他力本願
専門学校に入学したてのあの時、楽しすぎて大きい声はり上げてずっと笑ってた。
それまでのお友達の範囲を遥かに超えた、年齢も性別も故郷も違う人達と話をして色んな衝撃を食らった18歳の私。
可愛い可愛い方言で話すみんなの事、なんだかやけに羨ましかったなぁ。
そこで出会ったひとつ年上のゆうちゃんという女の子は、簡潔にまとめるとぶっ飛んでる系の女子だった。
北新地にある専門学校に来る為に京都から京阪電車に乗ってくる。
淀屋橋まで行ってそこから御堂筋でひと駅乗ってから歩くか、京橋まで行ってJRに乗りかえて北新地まで行くのが普通。
まぁほら。普通じゃないからさ。
淀屋橋にコソコソ自転車置いててね。
その不法投棄してる黄色い派手なちゃりんこで来るわけよ。
あのオフィス街に自転車をコソコソ2年間も置いとける!?
よー撤去されんかったな。笑
そもそも何で取られへんかったんよ。笑
ってかどこ停めてたんよ。笑
ほんで黄色いねんめちゃ派手やねん。笑
そしてこのゆうちゃんというぶっ飛び女子はまじで男の子の話が途切れませんでした。
確かに顔はとても可愛いがお洒落な古着っぽいお洋服で、男に媚びるようなキャラの外見ではない。
あまりペラペラ自分の事を話す人でもないし、温厚でゆるやかな性格だ。
自分から色んなところへ出逢いにブッこんでいく感じでもなかった。
なぜかモテる。とてもモテるのである!
医者の卵見つけて来たり、お坊さんに鴨川で助けてもらったり、なんかどえらい金持ちもいたなぁ。
まぁこの子の話を聞いていると自分の薄っぺらい恋の話が恥ずかしくなるけど、それでも聞きたいほど面白いのである!
今は3人の子供がいる強いママになっている。
そして予想はついた。全員男の子だ。流石。
踏み込んでズタズタになっても、最後は笑ってられるようなそんな人。
何があっても自分が正しいほうを向けるそんな人。
悩んだら後先考えず進む事も大事だと私に教えてくれた人。
地に足つけすぎてなかなか踏み出せないような私をそっとそっと進ませてくれる、そんな友達。
専門学校を卒業して15年。
とてつとなく楽しいお友達と、まだ繋がっていられる事が嬉しくなるほどの歳月が流れました。
これからも私のつまんない人生に楽しいスパイスを与えてね。