唆しています。
自由を得るということは、自分の意思で行動できる権利を得ることを意味します。しかし、自由には常に責任が伴います。自己の選択や行動に対する責任を負う必要があり、その責任が新たな制約として作用するのです。
自由には自己管理が不可欠です。自由な時間や行動を持つことで、自己管理の必要性が増し、自分自身の行動を厳しく律する必要が出てきます。これにより、ある意味で自分自身を制約することになるのです。
完全な自由は存在しないという考え方もあります。どんなに自由な状況でも、社会的なルールや法律、他者の権利や感情に対する配慮など、何らかの制約が必ず存在します。
独立すると、自分で仕事のスケジュールを管理しなければなりません。これまでは会社の規定や上司の指示に従っていたのが、自分自身で全ての責任を負うことになりました。例えば、クライアントとの打ち合わせやプロジェクトの締め切りなど、時間管理の難しさに直面しました。独立前には予想していなかった多忙な日々が続き、自分の時間がほとんど無くなることもありました。
また、経済的なプレッシャーも大きくなりました。安定した給与を得られる会社員時代とは異なり、自分の収入は自分の努力次第です。新しいクライアントを獲得し続ける必要があり、そのためのマーケティングやネットワーキングにも時間と労力を費やさなければなりませんでした。
このように、物事はやってみなければわからないことが多いです。しかし、こうした経験を通じて、私はさらに成長することができました。独立することで、多くの新しいスキルや知識を身につける必要がありました。時間管理や自己マーケティング、クライアントとのコミュニケーションスキルなど、多岐にわたるスキルを磨くことができました。
また、問題解決能力も向上しました。独立することで直面する数々の問題に対して、自分で解決策を見つけ、実行する力を養うことができました。これは、自己成長の大きな要素であり、私のキャリアにおいて非常に重要なスキルとなりました。
人間の進化と正しい生き方
問題を解決し、正しい生き方を学ぶことで、人間は常に進化し続けることができます。私自身も、独立することで得た経験と学びを通じて、自己成長を遂げてきました。独立は自由をもたらすと同時に、新たな責任と課題をもたらしました。そのため、多くの困難や障害に直面しましたが、それらを乗り越えることで自分の限界を広げることができました。
新たな挑戦を受け入れることは、自分自身を成長させるための重要な要素です。例えば、新しいビジネス分野に進出したり、新しい技術を習得することは、未知の領域に踏み込む勇気が必要です。これらの挑戦は恐怖や不安を伴いますが、それを乗り越えることで得られる達成感と自己成長は計り知れません。
正しい生き方とは、自分自身を信じ、自分の選択に責任を持つことです。自分の選択に対する責任を果たすことは、他人に依存せず、自分の人生を自分で切り開く姿勢を持つことを意味します。この姿勢は、困難な状況においても自分を見失わずに行動するための基盤です。
どんな困難に直面しても、それを成長の機会と捉え、前向きに取り組むことが重要です。例えば、ビジネスの失敗や人間関係のトラブルなど、ネガティブな経験も多くあります。しかし、これらの経験を通じて、自分の弱点を知り、それを克服するための努力を続けることで、自己成長が実現します。困難は成長へのステップであり、それをどのように乗り越えるかが重要です。
独立して新たな課題に直面した経験から、私は多くのことを学び、成長することができました。経営の実務やリーダーシップ、時間管理やストレス管理など、多岐にわたるスキルを習得しました。これからも、新しい挑戦を受け入れ、自分自身を高めていくことを続けていきたいと思います。
人間は常に進化し続ける存在であり、その過程で得られる学びや経験こそが、人生を豊かにするものだと信じています。進化とは、単に物理的な変化だけでなく、精神的な成長や知識の深化をも含みます。自己成長を追求し続けることで、人生はより充実したものになります。
私の経験から学んだことは、成長と進化は終わりのない旅であり、その旅の中で得られる学びが最も価値のあるものだということです。どんな状況においても、自己を信じ、責任を持ち、前向きに取り組むことで、常に成長し続けることができます。これからも挑戦を続け、新たな学びを得て、人生を豊かにしていきたいと考えています。
人間の考え方の柱と教育の役割
やはり人間には中心となる強い背骨、柱となるものが必要だと感じています。それは人間の考え方や行動の指針となるもので、自分自身の中に持つべきものです。私が考えるその柱とは、自分一人で生きているわけではなく、人との支え合いが重要であるということです。
