verse:4/30 “Happy Birthday”
「4月30日」は私にとって特別な人が産まれた日。
そう、今日はアメリカ・テキサス州ヒューストン出身のラッパー、TRAVIS SCOTT(トラヴィス・スコット)の誕生日だ。
今回の記事では、- 記念すべき4月30日に産まれた彼へリスペクトを表し - 私が彼の存在を「歴史的だな」「偉大だな」と感じたことについて、いくつか触れたいと思う。
要は、彼のサイドストーリーをひたすら並べて褒め倒すような記事である。
(せっかくの誕生日なので、印象的なリリックを引用して深掘りしたり、彼の生い立ちをつらつらと書いたりしても何だか仕方がない気もするので。笑)
この4月30日をきっかけに、これを読んだあなたが少しでも彼に興味を持ってくれれば、私はそれ以上の喜びはないし、それはきっと彼にとってもいいことになるだろう。
・ハイブランドも一目置く、hip-hop界きってのファッションアイコン
ラッパーたちとファッション・スニーカーカルチャーは切っても切れない関係で、トラヴィス・スコットは間違いなくその中心にいるアイコンだ。
もちろん、それは彼が普段身に纏うNIKEやジョーダンブランドに限ったことではない。
彼は、スポーツブランドやストリートの枠に囚われる事なく、ラグジュアリーなハイファッションも簡単に自分のスタイルに取り入れてしまう。
そんなクールさがハイブランドのデザイナーたちの目に留まり、彼は様々なブランドの広告塔を務めてきた。
彼が広告を務めたルックや、レッドカーペット上で魅せたアイコニックな装いの中で、特に印象深かったものをいくつか紹介する。
🔹MET GALA 2018
ファッション誌Vogue(ヴォーグ)編集長アン・ウィンターが主催するファッションの祭典“メットガラ”。
トラヴィスは2018年、2019年と2年連続でパートナーであるカイリー・ジェンナーと共にレッドカーペットに姿を現した。
特に、2018年のメットガラでのルックは印象的だ。
これまで、公の場に揃って登場することがほとんどなかった2人であったが、2018年5月のメットガラで、お互いの手を取りながらレッドカーペットに登場。
これが愛娘ストーミが誕生して以来初のビッグイベントとなった。
揃ってイベントに出席するだけでなく、Alexander Wang(アレキサンダー・ワン)の衣裳で揃えて来るのも「さすがトラヴィス」だ。
因みにこの年のメットガラのテーマは「宗教」であった。カーダシアン/ジェンナー一家やその周囲の人間はテーマ無視フェイム誇示のスタンスを未だに貫いている。
🔹SUPER BOWL 2019🏈
アメリカの国民的行事、NFLスーパーボウル。
全米イチのアメフトチームが決まる最終決戦の対戦カードと同じくらい毎年注目を集めるのが、ゲームの中盤に行われる“ハーフタイムショー”だ。
彼は、2019年スーパーボウルのハーフタイムショーで大人気バンド・MAROON5(マルーンファイブ)とコラボパフォーマンスを果たした。
この大舞台で彼は、未発売のエアジョーダン6“Cactus Jack”を履き、腰には(これまた非売品の)ルイ・ヴィトンのベルト“Louie Belt”巻いて登場した。
メルセデス・ベンツ・スタジアムに相応しいような、彼らしい無骨なロックスタイルだ。
また、1017 ALYX 9SMのレザーパンツとNIKEのトップスをコーディネートさせるのも上級者チョイスと言えるだろう。
何となく、大事なイベントではこういう二次元的な(?)(アニメやゲームのキャラクターに居そうな)アウトフィットを好むトラヴィス。
彼のアイコニックなスタイルを普段からチェックしているファンにとって、先日、彼が人気ゲーム”Fortnite“とコラボしたことは妥当な結果だったのかもしれない。
🔹Dior x Jordan 2020
2019年12月3日に開催されたDior(ディオール)メンズ #20FW コレクションでNIKEの“Jordan Brand”(ジョーダンブランド)とDiorのコラボスニーカーが発表された。
2020年はDiorにとってブランド35周年という節目の年。
その記念すべき35周年でこのようなコラボスニーカーが出るのは運命以外の何物でもないだろう。
スポーツブランドとハイブランドの歴史的コラボ。
そのキャンペーンビジュアルに大抜擢されたのがトラヴィスであった。
ここ数年、ジョーダンブランドと積極的にコラボすることでストリートを牽引してきたトラヴィス・スコット。
彼のセンスや存在そのものがハイブランドから支持された結果、この歴史的コラボレーションの広告に起用されたに違いない。
・政治的発言と社会貢献
ラップ良し、スタイル良し、ファッションセンス抜群の彼の魅力は単にその“五感”だけに留まらない。
トラヴィス・スコットは、現代社会をその目で俯瞰的に見ることで、自分の影響力を利用して“Good Vibes”を広めることも惜しまない。
この記事で、彼がアメリカの政治にもたらした2つの好影響について紹介したい。
🔹2018年中間選挙
