糖尿病治療薬

糖尿病治療薬の供給不安に直面していることに関して、日本糖尿病学会 植木浩二理事長のコメントが日刊薬業の記事で紹介されていました。

▽一部ジェネリックメーカーの製造工程の不備による操業停止
▽薬価改定による不採算のための撤退
▽円安などの影響を受けた原材料高騰による不採算のための撤退
▽戦争などの影響によるロジスティクスの障害
▽国内外の需要の高まりに対応できる生産ラインの不備
▽薬価が高い海外に供給をシフトすることで国内の供給量が減少
▽生産ラインで扱う品目をより利益率の大きい製品にシフト―を列挙した

日刊薬業 2024年11月5日
糖尿病薬の供給不足、薬価も原因 学会・植木理事長、改定の在り方再考を  

以上は、すべて医療以外に原因があるということなのですが、それ以上にじつは医師の不適切な処方も存在します。これを是正するための検討が国で始まっています。購買力のある大手薬局や医療機関による買いだめも懸念材料です。
植木理事長の発言では、医師自らの反省や、薬局・医療機関の経営者への是正要望もなかったのでしょうか。記事を書く記者の視点にもよるものかもしれませんが、発言がなかったとしたら残念だと思いました。

製造に携わる企業や国の制度、世界情勢に薬の供給不安の要因があることは学会に指摘されるまでもなく国の会議で確認されています。医療のリーダーからは、既知の要因をリフレインして指摘するだけではなく、自ら何ができるのかを考え提案することも期待したいと思います。


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