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中国旅行 Day11 玄武湖・夫子廟

もう中国に来て10日以上経ったのか、と思うと不思議な気分である。中国社会に多少慣れはするが、10日程度では溶け込むには程遠い。

今日は少し寝坊してしまった。昨日の夜、欧州選手権のラウンド16、イタリア対スイスを見ていたためである。まあ、見ない方がよかったくらいの酷い試合だったのだが。あまりにも不甲斐ないイタリア代表に腹を立たせながら眠ったのが夜中だったので、少し寝坊してしまったのだ。

玄武湖公園

今日は雨は降っていないが曇り空である。南京は蒸し暑い。北京や西安は照りつけるような暑さだったが、こちらは蒸し風呂である。汗がジワっと出て、体力がじわじわ削られていく感じである。朝はまず玄武湖公園へ。ここは南京市街にある巨大な公園で、かつて三国志の孫権もここで軍事演習をした場所だ。大きな湖の中央には大きな島がいくつか浮かんでいる。市民の憩いの場となっている感じで、日曜なのもあって家族連れが多く遊んでいた。公園の向こうには南京の高層ビル群が見えて、さながらセントラルパークだった。

湖畔が全部公園になっている

公園近くにはあまり店が無かったので、少し歩いて昼食へ。牛肉麺と揚げ餃子を注文。牛肉麺は日本の醤油ラーメンによく似た味だった。揚げ餃子は肉汁がすごくて、小籠包かと思うくらいの肉のスープが出てきた。とても美味しかったし、何よりサイズも大きくかなり食べ応えがあった。

揚げ餃子はとってもジューシー

南京城壁

公園近くに戻る。解放門という門から南京城壁に登る。西安での城跡ウォークが楽しかったので、南京でも行ってみることにした。城壁の上からは右手には玄武湖の全貌が、左手には南京のスカイラインが見えた。また、鶏鳴寺という大きなお寺も全貌を納めることができた。3キロほどダラダラと城壁の上を歩く。南京の城壁は西安の城壁と違い、あまり整備されておらず、石畳が崩れているところがあって歩きにくかった。歩いているとだんだん太陽が出て、空が晴れてきた。北の端の神策門からでる。神作門は日本の城でいう升形虎口のような形になっていて面白かった。城好きなので、こういうのはテンションが上がる。

城壁の散歩にハマってしまった

そこから20分ほど歩いて地下鉄の駅へ。途中の屋台でオレンジジュースを買った。海外旅行をすると普段は欲しくならない食べ物や飲み物が欲しくなったりする。

夫子廟

地下鉄に乗り夫子廟へ。夫子廟とは元々は孔子廟の名前なのだが、転じて一帯の繁華街のことを言うようだ。雰囲気的には神戸の南京街とよく似ている。というか、これが元ネタなんじゃないかと思う。北京の前門街というよく似た雰囲気の街にも行ったが、明らかに南京の方が賑わっている。散策していると、科挙博物館という施設を発見。面白そうなので、入ってみる。元々は科挙の試験場があった場所のようで一部建物が残っていた。そして、その地下には科挙に関する様々な展示があって面白かった。科挙の答案や試験問題を中心にカンニングペーパーや参考者なんてものもあった。博物館は科挙は現代の世界中で行われている官僚の採用試験(日本でいうと国家総合職試験)の元になっている中国の偉大な発明だ、というコンセプトだった。確かにその通りである。中でも面白かったのは展示の最後に現代の科挙、のよつな立ち位置で高考(中国の大学入試)に関する内容が展示されていたことである。今も昔も変わらないのだ。我々が受けた大学入試も科挙のようなものかもしれない。

一生かかっても受からないような試験だという科挙

博物館を出て再び散策をする。暗くなって来て、建物がそこらかしこでライトアップされている。夕食は南京料理の店へ。鴨血粉絲湯と塩水鴨を注文。鴨血粉絲湯はアヒルの内臓とアヒルの血を固めた物と春雨が入っているスープで、南京の至る所で売っている。鴨肉の濃厚なエキスがそのままスープに溶け込んでおり美味しい。血も内臓も全く臭みはなく美味しい。塩水鴨は南京ダックとも言われる料理で、その名の通り塩味のダックである。北京ダックの様に皮だけを食べるというようなことはせず、肉まで、なんなら骨までしゃぶりつくす料理である。北京ダックの5分の1ほどの値段で、決して高級料理という感じではない。少し塩辛すぎる感じもするが、シンプルな味付けでお酒によく合う。かなり美味い。個人的には北京ダックより好きだ。ビールは金陵ビールという南京の地ビールだった。相変わらずアルコール度が低くパンチはないが、スッキリした味で美味しいビールだった。

南京名物、どちらも美味しい

夫子廟はすごい人だったが、その中を掻き分けホテルまで歩いて帰った。南京は今日で終わりである。個人的には南京の雰囲気が気に入った。ご飯も美味しくいい街だった。ただ、南京の交通マナーは最悪だった。特にスクーターのマナーが酷い。彼らは歩道を全速力で走りながら、歩行者に対して、邪魔だ、と言わんばかりクラクションを鳴らしてくる。中国のスクーターは歩道を走っても良いのだろうか、と疑問に思うほどである。子供相手でもお構いなしにクラクションを鳴らしまくるのは止めるべきだと思う。

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