「運命の出会いって信じる?」
こんばんは、ちかと申します。
皆さんは、「運命の出会い」を信じるだろうか?
先月、国際会議に出た。その話はいずれどこかでするとして、今回はその余波であり、ここ数日の私が考えすぎるあまりどうにかなってしまいそうなくらい頭を抱えている問題について、お話したいと思う。
国際会議が終わって最後のビュッフェを食べている時に、同じ会議に出ていた韓国の男性に「ずっと話してみたかったんだ」と声をかけられた。私の英語はお世辞にもうまいと言えないので、「そうだったんだ、ありがとう」くらいしか言えずに別れたのだが、一緒にランチが食べれなくて残念だよ!的なことを言われていた気がする(私は教授と食べることになっていたので、ランチの誘いを断った)。
その話を友人にすると、「連絡先とか聞きなよ!」「もう帰るんだよ!」と背中を押されて、私は彼がごはんを食べているところに行って、「英語が上手くないの、ごめんね。よかったら連絡先交換しない?」と伝えに行った。彼は「全然気にしないよ!交換しよう!」と交換してくれて、名刺をくれて、その場で解散した。
交換したインスタで、「コーヒーでもいかないか」と誘われて、ホテルのロビーで待ち合わせ。そこから最初は年齢を聞かれたり、何をしているか話したり、お金を払ってもらうのすったもんだがあったりしたのち、スタバに腰を落ち着けてたっぷり研究と母国の話をした。「お酒は好き?」と聞かれて二軒目は高層階のバーへ。
そこで、タイトルの「運命の出会いって信じる?」に繋がったのだ。
ドラマのワンシーンをずっとみているような時間だった。まあ、ドラマなんてまともにみないのだが、いわゆる「ドラマのワンシーンの一部」と等しい2時間だった。
以下、私の拙い英語力で聞き取った彼の言葉。
「きみのひとみはとてもチャーミングだよ」「君は、運命を信じる?」「今日は、僕と君のこれからにとってとても重要な日なんだよ。すごく大切な日だ」「これを偶然だと思う?」「翻訳しないで、僕をみて、君の言葉で伝えて?」「何をそんなに戸惑ってるの?」「思ってること全部言って。何を躊躇することがあるの?」「僕のことを信じてよ」「今日のことは絶対に忘れないから」「君に会えてよかったよ」「日本に行くよ、そしたらあってくれる?」
これを、外国の57階のバーの窓際の席で、年上の男性に手を握られながら言われている自分を想像してみてほしい。韓国の男性は熱烈だと(その後調べた)聞いたものの、いざ目の当たりにすると、「本当に?」という気持ちと「なんだこれ」という気持ちと、「超展開すぎるし、面白すぎないか」という気持ちが「私の前で今何が起こっているんだ?」という気持ちがごちゃ混ぜになって何も考えられなくなるものだ。私は途中でちょっと笑ってしまったし、本人に「本当にいってる?あなたのことを信じてもいいの?」と聞いた。私が書いているこれを読んでくださっている皆さんも、正直半信半疑だと思うけれど、私もいまだに半信半疑だ。
結局どうしたかというと、私はあっけなく流された。
日付が変わる頃に一度解散して。朝またもう一度だけあって、手をつないで写真をとって、ハグして、それで、拙い英語で「あなたのことをもっと知りたい」と言って、解散した。
わかってる。国際学会という場所が刺激的すぎて、テンションハイになっていたのは否めないし、その自覚もその時からあった。だって、まさか「ずっと話してみたいと思ってたんだ」と国外で男性に声をかけられるなんて思ってもなかったし、そこから生まれたものが全て「いままでになかったもの」すぎて処理をしきれないのも当然だと思いたい。
そして何より、浮かれて好奇心旺盛な私が常にいて、「手を離すにはもったいないよ!」と叫んでいた。
一応、色々考えはした。
怪しい人である可能性。
国際学会の参加者で名の通った大学院生である以上そこそこ減る。アプリとか、街中のナンパよりはずっと信用できる。これが国際的に通じる考えかはしらないが、私の価値観ではこれが精一杯だし、「国際学会で出会う」という特殊事例において先人の過去の例を引っ張り出すのは至難の業で、結局自分の直感だけが頼り。
それに、結局物理的に離れるので何かあってもリスクは多くない。
例えば結婚の話が急に出てきたら詐欺を疑う余地しかないが、そんなことはなくて、ただ純粋に「文化の違いで口説き方がえげつなく感じるだけ」の範疇にとどまっているように思えた。
自分の気持ち。
目の前の人は私のことを好きになっている(か、その素振りを見せるのが上手)だけれど、自分はよくわからない。褒められて嬉しいということと、研究の動機を気に入ったこと、拙い英語を話す私によく付き合ってくれる根気がありがたい、くらいだった。好きとか嫌いとかいう物差しを出すほどの情報量もなく、ただ、悪い印象はなかったので、普通に縁がきれてしまうのは惜しい。
相手の気持ち。
もちろん、この人が私のことを好きでい続ける確証なんてない(特に自分の経験も踏まえて)ので、いつ捨てられるかわからないよな、と思いつつ、「どうして私なの?」という厄介な質問に「リアクションがいい、同じ分野で研究をしているし、その才能がある、やさしい、顔」という数時間しか会っていないのに的確に嬉しい言葉をくれる彼の言葉を、嘘でも嬉しいから信じておくか、というマインドで。
まあすなわち「こりゃ冷静な判断はできっこない」と判断し、欲望のままに飛び込んでみることにしたのだ。
今は、私のためにインストールしてくれたというLINEで細々と連絡をとりながら、私は、彼が一月に日本に来るというのをこれまた半信半疑で待っている。
気づいたことがある。どんな恋愛においても「明日には嫌いといわれるかも」と思って過ごす私にとって、距離が離れているとか、言語が不十分だ、というのは根本の問題ではなかった。どうせ会えない時間はずっと、連絡がこようがこまいが「嫌われて連絡途切れるかも」とか「急に態度が変わるかも」とか思っているのだから、相手が韓国人でも日本人でも私は基本的に変わらないらしい。ネガティブが基本で、せめてもと自分磨きを始める乙女になった自分とうまく生きている。
ただ、言語が不十分なのは私がストレスで、多分相手も相当ストレスだから、英語を必死に勉強するしかないよなあ、と思って、今は英語と研究に明け暮れている。ちゃんと染まっていて、なんだか恥ずかしい。(英語の勉強の話もいつかしたい)
まあ、とにかくいい経験になる気がする。
遠距離だし、のんびり相手をしったり、私を知ってもらったりして、うまくいったらうまくやっていきたいと思う。
日本人男性に戻れなくなるという噂だけが、私のいまの不安事項だけど。笑