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2024年 薩摩琵琶活動報告

 転職と同時に始めた薩摩琵琶。経緯に関してはnoteにまとめた記事があるのでそちらをご覧ください。
 今回は2024年の活動報告です。

・今年習った曲

「蓬莱山」
「鶴亀」
「祇園精舎」
「敦盛」
「弁財天」
「七福神」
「羅生門」
「茨木」
「黒田武士」
「壇ノ浦の戦い」

 うちの先生の座右の銘、「鉄は熱いうちに打て」。
 言葉の通り、他の人よりかなりハイスピードに詰め込まれております。
 先生の目算では、二年ごとに受けられる昇伝試験をストレートで突破して、最速で教師免状まで行ける、とのこと。本当かなあ。ちなみに今は習いたてですぐもらえる「初伝」におります。
 薩摩琵琶、とりわけわたしの習っている錦心流は歌を重視する流派。演奏は二の次になることも多いようですが、自主練習してたらある程度弾けるようになったので、より専門的な指導もしていただいています。やはり自分で音源をたよりに音取りをしたところで「それっぽく」はなりますが、本物にははるかに遠いということをお稽古のたびに痛感します。


・上野での演奏活動

 上野東照宮での演奏会に参加。
 こちらは先生の門下生の集う演奏会で隔月開催。今年は2、4、6、8月に参加。10月は仕事が忙しくて行けませんでした。
 2024年も参加予定。2月はじまりの隔月開催、最終日曜日の11:00~です。
 「次は長い曲でよろしくね」と先生から言われております。というわけで2月は「黒田武士」の予定です。

「蓬莱山」演奏風景
今年の演奏日程

・松本での演奏活動

 2023年は仕事先の銭湯「菊の湯」での演奏会をさせていただきましたが、2024年はなんと、神社のお祭りで演奏させていただきました。

 7月の深志神社例大祭「天神祭」、10月の四柱神社例大祭「神道祭」に参加。
 こちらのお祭り、知り合いが氏子で……という、完全なるコネ参加でした。
 「舞台」と呼ばれる、いわゆる山車が出るのですが「その上で演奏してほしいなあ」というお話をいただき、面白そうだったので二つ返事で承諾。
 当日まで全貌がよくわかっていなかったのですが、行ってみて「ここで!?」と驚きました。

「伊勢町一丁目」舞台。こじんまりとしていてかわいい

 場所は神社の境内の中。近くの神楽殿では神社主導の奉納舞などが行われ、周りの舞台ではそれぞれの地区の人が酒盛りや、太鼓や笛で祭囃子を演奏していたり……。とても賑やかでした。

 演奏曲
「祇園精舎」
「蓬莱山」
「月下の陣」
「川中島」
「城山」

 松本で琵琶を弾いている人、あまりいないので、それなに? と聞かれることが多かったです。あと「こんなところでやらずに神楽殿でやらせてもらえばいいのに!」とか。
 それは、まあ、神社の方に認知してもらってからですかねえ。

 「天神祭」の後、氏子さんからまたお話が。
「「神道祭」やらない? 今度はべつの舞台にも乗りましょう。」
 二つ返事で了承しました。
 新たに乗せていただいたのは「本町三丁目舞台」。芸者舞台とも呼ばれるぐらい豪華絢爛。あと舳先にいるのは伝説上の生き物「鷁(げき)」だそうです。

「本町三丁目」舞台
舞台2階。天井の装飾が豊か

 一日目の夕刻は桝形広場に設置された「本町三丁目」舞台にて。翌日昼間は大名通りの松本城に近い位置に設置された「伊勢町一丁目」舞台の上でそれぞれ演奏でした。 「天神祭」の時は調弦が四本で、声が聞こえないと言われていたので、「神道祭」のときは先生のアドバイス通り五本で挑みました。今度は遠くまで声が響いていたようで何よりです。 喉がつらくなるようなことはなかったんですが、道路脇だと排気ガスにやられますね。ちょっと咽そうになりました。

松本城と「伊勢町一丁目」舞台


 先生によく言われることですが。
「あなたは緊張なくどっしりとしていていいよね。」
 本当は緊張してるんですが、これがなかなか伝わらない……。
 本人としては、まあ、間違えちゃってもちゃんと弾ききって、自分が楽しければオッケーと思ってやっております。
 これがお金を取るような舞台なら、もちろん心持も変えていかなくてはいけないのですが、いかんせん修行の身の上。まずは場数を踏ませてください。
 一応、それぞれの舞台の方には「来年もぜひお願いします」と言ってみました。
 これで私が呼ばれれば喜んで行きますし、もしも別の方が呼ばれたとしてもお祭りが華やかになっていいと思います。
(それにしても、どの舞台に上がっても「次は照明と音響機材を入れないと!」と言われてしまうのですが、そこにお金をかける前に神楽殿のほうに推挙してくださってもいいんですよ(笑))

 来年お呼ばれするようなら、夏の夜、神社の境内で「羅生門」と「茨木」とかいかがなもんでしょう。やってみたいなあ。
 

・今年の目標


 まずは、上野の演奏会に参加すること。
 自分の演奏を不特定多数の方に、定期的に聞いていただけるというのも強みですが、何より兄弟子、姉弟子の方々の演奏を聞けるのが楽しすぎます。同じ段法や曲の演奏のはずなのに、それぞれの表現が違いすぎて別の曲に聞こえる……。琵琶って不思議ですよね。

 それから、自分の演奏会を開くこと。
 琵琶を譲ってくださった方から年賀状をいただいたのですが、「そろそろ演奏会、どうですか」としっかり書かれていました……。が、がんばります。

 松本は、昔、琵琶を弾く人がたくさんいたそうです。それが今では教室もないし、流派の支部もない。楽器の修理に至ってはそもそも日本に一件しか琵琶専門店がない。
 まずは近場に琵琶を聞ける環境を作ることが、わたしが地域に還元できることだなあ、と思っております。どんな活動になるのかは自分の気分次第ですけれどね。

 それでは、またどこかで演奏をお聞きいただければおもいます。今年も頑張りましょう。 

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