2018年11月6日。4年に一度のアメリカ大統領選挙から2年が経ち、トランプ政権のここ2年間の政権運営に審判を下すともいえる「中間選挙」が全米で行われた。
中間選挙は、トランプ大統領の進退に直接影響をもたらすものではないが、これまでの政治のあり方を国民が評価し- 共和党がここでの多くの議席を獲得出来なければ - 向こう2年の政権運営がかなり厳しくなるという・アメリカの政治の中でもかなり重要な立ち位置のイベントだ。
選挙当日、トラヴィスは、この中間選挙にどうにかして若者の関心を多く引きつけようと“ある策”に打って出た。
なんと、地元ヒューストン居住の有権者に向けて、2箇所の投票所で自身が主催する音楽フェス“ASTROWORLD FESTIVAL 2018”のチケットを無料配布するというものだ。
中間選挙の約3ヶ月前 - 2018年8月 - トラヴィスは自身3枚目となるスタジオアルバム“ASTROWORLD”をリリースした。
アルバム発表後、それを引っ提げてトラヴィス自ら主催する大規模音楽フェス“ASTROWORLD FESTIVAL 2018”。
チケットの購入は決して簡単なものではなく、言うまでもなく争奪戦であった。
そんな大人気フェスのチケットを秤にかけ(?!)有権者を投票所まで導くことで、あたかも“ついでに”投票を促すトラヴィスの戦略に、アメリカのみならず世界中のファンたちが感心したのである。
そして、トラヴィスの党集会への参加や、選挙当日の呼びかけの甲斐あってか、2018年の中間選挙の投票率は49.4%で1914年以来、過去104年で最も高い値を示したそうだ。
(政治的発言をこれまで控えていた歌手のテイラー・スフィフトが共和党に相対する民主党支持を表明、自身のSNSで投票を呼び掛けたことも少なからず影響しているだろう。)
<📸2018年10月29日。地元ヒューストンの集会に参加し投票を呼びかけ変革への意欲を伺わせたトラヴィス。>
この2018年の中間選挙は、3rdアルバム“ASTROWORLD”発表後、初の政治的ビッグイベント(それにASTROWORLD FESTIVALを若干巻き込みつつ)なこともあり、より一層トラヴィスの発言や行動に注目が集まった。それが結果的に社会的にも好影響を与えた。
更に、翌年2019年...自身の影響力を利用し、またも彼が社会に貢献した。
🔹人工妊娠中絶禁止法に反対
<📸トラヴィスの向かって左側に映るのは“現役最強”と称されるNBAプレーヤーのレブロン・ジェームズ。彼もまた慈善活動や寄付、女性の社会進出に積極的な著名人の1人だ。>
2019年5月15日。アメリカ・アラバマ州で人工妊娠中絶を全面的に禁止する「人命保護法」が成立し、望まれない妊娠(レイプ被害など)をした女性たちの気持ちをまるで無視したようなその法案が全米で大きな波紋を呼んだ。
この法案が成立した以上、妊娠何周目であろうと、レイプ被害者であろうと、女性の妊娠中絶が認められなくなってしまう。
そこで、またもトラヴィスが自身の影響力を上手く利用し、苦しむ女性たちへ手を差し伸べた。
アラバマ州で「人命保護法」が成立した週末、奇しくも同じくアラバマ州のガルフショアーズ海岸で開催された“Hangout Festival”に出演したトラヴィス。
彼はこのフェスで公演の最中に「今日のグッズの売上金を全てPlanned Parenthood(※)に寄付したい。」と話し、間接的に「人命保護法」へ反対の意を示したのだ。
※Planned Parenthood(全米家族計画連盟):アメリカで女性の性と出産に関する健康と権利に関するサービスや啓蒙活動を行っている医療サービス非営利組織。
<📸単独ツアーや大型フェスで、サプライズとしてファンをステージに上げることも少なくない。彼の発言や行動に勇気や希望を貰う若者たちで熱狂する会場の様子は、もはや“暴動”だ。>
このように、自分の立ち位置や影響力を自分でよく知っていてこそ出来る「善い行い」にインスパイアされる彼のファンは大勢いる。
今年は新型コロナウイルスの感染拡大で様々なイベントにイレギュラーな対応が迫られている。
仮に11月に予定通りアメリカ大統領選挙が行われるとすれば、2年前の中間選挙のように数多くのセレブたちがそれぞれに声を上げるだろう。
上に挙げた2つの出来事を踏まえた上で、これからのトラヴィスの発言や行動もしっかりチェックしたいものだ。
・ファンを喜ばせる“サプライズ精神”
最後に、どんなに大物アーティストに成長しても、大勢集まったファンとの触れ合いを大切にする彼の姿について書いて、この記事を締め括りたい。
これまでトラヴィスは幾度となく家族や愛娘、パートナーにサプライズを仕掛けてきた。
昨年8月、カイリー・ジェンナーの22歳の誕生日にはカイリーの家の床一面に薔薇のはなびらで絨毯を敷き、その話題を独占。
また、今年2月に2歳の誕生日を迎えた娘ストーミの誕生日には(もはや毎年恒例行事になりつつある)“STORMI WORLD”という遊園地を開園した。
そのサプライズ精神はファンに対しても変わらない。
彼はこれまでにLIVEやイベントで数々のサプライズを行なってきた。