人は支え合いの中で生きているという考え方が、私の柱となっています。これは、まさに「人」という字の成り立ちに表れているように、支える側と支えられる側が共に存在しなければならないということです。
しかし、現代の教育には多くの課題があり、人間本来の能力を発揮するためには、正しい生き方を教える教育が必要です。余計なものを取り除き、人間本来の姿で生きられるような教育を提供することが重要です。自分の心に何が入っているのかを常に意識し、それを消化できるものとできないものに分けることが大切です。これにより、未来の自分をより良いものにしていくことができます。
経営アドバイザーとしての役割と信念
まず、何より人はそれぞれの役割を果たすことが大切です。社長には社長の、課長には課長の、そして従業員にはそれぞれの役割があり、その価値に違いはありません。私はアドバイザーという立場で皆さんに接し、適切なアドバイスを提供しています。
アドバイザーとしての私の信念は、人に枠を作らないことです。枠を作ってしまうと、本来の自分が出てこないからです。現在の私は、枠を作らず、のびのびと生きましょうという考えに至っています。この考え方に至るまでの道のりは決して簡単ではありませんでしたが、多くの学びを得て成長しました。
例えば、自由というのは即不自由という学びがありました。独立したら時間なども自由だと思っていたが、実際には独立した瞬間から不自由さを感じました。自由には一体何が必要だったのか。それは愛が必要だったのです。愛というのは、人の良いところを活かすことと、許すこと。この二つがあると自由が生きてくるのです。
ある会社では、売り上げが落ちた時に私に頼り、売り上げが上がると感謝されるという経験があります。簡単に言えば、道が曲がったらまっすぐにするような役割を果たしています。私は整体師のように、問題を正す役割を果たしています。
過去と現在を振り返ると、言っていることが変わらないのは、真理を話しているからだと感じます。真理は時代を超えて変わらないものであり、それを伝えることが私の使命だと信じています。30年、40年前は管理社会が良いと考えていた時期もありましたが、時代が進むにつれて、管理の枠を取り払い、自由な発想を重視するようになりました。
昭和の時代にはその時代の社会の生き方がありましたが、時代が変わっても、人間の正しい生き方は変わらないと信じています。私はアドバイザーとして学び、実践し、やり方を変えてきたのは、単純にその時代に合わせた結果です。50年以上経っても同じようなことを話していますが、それが真理だからです。真理は変わることがないので、今も昔も同じ考えを持ち続けています。
経営アドバイザーとしての役割は、ただ単に経営の問題を解決するだけでなく、企業や組織の中で人々が本来の自分を見つけ、のびのびと働ける環境を作ることにあります。時代が変わっても、真理を基にしたアドバイスは変わらないものであり、これからもその信念を持って人々を支えていきたいと考えています。
私の目指すところは、企業の利益だけでなく、そこで働く人々が幸福を感じられるような環境を作ることです。それが本当の意味での成功であり、成長であると信じています。皆さんが自分の役割を果たし、のびのびと生きることで、組織全体が成長し、発展していくのです。
自然学と六式経営法、そして人に伝えたいこと
私の考えは陽明学とは異なり、自然学と六式経営法に基づいています。私の著書にも書かれているように、自然学は自然の理に従った生き方を重視するもので、陽明学とは異なるものです。しかし、心理を追求する過程で似たような結論に達することがあるのかもしれません。
現代社会では、問題解決の方法をシステマチックに考える人が多いですが、真に重要なのは今を生きることに真剣に向き合うことです。問題が起こる原因を理解し、それを防ぐ方法を知ることが大切です。問題が起こらないようにするために、必要な知識を持つことが求められます。教育や思考の重要性を理解し、それを実践することで、これらの問題を解決することができます。
現代社会が抱える課題
感謝の心や自己反省、実践が欠けた社会は、多くの面で問題を抱えることになります。私が思っている大切なことはとてもシンプルです。そしてそれはたった3つです。しかしこれらが欠如した社会というのは多くの課題を抱えることとなります。
私が大切にすべきだと考えていることの一つ目は、ものには感謝しましょう。そして、お返ししましょう。私は多くの人から、感謝教と言われるたりします。それくらい感謝を大切にしています。
2つ目は自分の中に全て知恵があるということ。そしてその知恵を出す。知恵を出すために反省しよう。ということです。
3つ目。理屈を言ってもダメ、自分でやりましょう。これも行動位移すというごくシンプルな考えです。
