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「魔女の宅急便」は私の成長物語でもある

子供の頃からジブリが大好きだった。

物心ついた時からトトロをかじりつくように見ていたし、ラピュタもビデオテープが擦り切れるほど見た。

そんな中で私が今になってこそ響くと思う、大好きな作品が「魔女の宅急便」だ。


ジブリのあらゆる作品は、子供の頃から何度も見て、「ようやく今そのシーンの意味が分かりましたわ!!!」ってなるのが良いところだと思っている。

自分の視点が変わっていること、深く考察できるようになっていること、気づかなかったものが見えるようになっていること。

あらゆる自分の成長を感じさせてくれる。

その最高潮が「魔女の宅急便」だと私は思う。


まず魔女の宅急便には私の中で3人の主要な人物がいて。

魅力的な人物はたくさんいるけど、「成長を感じさせてくれる」という意味で考えた時に、この3人がより一層相対的に見える。

主人公のキキに関してはその時期によって人格が変わっているように見えるくらい著しく成長を感じるし…

主要人物と成長過程を私的に細かく分類するとこんな感じ。

キキ

①スタート期

人生のこと、何も知らない。根拠の無い自信がある。成功も失敗も知らないからこそがむしゃらに頑張れる。

②軌道に乗る期

仕事や夢の厳しさを少しずつ知っていく時期。成功の喜びを知る反面、失敗の怖さも知る。

他者と比べたり、自分の無力さを知ったり、やや不安定になりつつも確実にステップアップを実感する。

③スランプ期

何もできなくなる。今までどうやってできていたのかも分からないし、自信も全くなくなる。全てをリセットしたくなる。

違うことをしてみたり、他者を見つめてみたり、休んでみたり再スタートしてみたりと解決策を模索する。

④ステップアップ期

スランプを脱出して、自分に対して少し俯瞰して見れるようになる。ステップアップの証拠!

自分でどうにかする力と自信がつく反面、「どうしようもできないこともある」って謙虚になる。

人生の苦みをちょっとだけ知る。また②に戻る。


ウルスラ

多分キキの④ステージ2周目くらいな気がする。

スランプの悩みに「そういう時もある」「私はこうしたよ」ってアドバイスができる。

スランプ期の自分がまだまだ身近に感じるし、自分だってどうしたらいいか分からない気もする。

だけど、辛くてもきっといつか抜け出せるってわかってる。


オソノさん

↑のステップは全部経験済みで、そんなんどうってことない!ってどーーーーーんと構えることができる。

正真正銘の大人。憧れ。目標の極み。人生の先輩。

ちょっとのことじゃ自分は動じない。

でも、若い時こういう悩みあったな〜可愛いな〜って見守ることができるし理解もできる。

お節介じゃなく、ちょうどよく手を差し伸べられる。




こんな感じで、キキ①〜④→ウルスラ→オソノさん の順で人は成長していく。

子供の時に見ていたキキは、自信満々で可愛くて、一度飛べなくなるけどまたすぐに復活して、頑張ればまた飛べるんだ!くらいに思ってた。

むしろ、猫のジジと会話出来なくなっちゃった〜😭😭とか、そんな感じでキキの成長も何も見えてこなかった。

けれどバッタバタな専門学生期間(夢を追いかける期間)を経て社会人になってから見ると、

空を飛べなくなったキキを見て涙が出たり、

ウルスラの言葉が身に沁みて心が熱くなった。

そうやって、共感するポイントや気付くことが変化している自分に、「魔女の宅急便」を見ると気付く事ができる。


わたしは今、どこのポイントにいるんだろう

転職したてで何も上手に出来ないから、キキの②かな?それともうまく行かな過ぎて③?

一度はウルスラの気持ちにもなれたけど、居場所を変えた事でキキに戻っちゃったなあ。

オソノさんになりたいけど、当分はなれそうもない。

もっと歳を取ったら、オソノさんも通り過ぎてニシンのパイを焼くおばあちゃんになるのかな。


辛そうなキキを見て胸が痛むのは、それだけ他人事に思えないからだ。

まるで自分のことだと錯覚するからだ。

ほんっとうにキツイよね。

自分から何もかも奪われたような、「じゃあ私何もないじゃん」みたいな、そんな暗ーーい気持ちになる。

やっぱり私は今、③のスランプ期なのかも…


キキはまた空を飛べたし、ジジとは喋れなくなったけどそれでも良いって感じだった。

全てを手にするわけじゃなくても、きっと自分次第で明るい未来にできるんだと思う。

「落ち込んだりもしたけど、私は元気です」って言えるように。


自分の現在地を知るために、きっと私はまた「魔女の宅急便」を見る。




#日記 #エッセイ #魔女の宅急便 #ジブリ

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