親友が妊娠したら、寂し面白かった
親友が妊娠した。
私の旅行記などで度々登場し、彼女が結婚した時もnoteに書いたくらいの仲だ。
(↑ほぼNとの事件簿)
お盆ごろ、彼女の家に泊まる約束をした。しかしその2週間前くらいに体調が悪いのでリスケしてくれと頼まれて、珍しいなと思っていたら妊娠だった。
会った瞬間に心配で「あの時の体調不良何だったの??」って聞いたら「あぁあれね、妊娠だった🤣」みたいなサラッとした妊娠報告が何とも彼女らしかったのだけど、
普通に私の背後にだけ稲妻が落ちたんじゃないかくらいビックリした。
「うぇっ!それはおめでとう」と反射で返事をしたけど、頭の中ではかなり混乱した。
妊活していたというよりも、“避妊は別にしてない”みたいな感じだったんだと思う。
子供が欲しいと特別言っていたこともなかったから、私としては青天の霹靂だった。
母性という母性が無い親友は、妊娠に対して嬉しいとか愛しいとかでは無く淡々と近況を話した。
私から見ると冷静か狂ってるかどっちか分からないような精神状態に見えて、それが面白かった。
妊婦になって初めて感じることがたくさんあったのだろう。
さすが彼女だなと思うような視点で喋るから感心した。学びに近い。
つわりがそれなりに変な症状だったことと、彼女の仕事上上手いこと休めたようで1ヶ月間休んでいたらしい。
その間に色々考えたり思ったり暇だったりしたんだと思う。
と言われてその日はご飯を食べて別れた。
じわじわと、寂しさを感じた。
帰りの電車で
え、てかもうしばらく親友と海外旅行に行けない
んじゃん!
ってすごく実感した。
まだまだ一緒に行きたいところもあったし、軽い約束をしてたような場所もあったのにな。
そりゃ妊娠はおめでたいけど、みんなが心の底からお祝いできるかって言ったらそうじゃない。
時間は平等なのだから、母になったら今まで1人の時に出来たことが出来なくなったりもするだろう。
今までと全く同じように、年に一回は海外旅行に行っちゃおーね!って軽々しくは言えないし、「しばらくは行けないよねー」って本人も言っていた。
そんなの当たり前のことなんだけど、やっぱりそりゃあ寂しいよね。
私にとっては、親友との大きな時間を失ったとも
言えるわけなんだから。
家に帰って旦那に「N(親友)が妊娠したんだって」と言うと「おぉそっかそっかー」とフラットな返事がきた。
「おめでたいことだけど、もうしばらく旅行も行けないし寂しいよー」と付け足したら、落ち込んでいることに気づいて「俺がいるよ〜」と慰めてくれた。
優しさを感じるけど、旦那は旦那だから、親友の代わりでは無いのだ。
「俺がいる」と言ってくれるだけありがたいけど、じゃあオッケー!とはなれない。
数日間、頭の片隅に寂しさと急な妊娠報告の衝撃が残っていた。
1週間ほど経った後、親友からLINEが来た。
「honoと行った旅行のアルバム作ったんだけど、届いたの!今度見せるね♡」
つわりでの長いお休みの時に、どうやら作ったらしい。
それはいわゆるただ写真を印刷してアルバムにペタペタ貼ったものじゃなくて、動画とかデジタルなものでも無くて、
自分たちが撮った写真のデータを好きに組み合わせて製本化してくれるサービスを使って作ってくれたものだった。
本屋に売ってる写真集のように製本化されたすごく綺麗なそのアルバムをパラパラーっとめくった動画が添付されていた。
それを見たら、彼女と一緒に行った8ヶ国分の旅行の思い出が詰まっていた。
国内も合わせたら、もっと沢山行った。
どこも楽しかったし、どこも美しかったし、どこに行っても私たちは笑っていた。
そのアルバムの表紙には「part1」と書かれていて、
まだまだ続きがあるんだと思えた。
そりゃあアラサーだし、ライフステージの変化があって当然。
いくら親友だからって、足並み揃える必要は無用だ。
寂しさは付き纏うけど、それでもその時々の距離感でやっていけば良いし、
久々に会っても、久々に会った感じがしないくらい楽しめるのが友達ってものだと思うから。
彼女らしく、妊婦生活も子育ても面白くやっていて欲しい。
そしてまたいつかきっと始まる、私たちの旅のpart2を楽しみにしていようと思う。