特に、地元ヒューストンのファンには手厚い。
🔹Netflixでドキュメンタリー映画が公開
例えば、昨年8月にNetflixからトラヴィス・スコット ドキュメンタリー”LOOK MOM I CAN FLY”がローンチされた際、
ヒューストンでポップアップを開き、今や「レトロな媒体」として葬られつつあるビデオテープに収録したドキュメンタリー映画を集まったファンに配布。
トラヴィスもポップアップに出向き、VHSにサインをし、ファンと交流した。
ちなみに、このドキュメンタリー映画に、トラヴィスがいかにファンとの交流やライブを大切にし、また、地元のファンがいかに彼を大切に想っているかが詳細に描かれている。
これを読んで下さっているファンの方々のみならず、少しでも「トラヴィス・スコット」の“人物像”が知りたい!という方はこれを機に是非チェックしてほしい。
🔹NBAでも人気者
音楽、ファッション(スニーカー)、政治の話をここまでしてきたが、彼がアイコンで在る場所はまだひとつある。それはNBAだ。
これまた地元ヒューストンの話になってしまうのだが、トラヴィスはNBAチーム”ヒューストン・ロケッツ”の大ファンであることも有名だ。
残念なことに、NBAは新型コロナウイルスの感染拡大により2019-2020シーズンをやむを得ず中断。今シーズンが予定通りファイナルまで開催されなくなってしまったことは明白だ。大きなショックを受けたファンは大勢いる。
そしてトラヴィスも、今まで頻繁にコートサイドに足を運んでいた「熱心なファン」のひとりだ。
<📸母と共にトヨタセンターへ。お得意のブラウンでコーディネートしたファッションもキマっている。>
そんな「熱心なガチ勢」であるトラヴィスに球団も感銘を受けたのか(?)、今年2月24日ヒューストン・ロケッツvsニューヨーク・ニックスの試合で”TRAVIS SCOTT BOBBLE HEAD NIGHT“なる企画が行われた。
彼の姿を模したボブルヘッド人形が来場したファンに先着で配られる、というものだ。
この日、トラヴィスはもちろんトヨタ・センターのコートサイドに登場。その隣には母の姿もあった。
<📸この手の人形はだいたい本人に似ていない>
この日彼は試合終了後、ラッキーなファンに配られた人形のパッケージに丁寧にサインを書いた。
集まった人々を大切にする「サプライズ精神」をここでも惜しげもなく披露していたのだった。
・終わりに...
この記事ではメットガラ、スーパーボウル、中間選挙など....ここ2年で特に印象に残ったトラヴィスの姿を特集した。
私は海外セレブニュースやゴシップが好きなので、今回、できるだけ音楽以外の面からアプローチして彼の魅力を伝えるに徹した。
特に私がこの記事で一番書きたかったことは、トラヴィスが持つ大勢のファンを動かす言葉や、政治や選挙、アメリカの社会への強い影響力である。
新型コロナウイルスの感染拡大による対応は各国で大きく分かれており、国の明暗が各々の国で大きく分かれている。
著名人の発言や行動による影響力は絶大だ。
更に、今年は11月にアメリカ大統領選挙が控えている。これからの彼に発言にますます注目だ。
そしてウイルスが収束した後、みなさんがまた彼のエネルギッシュな姿を見て、歌を聴いて、最高の時間を過ごせますように。
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トラヴィスの誕生日ということで、徹底的にトラヴィス一色の記事に仕上げてみました。
また次の特集をお楽しみに!
読んで下さりありがとうございました^ ^
🔹TRAVIS SCOTT(トラヴィス ・スコット)
アメリカ合衆国・テキサス州ヒューストン出身。
1992年4月30日生まれ。今日で28歳になった。
2015年にリリースしたデビューアルバム“Rodeo”が全米 HIPHOP アルバム・チャート初登場1位という華々しいデビューを飾り、2016年には 2ndアルバム“Birds In The Trap Sing McNight”で全米総合アルバムチャート、R&B/HIPHOP チャート、ラップチャートで 1 位を獲得。3rdアルバム“ASTROWORLD”はリリースするや否や社会現象とも言える規模でトレンドとなった。
また、NIKE/PUMA/Alexander Wangなど数々の大手ファッション・ブランドとのコラボも果たすなど、ラッパー/プロデューサー/ソングライター/デザイナー/ファッション・アイコンとして、様々なジャンルでマルチに活躍してきた新世代ラッパーである。(※一部タワーレコードオンラインより抜粋)
🔹最近のリリース
キッド・カディとコラボユニット“THE SCOTTS”を結成し、セルフタイトルを冠したファーストシングルを遂にリリース。
かねてから名コラボとしてファンの間で話題になっていた「師弟」関係の2人にこれからも注目だ。
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🖤歌詞&和訳(Sublyrics様本当に感謝しています)
御賽銭箱はこちらです。(笑)