感謝の気持ちが欠けると、人々の間で不満や不信感が増えます。感謝の気持ちを持たない人々は、自分の周りの人々や物事に対して当たり前と感じるようになり、他者の努力や貢献を認識しなくなります。これにより、人間関係が悪化し、職場や家庭での不和が増加します。
物に対する感謝の気持ちがないと、物を大切に扱わない風潮が広まります。これは浪費や過剰消費を招き、環境破壊や資源の枯渇を加速させます。物を大切にしないことで、持続可能な生活を維持することが難しくなります。
自己反省を行わない社会では、人々が過去の経験から学ぶ機会を失います。反省を通じて自分の過ちや成功を理解し、知恵を引き出すことができなければ、同じ過ちを繰り返すことになります。知恵を出すための自己反省がなければ、個人や社会全体の成長が停滞します。
反省をしない人々は、自分の行動に対する責任を回避する傾向があります。これは、問題が発生したときに他人を責める風潮を生み、責任の所在が不明確になります。結果として、問題解決のための適切な対応が遅れ、社会全体の効率が低下します。
理屈だけを言って実践しない社会では、理論と実践の間に大きなギャップが生じます。良いアイデアや計画があっても、それを実行に移さなければ何の意味もありません。実践が伴わなければ、社会の進歩や改善が停滞し、実現されない理想論が積み重なるだけになります。
人々が自分で行動しない社会では、他人に対する信頼が低下します。口先だけで行動しない人々は、他者からの信頼を失い、コミュニティや職場での協力が難しくなります。信頼が欠けた社会では、共同作業やプロジェクトの成功が難しくなり、全体の生産性が低下します。
感謝、自己反省、実践が欠けた社会は、不和と不満が増加し、知恵の喪失と責任回避が広がり、理論と実践の乖離が生じます。このような社会では、個人やコミュニティの成長が停滞し、信頼と協力が失われるため、持続可能な発展が難しくなります。感謝の気持ちを持ち、自己反省を行い、実践することが、より良い社会を築くための基本であると言えます。
人生の指針と未来へのメッセージ
最後に、今、人に伝えたいこと、世の中に発信したいこと、そして未来の若者に伝えたいことは、「明るく楽しく素直に生き、そして多くの人々の役に立とう」という信念です。これが私の人生の指針であり、多くの人にとっても良い生き方の指針となると考えています。
「明るく楽しく素直に生きよう。そして多くの人々のお役に立とう」
〇明るくとは常に善いことを思うこと
〇楽しくとは他人のためになることを語ること
〇素直にとは善いことはすぐに行動実践すること
〇そして多くの人々のお役に立とう
日々の生活の中で、常に前向きでポジティブな思考を持つことが重要です。困難な状況でも、善いことを見つけ出し、その希望を心に持ち続けることが、明るく生きるための秘訣です。
人々とのコミュニケーションにおいて、他人に喜びや有益な情報を提供することを心がけましょう。他人のためになる話をすることで、周りの人々も楽しい気持ちになり、自分自身もその幸せを共有できます。
良いことを思いついたら、ためらわずにすぐに行動に移すことが大切です。素直な心で、善い行いを実践することで、自分自身も成長し、周りの人々にも良い影響を与えることができます。
最終的な目標は、多くの人々の役に立つことです。自分の力を最大限に発揮し、他者の幸福や成功をサポートすることで、自分自身の生きがいも感じることができます。
私は現在84歳で、もう少しで85歳になりますが、まだ仕事を続けています。周りの人々が私を必要としてくれる限り、働き続けるつもりです。人というのは、今日よりは明日、明日よりは明後日というように、少しでも良くなっていこうと思って生きているのが普通です。私の役割は、そのお手伝いをさせてもらうことです。相手が必要とする限り、私はその支援を続けます。未来の若者に対しても、同じメッセージを送りたいです。人生には様々な困難や挑戦が待ち受けていますが、「明るく楽しく素直に生き、多くの人々の役に立つ」という信念を持ち続けてください。この信念は、どんな時代においても普遍的な価値を持ち、あなたの人生を豊かで充実したものにするでしょう。私の経営アドバイザーとしての経験からも、この信念の重要性を強く感じています。企業や組織の成功は、リーダーや従業員一人ひとりがこの信念を持って行動することに大きく依存しています。ポジティブな考え方、他者への配慮、迅速な行動、そして社会への貢献が、企業全体の成長と繁栄を支えるのです。
私の人生を通じて学んだこと、そしてこれからも伝え続けたいことは、「明るく楽しく素直に生き、多くの人々の役に立つ」というシンプルでありながら深い信念です。これを胸に、皆さんも自分自身の人生を豊かにし、周りの人々と共に幸せな未来を築いてください。