TOMOO 曲私見② らしくもなくたっていいでしょう
二曲目は「らしくもなくたっていいでしょう」
あの服に釘付けなのに
なんでまた後ずさり
僕じゃなくて服が僕を着ちゃいそう
やーやー、続けてみれば
みんなから慣れてくるのさ
おしゃれボーイはそうそそのかしてた
らしくもなくたっていいでしょう
着こなせるかNO化は後じゃない?
鏡をにらんで迷ううちに
You・Your・You・I・My・Me
季節が変わるよ
昨日までの僕がこうなら
今日もこうじゃなくちゃ、なんて
な訳ないな引っ張られなくていい
「あの人」になりたいんじゃない
「パーフェクト」も違うなあ
ただ僕は僕を引き延ばしたいだけ
あるのはいつも願いだけ×3
残るのはいつも願いだけ
らしくもなくたっていいでしょう
真似でもふりでもやって損じゃない
もっと楽しくなれるよ
No one knows who I am
No one knows who you are!
らしくもなくたっていいでしょう
大通りに出るしかないのさ
しれっと着替えて歩いてれば
You Are You I Am I
季節が笑うよ
ドキドキしてるよ
1番
「あの服に釘付けなのに
なんでまた後ずさり
僕じゃなくて服が僕を着ちゃいそう」
主人公はおしゃれにあまり自信が無い男の子
同じ服なのにモデルが着るのと自分が着るのとではなんか思った通りに行かないという経験は私にもある
おしゃれな人が着るからおしゃれに見えるのか、おしゃれな服を着るからおしゃれに見えるのか、ファッションに疎い人が抱えている永遠の課題であろう。
おしゃれな人がよく言うセリフとして「ユニクロで充分」とか「これもユニクロだよ」などがある。
人は見た目が八割とはよく言うが、私はその見た目の中でも顔面とスタイルがおおよそを占めていると考えているため、顔面が良い、スタイルがいい人とそうでない人とのファッションは全く違うものではないだろうか
たらたらとファッションセンスがない男の御託を並べたが、「服が僕を着ちゃいそう」というのはファッションセンスが無い人の意見を上手くまとめた表現だ。
「やーやー、続けてみれば
みんなから慣れてくるのさ
おしゃれボーイはそうそそのかしてた」
これが上で述べたおしゃれな人がよく言う言葉。
けど、冷静になると結構的を射ている言葉でもある。
「らしくもなくたっていいでしょう
着こなせるかNOかは後じゃない?
鏡をにらんで迷ううちに
You・Your・You・I・My・Me
季節が変わるよ」
なぜ的を射ているかというと、おしゃれとは明確な基準が無いものであり、一人一人何がおしゃれなのかは異なるからである。
例えダサいと思われようともそれがその人のおしゃれであるならば他人にどうこう言われる筋合いはない。
もし言ってくるならばその人とは縁を切るべきだ。
それにしても「らしくもなくたっていいでしょう」はおしゃれに一歩踏み出す勇気をくれる言葉だ。
おしゃれじゃない人間が怖いのはおしゃれになるまでの変遷の時期を他人に見られることなのだ。
人間は変化に敏感な生き物だ。女性が男性の不倫や浮気を日頃の小さな変化から感づくのに長けていることからも分かるだろう。
そして、その変化はそのまま自分の弱みへと変換されるため、弱みを見せたくない=変化したくないとなってしまう。
その点、この「らしくもなくたっていいでしょう」という言葉は変化を肯定してくれている気がする。
また、「You・Your・You・I・My・Me 季節が変わるよ」という箇所にも私なりの解釈がある。
それは主格→所有格→目的格という変化は(~は)→(~の)→(~に)という助詞の変化を引き起こすため、「私」単体が「私の服」となり、「私に」なるといファッションが自分の一部となっていくことを表現しているのではないかというものだ。
「季節が変わるよ」は今まで何となく認識していた季節の移り変わりに注目するようになったことを意味していると思う。
