着陸体勢に入りつつあるらしい、、、?!

帰宅してからの父はほとんど声を発することはなく、こちらの呼びかけに首を力なくふる程度の反応でした。
医師による2度目の往診の際は、朝からこちらの呼びかけにも無反応で目の焦点も合っていないように見受けられました。
医師が訪問した際に小話程度にそのことを伝えると、隣りのリビングに移って、母と私に向かって静かに話し始めました。

「徐々に脳や心臓や腎臓の機能が落ちてきていて、段々と高度を下げて低空飛行になってきています。着陸体勢に入るのも時間の問題だと思います。今後は週単位で段階が進んでいくと考えてください。ご家族の呼びかけに反応できるのは今週いっぱいくらいかもしれません。ただ、耳は最後まで聞こえているのでたくさん話しかけてあげてくださいね。」

とおっしゃいました。
それから、少し事務的なお話もされました。今後は次の段階として、上の血圧が100を切ってくることが目安になる旨、また急なことも起こり得るため息をしてない場合はまず訪問看護師さんへ連絡すること、気が動転しているからといって間違えても救急車は呼ばないように、そうすれば救急搬送の際の心臓マッサージで肋骨が折れることもなく、警察が介入することもないとのこと。
非常に冷静でわかりやすい説明で、でも不思議と冷たくは聞こえず、知っておいて安心な情報でした。

先生が帰られてから母と2人で、とうに腹は括れているんだけど、具体的に伝えてくれてありがたかったね、と感想を言い合って、海外赴任中の兄夫婦や遠方の親戚などに連絡を取ろうと決めました。
会話は無理でもLINEやzoomのテレビ電話で顔を見せよう!ということになりました。
父に息子と妹たちとテレビ電話しようと提案すると急に覚醒し妹の1人の名前を絞り出すようにして呼びました。

え、、、?ええーーーーっ!!
喋ったしィ、でも息子の名前じゃないしィーーー!!!

母ときゃあきゃあ言いながら「あれ、ご子息は後でいいんですかー?」とか遊んでみました。
まだ、着陸体勢には入ってないのかしら、、、それともそれは私たちの希望的観測なのかしら、、、。
いずれにしても久しぶりに聞く父の声でした。



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