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コロナ禍の大学生活

前期の授業が終わりました。私は大学2年生で、大まかに言うと英語やら文化やらを専門に勉強しています。記録や日記的な感じで、ここに前期を全てオンライン授業で受けてみた感想やら小言やらを書き残しておくことにしました。

うちの大学は参加型のアクティブな授業やディスカッション主体の授業が多く、一般的な講義形式の授業とそういう感じの授業は、比率的には半々くらい。必修科目はみんなディスカッションやスピーキング(英語の練習)がメインで、教室も小さな所で、1クラス多くて20人。そんなうちの大学も、今年度は全部オンライン。新入生のことを思うと涙が出ちゃいますね。だってオープンキャンパスとかで見学した施設や体験した授業、入学してから何一つ実際にうちの大学生として体験できてないんだもの。学費返せって声が上がるのも仕方ないと思ってしまう。

オンライン、最初の頃は先生も生徒も面白がって色々実験的に試したりして試行錯誤してたけど、だんだん出来ること、できないことが明確になってきて、それ以降は本当に惰性の日々だった。やる気が全く起きない。やる気センセーション(篠原ともえ)。

まず初めにぶち当たった壁というか、うわあ…となったポイントは、履修登録。大学は自分で受けたい授業を見つけてその初回授業に出席し、受講希望者の人数がキャパに合えばそのままその授業を履修して、真面目に受けて課題とか出せば、卒業に必要な単位をもらうことができる。普段の通常の対面授業の時は、大抵教室にワラワラと生徒が集まって、「はいじゃあ人数多いので抽選しまーす」とか「人数ぴったりでした!全員履修可能です!!\わーー/」みたいな、そんな感じ。しかしオンライン授業では、①ZOOMの人数制限の関係で抽選希望の生徒が初回授業にアクセスできない。②先生によって「今期は教室じゃないからキャパ以上の生徒さん入れちゃいます」とか独自ルールを展開し始めて、人数的に今期は無理だなって諦めてて初回来なかった生徒が困惑。③週2回ある授業ではZOOMのオンライン授業は週1回だけにします!あとの1コマは各自課題をやりましょう!とかいう発表が後から出されて、「えー!!じゃあ授業被ってて諦めたあの授業、取れたじゃん!!」という混乱が発生。…などなどの問題が。

それに加えて、春頃なんてみんなまさかコロナがこんなに長く続くと思っていなかったから、「この前期は休講にしてコロナが収まった夏とか後期に延期します」という判断を下す教授も少なくなく。そうなるとそもそも前期に開講される授業数が、半分とまではいかなくとも、3分の2くらいに減ってしまって、そうなればもちろん生徒は溢れる。授業の抽選の倍率はえげつないことになり、普段余裕で登録できる授業も全部抽選。30人キャパの授業に300人以上おしかけて(ZOOMの人数上限が300人の設定だったみたい)教授本人がそのZOOMに入室できないなんて事態も起きていた。実際私も最初に予定して組んでいた時間割と、実際に抽選に受かったりして取れた授業を組み合わせてなんとか作った時間割(決定版)は、もう必修で元々入ってた授業以外はほぼ全部想定外。そのせいでバイトのシフトもなかなか提出できなかったりして、多方面に迷惑をかけてしまった。

まあ流石に後期の履修決めが始まる頃には何かしら対策されてるとは思うけど、このままじゃくじ運悪い人なんかは受けたい授業がちっとも受けられない。高い学費払って入学したのに、抽選で外れて受けたくもないようなどうでもいい授業で課題やって単位稼ぐなんて…最悪ですよね。ましてやどうでもいい授業でさえ抽選で落ちて取れなかったら、単位足りなくて卒業できないじゃんね。授業ちゃんと受けてなかった、とかじゃなく、そもそも授業の抽選に当たらなくて授業を受けられなかったから単位不足で留年です、だなんて事態が現実味を帯びてきている。本当、こんなことなら休学してコロナ明けるの待った方がいい。(実際それ考えてる友達も結構いる)(私もちょっと考えてる)


苦難の履修登録を乗り越えて、いよいよZOOMを使ったオンライン授業の始まり。冒頭にもチョロっと書いた通り、最初は良かった。と、思う。新鮮だったし、朝起きなくていいし、先生もオンラインならではの授業方法を考えたりして、大変だけど頑張ろうね!!っていう意気込みがまだあった。

しかし。そもそもこの前期は、「オンラインにする!」という決定が出てから大学側がオンライン授業の環境を整えるのに時間が掛かっていて、本来15週間かけて授業をやるのが、それが2週間削られて13週間しかなくなっていた。その2週分の授業はどこか他で補わなければならない。じゃあそれをどこで補うか?……授業外課題、しかないんですよ。

ただでさえ詰め詰めの授業内容で、先生の説明も早足になって、しかも大多数の人類が慣れてないオンライン授業で、「電波悪くて先生が何言ってるのかわからない!」とか「ZOOM落ちちゃった!」とかパニクってる中、膨大な量の課題がね。ほいっと出されるわけですよ。