私も暑いから半袖、寒いから長袖という違いしか服に関しては認識していなかったが、服と季節とは密接な関係にあるものであり、8月に秋の服が売られていたりといったように、季節の移り変わりに敏感になっていくことがファッションに関心を持つようになったことを意味しているのではないか。
2番
「昨日までの僕がこうなら
今日もこうじゃなくちゃ、なんて
な訳ないな引っ張られなくていい」
二番の頭からすごく刺さる歌詞。
これも変化する事をためらうな、肯定するという意味だ。
これはファッションやおしゃれだけにとどまらない。
勉強でも運動でも今、自分がやりたいことをやってみる。
大学4年で暇を持て余している自分には視野を広げようと思わせられた言葉であったし、高校生の頃とかに聞いていたら良かったなと思う。
もっと若い人にこの曲を聞いてほしい。こんなにメッセージ性と素晴らしいメロディが合わさった曲を作る人はそうそういないはず。
「「あの人」になりたいんじゃない
「パーフェクト」も違うなあ
ただ僕は僕を引き延ばしたいだけ」
「僕を引き延ばす」とはどういう意味か。
私は自分の好き、おしゃれと思うものを最大限表現できるようにすることだと解釈した。
まず言っておかなければならないのは、おしゃれじゃない人は今自分が来ている服の事を決しておしゃれだと思っているわけではない。
ただ自分の好きなもの、おしゃれだと思っているものを表現する術を知らないため、妥協して今の服を着ているのだ。
だからおしゃれな人を真似しようと思っても、それは自分が思うおしゃれとは違うんだよなと諦めてしまう。
そのため、自分のおしゃれを少しずつ目に見える形に具現化していく。その積み重ねていく過程の先に自分が思うおしゃれがあるのならば、その工程の事を「引き延ばす」と表現するのは素敵だなと思う。
「あるのはいつも願いだけ×3
残るのはいつも願いだけ」
先にも述べたが、おしゃれじゃない人もおしゃれにはなりたいと思っているし、別に自分はならなくていいという人はただの強がりだ。心のどこかでは自分の思うおしゃれに近づきたいと思っている。なぜなら私がそうだから。
そして結局おしゃれになりたいという「願い」だけが残る。
この箇所は「励まし」ではなく、所謂我々側の人間にそうだよね、そうなんだよねと寄り添ってくれているように思う。
「らしくもなくたっていいでしょう
真似でもふりでもやって損じゃない
もっと楽しくなれるよ
No one knows who I am
No one knows who you are!」
ここでは寄り添いの後にこうすればあなたの好きを、おしゃれを表現できるんじゃないという「導き」を表現しているのではないか。
結局勉強でもスポーツでも楽器でも誰かの真似をすることが一番の近道である。
まずは真似をしてみてその中で見えてきた「基本」という土台の上に「自分らしさ」が出てくるのだ。
結局誰も自分なんて知らないのだから真似をしても何ら恥ずかしいことはない。
よくマネキン買いがバカにされる。
けど、どんどんやっていこう。
私も歌詞の理解を進めるうちにファッションに対する恥ずかしさが減っていき、まずは真似から始めていこうと思えた。
「らしくもなくたっていいでしょう
大通りに出るしかないのさ
しれっと着替えて歩いてれば
You Are You I Am I
季節が笑うよ
ドキドキしてるよ」
まずは実戦なんだなと思わされた。
これは繰り返すようだが何も服だけにとどまらない。
よく高校デビューとか大学デビュー、イメチェンなどの言葉が否定的に使われる。
だが、しれっとしてれば案外周りも慣れてくる。
私の場合はコミュニケーションかな。
職業柄多くの人と付き合うことになるため、しれっと人との付き合い方を変えてこれから頑張っていきたい。
まとめ
この曲はファッションに一歩踏み出せない人だけでなく、様々な場面で一歩を踏み出すことが出来ていない人にとっての応援歌だ。
らしくもなくたっていいし、しれっとやっていこう。