『読解力の強化書』で読解力は強化されるか
読書記録(推奨されているので実践を兼ねて)
著者によれば、読解力を構成するのは要約と敷衍で、両方を行うことが重要。要約には、ロジカルシンキングが、敷衍には行間を読む力と、読んだ内容を表現する力が求められる。
さらに、読解力の本質は、相手の反応や行動を理解するし上手く対応することにあり、この読解力を高めるには、現実では出会えない人格や状況に向き合うことができる古典小説を読むのがよいとのこと。
感想
この本を読むだけで読解力が高まるわけではない。実践には別途読解力を高めることを意識した古典的小説の読書が必要である。
一時期小説が嫌いになったことを思い出した。一番の理由は、誰もが涙せざるを得ないような筋書きや感情移入させる伏線で読者の感情をコントロールし、読者を一定の感情や論点、考えに導こうとする作家の意図が浮かび上がる小説に嫌気が差したからだった。この本の後半は、著者が学生と『塩狩峠』を読み進める記録となるが、『塩狩峠』の作家には読者をコントロールしようとする意図が強く感じられた。ただ、勧められていた夏目漱石の小説は再読したくなった。
冬休みの読書記録① 読書時間 30分