正直このオンライン授業の中で一番嫌気がさしたのは「課題の量」だった。

ZOOMでのオンライン授業は生徒に対してすごいストレスがかかる、という研究発表がどこかにあるらしく、それを踏まえて先生たちも、「じゃあ本当は授業は90分だけど、ZOOMは60分にします。(その分課題は出します)」といった風に臨機応変に対応してくださっていた。最初の頃は先生方もその独自の決定事項を守ってやっていたし、課題の量もそんなに気にならなかった。ZOOM後の30分の授業時間で出来るし。

もちろん最後までそのペースで、生徒のキャパシティと課題をやる時間を考慮して授業を進めてくださった先生方もいた。本当に有り難かった。しかし一部の先生は、なんかもう、目に見えてわかる感じ。「私今パニックです」って。

オンライン授業化パニックに陥った先生は、大抵60分と言いながら90分授業をする。それなのに課題を出す量は変わらないし、むしろ多かったりもした。きっと、オンライン授業=いつもよりは時間に余裕ができる=生徒も多少多く課題出しても余裕で出来るっしょ。という考えの先生が、多すぎたんだと思う。

いや、そういう考えの先生が1人や2人ならまだ、その授業の課題に費やす時間を増やせばなんとかなるんだけど。そう考えてる先生が多すぎると、こっちもパンクしてしまう。酷い時はお昼ご飯を食べる時間もなく、土日は朝5時に起きて夕方の7時とかまでみっちりやって、やっと課題が終わる…ってな感じだった。

そんな状態で課題やっても、こっちも切羽詰ってるから質の良いレポートとか書けないし、必然的に全体に雑になる。それで課題を出した先生の方も、もちろん出した分だけ課題を添削したりしなきゃいけないから、添削にすごく時間がかかってしまう。それで翌朝の授業に寝坊してくる先生もいた。明け方まで課題チェックしてた…って。なんかもう、なんだろう、この、

先生が課題をいっぱい出す→生徒側も切羽詰って課題の質が落ちる→受け取った課題の添削が追いつかない→添削も雑になる→評価微妙→生徒のモチベが下がる→先生も疲れてしまう

っていう、悪循環。

気持ちはわかる。ZOOM授業だと生徒がちゃんと授業内容理解できてるか不安だし、オンラインだと試験もできないから、課題の量でそこを補おうっていう。

ただ、ね…。後期もこの調子だったらどうしよう、って、考えると不安で仕方ないから考えないようにしています。もう最後の方とか課題放棄してるクラスメイト結構いたし。それで授業にも来なくなっちゃって、結局単位落とす、とか。大学の教育体制、崩壊してない?


私には年下の兄弟やらがいないから、「なんで小中高は学校行ってるのに大学生だけ!」という意識はあまりなかった。むしろ大学の講義なんてものによっては、ちょっとしたコンサートとかと変わらないくら人集まるから、仕方ないよな〜とすら思う。

ただ、流石にここまで続いてしまって、後期もオンラインです。と言われてしまうと、「えっ、私たちの大学生活、何?」という気持ちになってしまう。1年次がめちゃくちゃ楽しかっただけに、ただひたすらに悔しい。あんなに楽しくてキラキラしてた大学生活が、今じゃ部屋に籠もってこんな文章書くまでになってて。上京してきた新入生なんかはもっと辛いだろう。

せっかく憧れて色々犠牲にして死ぬ気で勉強して入学した思い入れの強い大学で、2年生になったら夏休み中に留学して、3年生になったら全休作ってあそこでバイトできるように1、2年のうちに出来るだけ詰めて単位とって…とか色々計画してたのに。全部無駄とは言わないけど、もうその計画が達成されることはないんだな、って。「10代のうちに1人でイギリスに行く」という私のイカした夢はもう一生叶わない。誰のせいでもないから、怒りのやり場もない。本当だったら私は今ごろロンドンの語学学校に1人で留学しているはずだった。


コロナ禍で、一度だけTOEFLを受けに大学のキャンパスに行ったことがあった。といっても、教室を分けて、1つの教室に入れる人数をうんと減らしての試験だったから、友達にも会えず、2年次から同じクラスになった、まだ会ったことのない幻(?)のクラスメイトにも会えず。つい1年前までは日常だったキャンパスの風景が、途方もなく遠い思い出の中の景色に見えた。私は今のこの生活を、「新しい日常」だなんて呼びたくない。防疫しっかりしながらも、私は意地でもコロナ以前の暮らしを頭の中で忘れないように生きていく。いつかコロナが落ち着いた時に、その暮らしにすっと戻っていけるように。帰り道を忘れないように。

このままオンラインで卒業とかだったら嫌だな。コロナ世代とか言われそう。就活も大変そうだし。

今は嫌なことばっかり頭に浮かんでしまうけど、楽しめることは精一杯楽しみたいですね。オンライン授業でも、楽しい授業は楽しかったし。この先どうなるかわからないけど、目の前のことをこなしてコツコツ生きていこうと思います。

長々と読んでくださりありがとうございました!