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あの頃好きだった番組たち

2020年8月5日『水曜日のダウンタウン』の「リアル豆柴ドミノ」が、期待通りの面白さだった。他人にキレてキレられ、狂って喜怒哀楽を見せ切ることが出来るのだから、クロちゃん以外にあの企画の適任者はいない。

予告時点から多くの人が「『おーい!ひろいき村』のドミノ企画ではないか?」と見抜いており、実際放送上でオマージュと思える場面(ドミナー、アルピー平子の説教芸、くす玉や立体交差など)が散見された。

私はこの放送を見て、「ドミノ企画」を見ていた当時のことを思い出した。私がバラエティにハマった時には、番組は打ち切りになってしまっていたので、大学生になってから好きなブログサイトで書き起こし記事を読んでいた。就活で辛い時、よく意味もなく「ドミノ企画」の書き起こし記事をインターネットの海の中から引っ張り出しては読み返し、元気を貰っていた。ラストの品川庄司・庄司の顔が圧倒的に面白いのだ。「こんな番組が見られるかもしれないなら、明日も頑張ろう」と何度思っただろうか。

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2020年8月6日『勇者ああああ』では、はんにゃ・フルールポンチの『ピラメキーノ』組に焦点が当てられた企画が放送された。震災の関係で最終回が放送されなかった『ピラメキーノ』の幻の最終回を行うという無観客ライブの様子をテレビサイズに編集したものだ。彼らは「2011年の絶頂期にいる」という設定になっており、2020年にいるアルピーらがヤジを飛ばしながら番組が進行していく。全編に渡って企画としての完成度が高く、もっと話題になっても良いと思う程であった。

最終的にしずるも合流し、レッドシアターズの「風になりたい」を歌って終わるというラストで番組は締められた。アルピー酒井が「泣いちゃう!」というヤジを飛ばしていたが、ここで私は本当に泣きそうになってしまった。私は小学生の頃『爆笑レッドシアター』が一番面白い番組だと思っていたし、まさしく『爆笑レッドシアター』こそが私をバラエティの沼にハマらせた番組の一つ(もう一つは『クイズタレント名鑑』である)なのである。ナナメな気持ちではんにゃやフルポン、しずるを観て爆笑しながら、どこかあの頃に戻れたことが少しだけ嬉しくもあった。

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上記の企画を「面白い」と思ったことは勿論なのだが、その上で、パロディ・オマージュ元の番組放送当時の自分の状況や思い出を頭に浮かべ、表すことの出来ない感情が幾つも心の中に浮かんできた。

人が通ってきた経験は様々なのだから、何かに触れた時どんなことを思うかも当然に多種多様である。「リアル豆柴ドミノ」はクロちゃんの喜怒哀楽を見せ切りたかったし、「『ピラメキーノ』幻の最終回」ははんにゃやフルポンを弄り倒したい企画であった。だから本来は私が思ったことは決して「制作者の意図通り」ではない。しかし、私はどんなことを企画に対して思っても良いし、逆に制作者が企画に何らかの「意図」を設定することだって勝手なので私の介入する所ではない。

世の中には想像以上に、この「発信者/受信者の自由」の原則を分けて考えられていない人が多い。ここがSNS上で巻き起こる諸問題を理解する糸口になるのではないかと睨んでいるのだが…。

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青いかさ
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