誰にでも使いやすいSNSを作るよ
Yet Another SNS? --- 既にあるのになぜ作る?
僕はインターネットの商用接続が始まる前にパソコン通信やBBSと呼ばれていた方法で掲示板に書いたり読んだりしていた世代です。当時はASCII Net、PC VAN、Nifty Serveなどの大きな掲示板やAsahi net、日経MIXといった中堅どころ、その他企業や個人が運営する小さな掲示板など実にさまざまなタイプのコミュニティがありました。それぞれのサービスにはそれぞれに電話番号があり、接続するたびにモデムという機械を使って電話をかけていました。繋いでいる間は電話料金がかかるので、未読のメッセージをまとめてダウンロードしてゆっくり読む方法がパソコン雑誌の特集記事になったりしていました。今となってはちょっと信じられないことです。
興味があることにはとりあえず手を出してみる性格なので当時としては結構なお金がかかった専用の電話回線を2本用意して中古のパソコンで掲示板プログラムを稼働させモデムの使い方やプログラミングの話をするコミュニティを運営したりしていました。当時は一般の人がパソコンを使う時代ではなかったので掲示板に入ってくる時点でギーク(パソコンオタク)属性のかなり濃い人達だったわけです。最先端の話題がものすごい密度とスピードで進んでいきます。雑誌に載る頃にはギークたちはみんなその情報を知っているという状況が既に始まっていました。そんなメンバー同士の間ではコミュニケーション密度が(無駄にw)高く、さまざまなコミュニティでリアルに集まる「オフライン会議」「オフ会」が頻繁に行われていました。30年以上前のことです。
インターネットの商用接続が始まり、一般の人もパソコンを使うようになりました。インターネットの世界でもオンラインのコミュニティ文化は引き継がれていくだろうと考え、そういう分野で仕事をしようとstreet.jpというドメインを取得し、フリーペーパーなども発行したりしていたのですが、どうも人を巻き込むのが不得手でビジネスとして継続できる体制をつくることができませんでした。その後、マニュアル制作やシステム開発の仕事をしながらボランティアに参加したりコミュニティの作り方について学んだりしながら現在に至っています。
5年ほど前に、「高齢者の生活支援のためのSNSを作ってみたらどうか」と知人から提案があって「おたすけSNS」というものをテスト的に作ってみたのですが、当時はそもそもスマートフォンを使っている高齢者が少ないということもあってテストを少ししただけでお蔵入りになってしまいました。そうこうしているうちに去年あたりから、高齢の方がスマホを使い始めたとか、興味があるから使ってみたいという話をよく聞くようになり、そろそろ再チャレンジの時期かと思っています。ただ、「高齢者向け」というのではなく「誰にでも使いやすい」「安心して使える」ということを目標にしたいと思います。
そこで思い出すのはパソコン通信時代に経験した「限られたメンバーとの濃密なコミュニケーション」です。今のインターネットでは知らない人から誹謗中傷を受けたり、怪しい話を持ちかけられたり、詐欺にあったり、情報が多すぎてどこを見たら良いのか分からなかったりと、誰にでも使いやすいものではありません。うっかり変な所にさわってしまうと見たくもない広告のページに飛ばされ元に戻る方法も分かりにくかったりします。規模の経済でお金を儲ける時代の流れから仕方のないことかも知れません。ただ、お金を儲けなくても良いのであれば、まだまだやれる方法はいろいろあるのではないでしょうか。小規模のコミュニティ運営など、そもそも儲かる要素がありません。儲けなくてもいい人たちで力を合わせて良いものを作れたらと思っています。
facebookに開発のためのグループを作ったのでご興味ある方はお声掛けください。