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LINE Payの期間限定手数料0円は「決済革命」と言えるのか

© iskw226

 LINEがこの1年で行った取り組みや実績について振り返り、今後の方向性を語る「LINE CONFERENCE 2018 」を取材してきた。

金融、コマース、エンターテインメント、AI、メディア、広告など、LINEが手がける様々な事業を「Redesign」すると語り、ニュース配信事業や旅行商品の販売、トヨタとのAIスピーカーにおける提携、仮想通貨取引所への参入など、本当に話題豊富なイベントであった。

日本発のプラットフォームとして、アジア地域でも成功を収めつつあるLINEの勢いを改めて感じることができた。

ただ、ひとつ気になったのが、決済サービス「LINE Pay」でのプレゼンにおける言葉の選び方だ。

今回の発表において、LINEは「日本に決済革命を起こす」と言い切った。

その中身と言えば、非接触決済プラットフォームであるJCBの「QUICPay」に対応し、全国72万箇所で使えるようになるという。また、店舗側がスマホアプリを使って、QRコードによる決済を受け付ける際には、3年間、決済手数料が0%になる。また、ユーザーはLINE PayのQRコードを使って支払うと、ポイントが3%増になるという。

確かに全国72万箇所で使えるようになるのは便利だが、支払手段はQUICPayであり、FeliCaに対応したAndroidスマホでなくてはならない。日本ではiPhoneユーザーが圧倒的に多い。しかも、FeliCaに対応したAndroidスマホを使っているユーザーであれば、わざわざLINE Payを使わなくても、QUICPayで支払える。また、iPhoneユーザーもApple Payを使えば、QUICPayで支払える。LINE Payに求められているのはQRやバーコードでの支払いであるはずなのに、なぜQUICPayと組んだのか、それがなぜ革命といえるのか、首を傾げてしまった。

また、決済手数料0%、ポイント付与というのも、店舗側、ユーザー側にとってかなり魅力だという。実際、この施策によって、キャッシュレス社会は広まるかもしれない。ただ、決済手数料0%、ポイント付与というのは「期間限定」であって、永久に提供されるものではない。期間限定キャンペーンは「革命」に値するのか。

この「手数料0円を革命と言い切る企業が昔いたような」と記憶を辿ってみたら、ヤフーがヤフーショッピングの出店手数料やシステム利用料を0円にした時に「Eコマース革命だ」を熱く語っていたのを思い出した。日本では手数料を0円にすると革命になるらしい。ただ、ヤフーショッピングの場合はいまでも無料となっていることを考えると、確かにEコマース革命だったのかもしれない。

中国の「アリペイ」「WeChatペイ」は決済手数料はかからず、店舗側が受け取った価値を現金化するときに初めて手数料が発生するという仕組みがメインだ。

LINEももしかすると中国と同じスキームを展開しようとしているのかもしれない。LINEが期間限定ではなく将来に渡って決済手数料0円を実現したら、真の「決済革命」として、日本にキャッシュレス社会が訪れることになるだろう。

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